コンタクト着いたまま眼球摘出 厚労省検証会議「脳死判定は妥当」
昨年8月、兵庫県の県立病院で脳死判定を受けた40代女性から摘出された眼球にソフトコンタクトレンズが装着されたままになっていた可能性があると2日、厚生労働省が公表した。
脳死判定で角膜の反射を確認する際、伝わる刺激が弱まった恐れがあるが、厚労省の検証会議は「脳死と判定したことは妥当」と結論づけた。
厚労省によると、女性は昨年8月3日、くも膜下出血のため兵庫県の県立病院で脳死と判定された。脳死判定をするには角膜の反射をみる検査が5種類あり、同院はいずれの検査も行った上で脳死と判定した。
しかし、摘出した角膜が提供された兵庫アイバンクで、眼球にソフトコンタクトレンズが着いたままだったことが判明。アイバンクが厚労省などに連絡した。脳死判定した病院の医師は「コンタクトレンズは付いていなかった」と話しており、わかりにくい場所にずれていたか、眼球にかなり密着した状態になっていた可能性がある。
マニュアルでは、脳死判定に必要な角膜反射の観察は、角膜を露出させて行うこととなっている。厚労省の検証会議は「コンタクトの影響で脳死判定の際に角膜に伝わる刺激が弱まった恐れがある」と指摘したが、他の検査が正しく行われており脳死と判定したことは問題ないとした。厚労省は臓器提供を行う施設に、マニュアルを守るよう通知を出した。