千歳北陽小、分離新設の方針 全国一の児童過密解消へ
全国一のマンモス校、千歳北陽小学校の児童過密を抜本的に解決するため、千歳市は同校を分離新設する方向で調整していることが23日までに分かった。26日に開く庁内の政策会議で最終判断する見通しで、時期や事業費などが今後の焦点になる。3月1日に開会する市議会第1回定例会では、各会派から質問が集中しそうだ。
昨年12月、市議会定例会で抜本的な解決を求める声が多く挙がったことを受け、市は横田隆一副市長を座長とする庁内会議を設置。抜本的解決へ向け、分離新設以外にも、校区の見直しや、スクールバスで一部の児童を他校に送迎する方策なども検討してきた。
同校の児童数は昨年5月1日現在で1397人を数え、日本一となっている。開校した1994年当時は405人だったが、校区内の人口増などを受け右肩上がり。市教委は98、2007、11、13年度にプレハブ校舎の増築を行ったほか、玄関、水飲み場、トイレも拡張して対応してきた。
同校によると今月1日現在では1410人40学級で、文部科学省が定める「過大規模校」(31学級以上)に分類。学校教育法施行規則では「標準」の学級数を「12学級以上18学級以下」としている。
新千歳空港の活況などにより市の人口は増加し続けており、山口幸太郎市長は将来的に10万人を目指す方針を打ち出している。同校児童数は昨年10月には19年度にピークとなる約1490人に達すると推計されていたが、最多を迎える時期は先送りされ、その後の減少幅もなだらかになる見通しだ。
校区内のみどり台北には「公共施設用地」があり、住宅メーカーなどはかつてそこに小学校が建設されることをPRして家を売り出していた経緯がある。千歳市は道内でも人口が増加している数少ない都市であることから、関係者の中では「仮に北陽小が分離され新たな小学校が建設されれば、道内最後の新設校になる可能性もある」との見方も強めている。