ITmedia NEWS > インターネット中央集権化とマストドン

マストドンつまみ食い日記:インターネット中央集権化とマストドン

» 2018年03月02日 15時30分 公開
[松尾公也ITmedia]

 マストドン公式ブログではオイゲン・ロチコさんが技術的なところを、思想的な部分はトレメイン・フリスケさんが書くような分担ができたようだ。フリスケさんの2番目の投稿は、GAFAMと呼ばれているネットコングロマリットたちがどのように中央集権化を進めているかという話。

photo

 GAFA、GAFAM、FAANGという略語をこのところよく目にする。GはGoogle、2つのAはAppleとAmazon、FはFacebook、MがMicrosoftでNはNetflix。MicrosoftとNetflixは入ったり入らなかったりするが、Google(およびその親会社であるAlphabet)、Amazon、Apple、Facebookは必ず入る。いずれもネット社会においては避けて通ることができない巨大企業たちだ。

 フリスケさんはGAFAM、Microsoftを入れた5大企業に共通する特徴として次の4点を挙げている。

  • 時価総額が5000億ドルを超える
  • オンライン体験を専制的に規定している
  • クローズドなエコシステムを強硬に推し進めている
  • モノリシックで中央集権的な権力構造により、その影響力は計り知れない

 ユーザーがコンテンツに触れる、デジタル的「ラスト・ワンマイル」を彼らが握っている。例えばFacebookが開発途上国で提供しているインターネットアクセスサービスのinternet.orgは、コンテンツによりアクセスに制限を加えており、フラットなインターネットの思想に反する。Amazonは物流やWhole Foodsのような小売店買収により、物理的な「ラスト・ワンマイル」を手に入れようとしている。

 このように見せかけだけの選択肢が提供される中、インターネット上での発言権や活動に際し、ユーザーが自ら居場所となるコミュニティを見つけ、その権利を取り戻すためのスタート地点となるものがマストドンである。この記事ではそう結論づけている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

マストドンつまみ食い日記 連載一覧

次回の掲載をメールで受け取る

新興ソーシャルネットワーク、マストドン(Mastodon)。10年前のTwitter流行を思わせるその勢いに、この勃興期を記録しておかねば、とITmedia NEWS編集部では、マスト丼(ニックネームの1つ)の情報をつまみ食いしていくのであった。

Special

- PR -

「AIは万能だ」──間違った知識を身に付けていませんか? AIの現状をいち早く知ることで、他社に差を付けるチャンスを掴めるかも。ビジネス活用の今がここに

Oracle Cloudの知られざる魅力とは? オラクルの最新動向を共有できる人気イベント「Oracle Database Technology Night」で聞いてみた。【Shift, Cloud】

仮想通貨に投資する投資家が増えている。何が魅力なのか――DMM Bitcoinの社長は「法定通貨と同じ役割を持つ将来」への期待だという。どのような将来だろうか。

内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)に聞いたサイバー攻撃の脅威とは? ビジネス/技術/人の3視点でデジタルトランスフォーメーション【DX】を総力特集

100%EVの新型「日産リーフ」には、最新の自動運転技術やスマホ連携機能が満載。デーブ・スペクターさんのEV初体験・試乗レポートをお届け! 彼はどんな評価を下す……?

ThinkPadの2018年法人向けモデルは、「働き方改革」がテーマだ。基本スペックを強化したほか、スマートオフィス向け製品の新ブランド「ThinkSmart」も登場した

楽譜も読めない初心者が、最新電子ピアノで「あの名曲」に挑戦してみた。40代の今からピアノを始めて、いったいどこまで弾けるようになる?

高性能なイメージセンサーとAIが出合うと何が起きるのか。ソニーの裏面照射型CMOSの生みの親と、伊藤穣一氏がAI×イメージセンサーの未来を語った

マネジメント経験はないけど、年収を上げるには管理職を目指すしか……そう思っているエンジニアが20~30代のうちに考えておくべきことは?

Special

- PR -