【もうすぐお彼岸】お墓参りの基本やマナーを紹介!

先祖代々之墓と彫刻されている墓石

少しずつ寒さが緩み、春らしい日が続くようになってきました。
春といえば進学や引越し・転職などで環境が変わり、忙しくなる人が多いのではないでしょうか。

そんな多忙な時期でも、人生の節目を迎える人におすすめしたいのが「お墓参り」です。
ご先祖様へ挨拶することで、新しい環境でも見守ってくれているような安心感が得られるかもしれません。

また、まもなくお彼岸の時期(3/18~24)です。この機会に「お墓参り」について考えてみるのはいかがでしょう。

  • お墓参りをする目的は何?
  • お墓参りに行くのにふさわしい「時期」や「時間帯」はあるの?
  • お墓参りの持ち物や作法、服装といった基本が知りたい

この記事では、以上のような疑問をお持ちの人のために、
お墓参りの目的やふさわしい「時期」「持ち物」「作法」「服装」についてまとめました。

「持ち物」や「作法」などは、いつでも気になったときに読み返せる状態にしておくのをおすすめします。

お墓参りの目的は、故人の家を訪問し挨拶すること

墓石の前で合掌する手

お墓参りの目的は、故人に挨拶をしに行くことです。
お墓は、いわば故人の家です。
お花やお供物という「手土産」を持って訪ねていくと考えれば、わかりやすいのではないでしょうか。

ただ、先祖へのお墓参りと、知人のお墓参りでは、若干目的が異なってきます。
それぞれ次の章で解説していきます。

先祖へのお墓参りは年長者への挨拶

お墓参りを、故人の家へ訪ねる行為ととらえると、 「顔も知らないご先祖の家に遊びに行くの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
先祖は、自分へ土地をつなげてくれた人たちです。尊敬すべき目上の人ととらえましょう。

お世話になっている年長者には、お中元やお歳暮を贈ったり、年始の挨拶に伺ったりしますよね。
先祖へのお墓参りは、目上の人に対するのと同じように、節目の挨拶に行くということなのです。

知人のお墓参りは家への訪問

友人・知人のお墓参りは、「家へ訪ねていく」という表現がぴったりです。
生前、その人の家におじゃましていたのと同じような意味合いと考えていいのです。
友人宅にお邪魔するととらえれば、だいぶ気楽にお墓参りができるのではないでしょうか。

以上、ここまではお墓参りの目的について解説しました。
お墓という「家」から出られない故人のために、出向いて挨拶しに行くのがお墓参りです。

次は、お墓参りにふさわしい時期について解説していきます。

お墓参りにふさわしい時期は命日・お盆・お彼岸など

時計とカレンダー

お墓参りにふさわしい時期は、命日・お盆・お彼岸などです。
他、人生の節目などもふさわしいとされます。下記一覧にしてみました。

お墓参りにふさわしい時期 詳しい日にちなど
祥月命日 故人が亡くなった月日
お盆 8月13日~16日
(東京の一部は7月3日~16日)
春のお彼岸 春分の日を中日とした1週間
秋のお彼岸 秋分の日を中日とした1週間
自分の人生の節目
(進学、成人、就職、結婚、出産など)
入学式、成人式、入社式、結婚式などの前後
お正月 1月1日~3日
(神社への初詣の前は避ける。神道の神様は死の穢れを嫌うため。※諸説あります。

このように、お墓参りにふさわしい日はありますが、お墓参りをしてはいけない日というものはありません。
新年については、初詣の前には行かないというタブーさえ守れば、いつでもお墓参りができるのです。
(※神道の考えに沿った場合です。その他、諸説あります。)

ただ、お墓参りに向かない時間帯はあります。次章で詳しく説明します。

お墓参りの時間帯は日中がふさわしい

白い壁に立てかけられている時計

お墓参りは、なるべく日の出ている時間帯に行きましょう。
ただし、霊園によっては事情が異なります。順を追って解説しますので、確認してください。

霊園や納骨堂は開園時間をチェック

自由に出入りできる霊園と、そうではない霊園があります。
開園時間がはっきり定められている霊園は、時間外のお墓参りができません。

なお、納骨堂においては、開館時間が定められているところがほとんどです。
霊園や納骨堂へ直接問い合わせをするか、ホームページなどで詳しくチェックしましょう。

開園時間が決まっていなくとも夜は控えたい

開園時間が定められていない霊園には、暗くなってからのお墓参りは避けましょう。
照明が完備されている霊園が少なく、足元がおぼつかなくなってしまうためです。

また、お寺の裏などにある墓地へ、夜間に懐中電灯を持って出入りすると、 「不審者ではないだろうか?」などと、お寺の家族を不安にさせてしまう原因になります。

以上、お墓参りの時間帯について注意すべき点をお伝えしました。
日中がベストと覚えておけば、間違いはありません。

さらに詳しくお墓参りへ行くタイミングについて知りたい人は、『お墓参りにはいつ行くの?疑問を解消する葬祭マナー』を参考にしてください。

次章では、お墓参りのときの服装や持ち物、作法についてお伝えします。

お墓参りの服装・持ち物・作法のマナー

この章では、お墓参りのマナーについて一挙にご紹介します。
リストアップ形式になっているので、思い立ったときにパッと確認するだけで、必要なものを準備できます。
ぜひ保存版として活用してください。

お墓参りの服装は控え目を心がける

地味な色の服がかかっているクローゼット

お墓参りの服装は、控え目を心がけましょう。
法要のときのお墓参りであれば礼服ですが、それ以外だとどんな服装にするか迷いますよね。
上着から小物まで、ふさわしいものとタブーなものを表にしてまとめました。

服のアイテム お墓参りにふさわしいもの タブーなもの
ジャケット・コート 黒・紺・グレー・茶など暗めの色
シンプルなデザイン
汚れに強い素材や丈の短いもの
(お墓掃除のときしゃがみこんだりするため)
赤や黄色など原色の派手な色
毛皮やヒョウ柄など、殺生を思い起こさせる素材やデザイン
汚したくない高級素材やロングコート
帽子・マフラー・手袋 黒・紺・グレー・茶・白などの単色でシンプルなデザイン
※墓前では帽子をとること
赤や黄色など原色の派手な色
毛皮やヒョウ柄など、殺生を思い起こさせる素材やデザイン
バッグ 黒・紺・グレー・茶などの単色でシンプルなデザイン
汚れに強い素材や、汚れても構わないビニールバッグなど
派手な色味や個性の強いデザイン
ファー、レザーなど殺生を思い起こさせる素材
黒・紺・グレー・茶など暗めの色
シンプルなデザイン
汚れてもかまわないスニーカーなど
歩きやすいフラットシューズ
派手な色味や個性の強いデザイン
汚したくないもの
ヒールの高いパンプスやブーツ
トップス 黒・紺・グレー・茶など暗めの色
シンプルなデザイン
胸元の開きすぎていないもの
袖のあるもの
(なるべく肌を見せない)
派手な色味や個性の強いデザイン
ヒョウ柄など殺生を思い起こさせるもの
胸元が大きく開いたもの
ノースリーブ
ボトムス 黒・紺・グレー・茶など暗めの色
丈の長いズボン
(なるべく肌を見せない)
派手な色味のもの
革パンなど殺生を思い起こさせるもの
ショートパンツ
ミニスカート
髪型 奇抜でなければそのままでOK
派手な髪色は帽子をかぶる
※墓前では帽子をとること

ふさわしい服装にも、例外はあります。
たとえば、「成人式の晴れ姿を、亡き親族に見せたい」と願うとき、 きらびやかな振り袖姿でお墓に出向くことは、何らタブーとなるものではありません。
ただ、服の汚れに気をつけたり、足元を草履から歩きやすい靴に履き替えたりなどの配慮が必要です。

お墓参りの服装については、『お墓参りの服装は節度が大切!押さえておきたいポイントを紹介』の記事でも詳しく紹介しています。

お墓参りの持ち物リスト

香典袋と数珠と線香と仏花

お墓参りの持ち物リストは以下の通りです。
★マークのものは、霊園に常備されているものもありますので、確認しておくと荷物を減らすことができます。
納骨堂の場合は掃除用品を持参する必要がありません。

また、消防上の理由で線香をあげられない納骨堂もあります。事前に確認しておきましょう。

お墓参りの持ち物 詳細
線香★ ひと束あれば大人数でも間に合う
湿気ていないか注意
ろうそく★ ミニサイズを1~2本
湿気ていないか注意
マッチ、ライター、チャッカマンなど火気★ 風の強い日でも楽につけられるチャッカマンが便利
仏花 菊などを中心とした細めの花束を1対(2束)
霊園近くに花屋があり、調達できる場合がある
供物 果物・菓子など故人の好きだったもの
持ち帰りやすいものを選ぶ
湯呑 水やお茶をお供えするためのもの
茶葉を入れた急須 水ではなくお茶をあげたいときに
ビニール袋 使い終わったろうそくや供物を入れて持ち帰るためのビニール袋
数珠 お葬式や法事で使う数珠と同じもの
あるいは簡素な一連の数珠
手桶★ 掃除のため水を溜める桶
ひしゃく★ 手桶から水を汲み、お墓などにかけるためのひしゃく
ペットボトル 手桶やひしゃくのかわりに水を携帯できて便利
雑巾かスポンジ 墓石を拭き掃除する
たわしは傷がつくのでNG
歯ブラシ 線香立ての掃除をするのに便利
ほうき★ 墓前を掃き清める
ちりとり★
植木ばさみ 素手での草抜きでは間に合わないとき用
軍手 素手での草抜きでは間に合わないとき用
植木ばさみ 草抜き時に必要
ゴム手袋 拭き掃除にあると便利
虫よけスプレー 夏場あると便利
ホッカイロ 冬場は欠かせない

掃除用品が意外にかさばることがおわかりでしょうか。
複数でお墓参りに出向くときには、持ち物を分担すると負担が軽減されますのでおすすめです。

お墓参りの作法

手桶と仏花

お墓参りの作法は、「掃除」「お供え」「お参り」の3つの流れで覚えておけば簡単です。
作法の流れを表にまとめました。

流れ 作法 詳細
ご挨拶 合掌 合掌しながら心の中で「お墓参りに来ましたよ」と挨拶する
掃除 草抜き お墓の周りに生えている草を抜く、剪定ばさみで手入れをする
掃き掃除 敷地内の枯葉などをほうきで掃く
拭き掃除 墓石を雑巾やスポンジで水拭きする
付属品の手洗い 花立てや線香立てなど、取り外しできる付属品を手洗いする
お供え 仏花を供える 花立てに水を入れ、仏花を供える
水を供える 湯呑に水やお茶を入れて供える
供物を供える 供物台に供物を供える
お参り 線香に火をつける ひと束全てに一度に火をつけ、配ると早い
線香を立てる 血縁の濃い人から順に立てる
数珠を持って合掌する やや頭を下げて祈る
帰り支度 ろうそく、供物を下げる ビニール袋に供物やろうそくなど持ち帰るものを入れる

お墓参りをした後は、供物を持ち帰ることがマナーとされています。
霊園内をカラスや猫がうろつく原因になってしまうためです。

霊園を訪れる全ての人が気持ちよくお墓参りできるよう、供物は必ず持ち帰りましょう。

マナーについては、『お墓参りのマナーを詳細解説!時期や頻度などの疑問を解消』という記事でより詳しく紹介していますので、気になる人は読んでみてください。

まとめ

以上、お墓参りの目的やふさわしい時期、服装、持ち物、作法などのマナーについてお伝えしました。
安心してお墓参りを行うために、お役に立てたなら幸いです。

準備を万端にすれば、故人を想い、冥福を祈ることに集中できるのではないでしょうか。
故人を偲ぶ気持ちを一番大事にして、お墓参りに臨みましょう。

また、どうしてもお墓参りに行けない事情はあるけれど現在のお墓の状況が気になるという場合もあるかと思います。
その際は、最近増えつつある「お墓参り代行サービス」の利用も検討してみてはいかがでしょうか。
お墓参りの代行については、『お墓参りの代行は業者にお願いできる!サービス内容やメリットを紹介』で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。