人工知能(AI)が人の顔を認識する時代になっているが、その技術を、もっと日常的な、身近なことで利用しているエンジニアがいる。
オランダのソフトウェア開発会社「WeTransfer」で働くArkaitz Garroさんだ。
猫用ドアの代わりに
Arkaitzさん宅にはキャットドアがなく、Arkaitzさんか奥さんが外で待つ猫に気が付いて窓を開けてあげるまで、猫は家の中に入れなかった。
Arkaitzさんは、日曜大工で猫ドアを作るのではなく、エンジニアとしての能力をフルに活かしてこの問題を解決。顔認識ソフトと動体センサー、スマホのメッセージアプリを組み合わせたガジェットを自作し、窓に取り付けた。下にあるのは、彼の友人がFacebookにアップした写真だ。
毎日訪問する他の家の猫
Arkaitzさんの猫は、実は他の家の飼い猫だ。数年前から家の庭にやって来るようになり、猫好きだったArkaitzさん夫妻は世話をしてやっていた。
その後、迷い猫の張り紙を出したところ、近所の家の飼い猫であると分かったそうだ。猫はArkaitzさんの家に毎日訪問していただけだった。
海外メディアの取材を受けたArkaitzさんはこう言っている。
「その飼い主は、『猫をシェアしよう』と快く言ってくれました。それ以来、猫くんは2つの家を持っているんです。彼(猫)は毎日、大体同じ時間にうちに来るようになりました」
市販品で自作したガジェット
毎日同じ時間にやって来るとはいっても、窓際に立って待っているわけにはいかない。けれど、開かない窓の前に居続ける猫の不満顔を見るのも忍びない。
そこで、Arkaitzさんはポピュラーなシングルボードのミニコンピュター「ラズベリーパイ」と、市販されているモーションセンサー用カメラ、簡易な映像認識AIソフトを組み合わせて、上の写真に写っているガジェットを自作した。
(↑ 赤枠内がAIに認識される部分)
「彼(猫)が現れた時に、私と妻のスマホに知らせが来るようにしたんです」とArkaitzさん。「カメラが動くものを捉え、その映像を認識ソフトがチェックして、うちの猫かそうでないかを過去の画像と比較して認証します。認証できたら、スマホに『Open the Door!』というメッセージを送るようになっています」
製作にかかった時間は4〜5時間だそう。システムはミスなく作動し、大いに助かっているという。
猫好きな人は欲しくなるガジェットではないだろうか。Twitterにも「作り方を知りたい」という声が上がっている。
(プログラムのコードとハードウェアのスペックをGitHubにアップしてくれないか?)
(もし作り方をどこかで公表しているなら、そのリンクを教えてもらえると嬉しいです。とても素晴らしい。まず、ありがとうと言いたい)