米トランプ政権、鉄鋼とアルミニウムに追加関税へ
米トランプ政権は1日、鉄鋼とアルミニウムの輸入品への追加関税を発表した。来週から実施され、カナダと中国の企業が大きな影響を受けるとみられる。
追加関税を発表したドナルド・トランプ米大統領は、鉄鋼製品に25%、アルミニウム製品には10%の関税をそれぞれ課すと述べた。
米国は鉄鋼製品を100カ国以上から輸入しており、輸入は輸出の4倍に上っている。
トランプ氏はツイッターで、米国が「不公正な貿易」によって不利益を被っているとコメントしたが、追加関税の発表を受けて米国の市場は売られ、ダウ平均は1.9%下落して1日の取引を終了した。
一方で、米製鉄各社の株価は大幅に上昇した。
中国は追加関税に激しく反発するとみられ、アナリストらは貿易戦争が始まる懸念を指摘している。
米国の主要な同盟国も追加関税の影響を受ける可能性があるが、適用除外があるのかは不明だ。
なぜ今なのか
2016年の大統領選でトランプ氏は、他国が「大量の鉄鋼製品を米国中で不当に安く売っていて、実質的に鉄鋼業界の労働者や鉄鋼会社を抹殺している」と語っていた。
さらに就任後は、中国からの安い輸入品が米産業の持続可能性を損なっていると述べていた。
米国に対しては、中国だけでなく110カ国・地域が鉄鋼製品を輸出。輸出の規模は中国はその中で11番目で、カナダや日本、韓国など米国の同盟国がトップ10に入り、中国と同様、追加関税に直面する。
トランプ大統領がウィルバー・ロス商務長官に「鉄鋼製品の輸入が国家安全保障への脅威になっているのか」調査するよう求めたのを受け、報告書がまとめられていた。追加関税はその報告書で勧告されていた。
トランプ大統領の主張
トランプ氏は、特に中国など、他国から何十年にもわたって「みっともない」扱いを受けてきたとする米国の鉄鋼・アルミニウム産業の再建を約束し、「我々の国がアルミニウムや鉄鋼を作れなくなったら(中略)国として成り立たない」と語った。「防衛のために偉大な鉄鋼メーカー、偉大なアルミニウムメーカーが必要だ」。
トランプ氏は同日、中国の習近平国家主席の側近で経済顧問の劉鶴氏とホワイトハウスで面会している。
追加関税の発表は予定時刻より多少遅れて始まったが、追加関税をめぐる政権スタッフの間で意見の衝突があったためだとされる。
トランプ氏による発表には、USスチールやアルセロール・ミタルなど製鉄会社の代表ら十数人が同席した。
しかし、鉄鋼製品を買う側の各産業は、米国製の鉄鋼製品の比率が高まることによるコスト上昇を懸念しており、業界幹部らが追加関税に反対するロビー活動をしていた。
各方面の反応
- カナダのクリスティア・フリーランド外相は、いかなる関税も「絶対に受け入れられない」と述べた
- ジャンクロード・ユンケル欧州委員長は、欧州連合(EU)は「我々の利益を守るため、断固とした相応の対抗措置を取る」と発言した
- 中国はすでに米国への報復措置を取ると表明していた
- ポール・ライアン下院議長の報道官は、大統領が「この構想がもたらす意図しない結果を考慮し、実行に移す前に他のやり方を検討する」のを期待すると述べた
米製鉄産業の現状
米エネルギー省は、米国の製鉄産業は2008年の金融危機後の低迷から回復しつつあるとしているが、統計数字を2000年前後と比較すると、大幅な衰退が示されている。
2000年には米国で1億1200万トンの鉄鋼製品が生産されていたが、2016年には8650万トンまで減少。雇用者数も、2000年には13万5000人だったものが、2016年には8万3600人に減少した。
(英語記事 US steel and aluminium imports face big tariffs, Trump says)