御社のデータ活用レベルがわかる「BI成熟度モデル」とは?
フュージョンスタッフがお届けするマーケティングコラム。
第6回は、マーケティングシステムグループ 福迫が担当します。
今回は「ビジネスインテリジェンス」について解説します。
1.ビジネスインテリジェンスとは何か?
ビジネスインテリジェンスという言葉を広めたのは、
ガートナー社のアナリストであったハワード・ドレスナーと言われています。
ドレスナーは、ビジネスインテリジェンスを以下のように定義しています。
ビジネスインテリジェンスとは、
事実をベースとした支援システムを使用した
ビジネス上の意思決定を進化させるための概念と手法を指す包括的用語である。
ドレスナーが重視したのは、データ分析を行うのは分析専門家とは限らず、
実務に精通した人間が自らデータ分析し、事実に基づき意思決定をすること。
その方が迅速で実用的な知見を得られるはずだということでした。
近年のビジネスインテリジェンス(BI)ツールと呼ばれるものが、高度なITスキルがなくても直観的に使えるものになっているという事実が、ドレスナーの主張の正しさを証明していると言えるのではないでしょうか。
2.ビジネスインテリジェンスの構成要素
必要な時に、必要とする人に、必要な情報を提供し意思決定を支援するというビジネスインテリジェンスの考え方を実現するためには、情報システム(ビジネスインテリジェンスシステム)の活用が不可欠です。
ビジネスインテリジェンスシステムは、データ基盤と分析基盤の2つの要素から構成されます。
図1:BIシステムの構成要素
■データ基盤
分析対象となるデータを収集、整理、蓄積。
・データウェアハウス(DWH)
分析専用データベース。基幹システムからデータを抽出・変換し、蓄積。
主なデータウェアハウス(DWH)製品:
Teradata, IBM Netezza, Oracle Exadata
近年はデータウェアハウスを安価に利用できるクラウド型の製品も登場しています。
・データマート
データウェアハウスから特定目的に応じてデータを絞り込み分析しやすいように整理したデータベース
■分析基盤
いわゆる「BIツール」と呼ばれるソフトウエアを利用してデータ基盤にアクセスして分析を行います。
目的に応じ大きく以下2つに分類されます。
・"見える化"BIツール
クロス集計、多次元分析、レポートティング、ダッシュボードの機能を備えたツール
代表的な製品:Tableau, QlickView, MotionBoard
・"発見型"BIツール
統計分析、データマイニング、テキストマイニングの機能を備えたツール
3.「BI成熟度モデル」とは?
データ活用レベルが高い企業は、さまざまな業務でビジネスインテリジェンスを活用し自らを変革する能力を手に入れています。
御社のデータ活用レベルは、どの程度でしょうか?
その指針となるNTTデータが提唱する「BI成熟度モデル」を紹介します。
BI成熟度モデルとは、ビジネスインテリジェンスが自社でどの程度活用されているかを変革レベル、影響範囲、業務、システム、人・組織の5つの視点から評価するフレームワークです。
図2:BI成熟度モデル(NTTデータ提唱)
■ステージ1
個別組織内で見える化(予定と実績の管理や問題の検知)ができている状態
■ステージ2:
個別組織内で、定量的な根拠に基づき、意思決定が行うことができている状態
■ステージ3:
全社で、定量的な根拠に基づき、意思決定が行うことができている状態
■ステージ4:
社外にまで広げて、新しい業務方式をデザインし、価値創造の仕組みを構築している状態
例)CPFR(小売側とメーカー側で在庫情報を共有しサプライチェーン最適化を図る仕組み)
■ステージ5:
ビジネスインテリジェンスを活用して知的サービスを提供している状態
例)Amazonのレコメンドサービス
いかがでしたでしょうか?
御社は今どのステージにいますか?
当社では、ビジネスインテリジェンス導入支援、ビジネスインテリジェンスを徹底活用頂くためのご支援(導入前の基礎分析、導入後の施策実施支援など)をしております。
ぜひ当社にご相談ください。
引用・参考文献
・「BI革命」、株式会社NTTデータ編書、 NTT出版、2009年
・「分析力を武器とする企業」、トーマスHダベンポート、日経BP社、2008年
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