米上院、米台高官の相互訪問法案を可決 台湾総統府、米に「感謝」
中国の反発必至

中国・台湾
2018/3/1 18:42
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 【香港=伊原健作】米上院は2月28日、米台高官の相互訪問と交流を促す「台湾旅行法案」を可決した。法案はトランプ米大統領が署名すれば成立する。中国との関係上、米は台湾と正式な外交関係を持たず、一部高官の相互訪問も規制してきた。成立すれば高官の相互訪問に道を開く。台湾の総統府は3月1日、米上院の法案可決について「深く感謝する」と歓迎する声明を出したが、中国の反発は必至だ。

 同法案はあらゆるレベルの米台当局者が相互に渡航・交流することを認める内容。理論上は台湾の総統や外交部長(外相)、国防部長(国防相)などの要人がワシントンを訪問することも可能となる。法案は1月に米下院を通過していた。台湾の総統府は「米国は最重要の盟友だ」とし、「米国の行政部門と協力し、関係を引き上げたい」と強い期待を示した。

 トランプ氏は大統領就任前の16年12月、台湾の蔡英文総統と異例の電話協議を実施。中国が激しく反発した経緯がある。米台で高官レベルの直接交流が実現すれば米中関係への影響は避けられず、法案へのトランプ氏の対応が注目される。

 台湾は数少ない外交関係の切り崩しや国際組織からの閉めだしなど、中国からの圧力にさらされてきた。2月26日には蔡総統の最側近で、米国と太いパイプを持つ呉●(かねへんにりっとう)燮氏が外交部長(外相)に就任。米との協力関係を深めて中国の圧力に対抗する構えだ。

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