交通データ「オープン化」はなぜ進まないのか

時刻や位置情報、自由に使えればもっと便利

12月15日に行われた「TRONSHOW」内の「東京公共交通オープンデータチャレンジ」セッションで示されたオープンデータの利用イメージ(筆者撮影)

2017年12月7日から2018年3月15日までの間、「東京公共交通オープンデータチャレンジ」が開催されている。これは公共交通オープンデータ協議会(ODPT)が主催するコンテストで、首都圏のさまざまな公共交通機関のデータを公開し、東京の交通を便利に乗りこなすためのアプリケーションやアイディアを最高賞金100万円で募集するものだ。

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コンテスト開催にあたっては、首都圏エリアの鉄道やバスの時刻表や運賃、駅の乗降客数、バス停の位置情報、飛行機のフライト情報といった公共交通に関わるデータを「オープンデータ」としてコンテスト向けに公開している。

会長の坂村健・東洋大学情報連携学部長はコンテスト開催に際して、「形はなんでもいいからとにかくオープンなデータを出すことが大切だ。実証実験やコンテストによってデータ利用者に使い方をわかってもらうことで、データを出しやすくする」と意気込んだ。

本当に「オープン」なのか

開始当初は東京の公共交通に関する膨大なデータに触れられる点から、IT技術者を中心に注目されていた。しかし次第に彼らの間からはコンテストに対する困惑の声が聞かれるようになっていった。理由は大きく分けて2つある。

1つは「今回公開されたデータがオープンデータではない」ことだ。オープンデータの定義を一言でいえば、「目的を問わず、誰でもどこででも自由に利用し、共有し、構築のベースにすることができるデータ」(オープンナレッジ・ファウンデーション・ジャパンによる定義)となる。

しかし、今回の東京公共交通オープンチャレンジの規約には「データを利用する目的が本チャレンジに応募すること以外にもあると本チャレンジの主催者が判断した場合、(中略)本データを利用することを終了させることができる」という文言がある。これは「目的を問わず」とする定義から大きく外れる。また「第三者が再利用可能な状態で公開」や「商用利用」を禁じており、「自由な利用」や「共有」という定義に反している。

つまり、今回のコンテストで使える公共交通のデータを「オープンデータ」と呼ぶことはできない。これでは看板に偽りありだ。

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  • NO NAME2b866b313626
    バス停や地下鉄の駅の出口に東京都主導でビーコンでもつければ、とりあえず位置情報だけは一元管理できそう。
    でもそれがなんの役にたつのか?と言われてもよくわからない。
    最終成果物として何ができるのか、どんな使い方をして経済効果はどれだけ出るのか、とかプレゼンできないと導入にはつながらなさそう。
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    down0
    2018/3/3 10:15
  • NO NAMEc47b773f8100
    自分ではオープンデータの活用が出来ない・・・。

    でも、活用出来る優秀なグローバル企業に提供すれば、そこから得られる(派生する)利益を全てかっさらわれる・・・。既に現状でもそういうケースはいくつもあるのでは無いでしょうか。


    もちろんそれによって新しいサービスが生まれたり、利便性は必ずあるはずでしょうけど。デメリットも当然あるはずで、強者による消費者の囲い込み、格差の拡大がこれ以上進むなら、オープンで無くとも良いのでは、と思いました
    up4
    down2
    2018/3/3 08:42
  • NO NAME8d019b7ece94
    うん?
    正直記事の意味がわからないのだが。
    飛行機はFlightradar24、船はmarinetrafficで拾えるし、これはGPSやAISとかで動いているはずだが。
    バスや列車でも情報そのものは提供されているはずだから、企業ごとのシステムのすりあわせだけの話じゃないの?
    up2
    down2
    2018/3/3 10:49
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