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フィンランドのノキアは、スペインのバルセロナで3月1日まで開催されたMWC2018で、予約制のプレスツアーを実施した。ここではプレスツアーで説明があった主な展示を紹介する。
AIとARで運用保守作業を補助
ツアーの見どころの一つは、AI(人工知能)を用いた展示だった。
「Data center management powered by MIKA」は、ノキアのAI技術であるMIKAを活用し、データセンターの運用保守作業を補助する仕組みだ。担当者が装着したゴーグルに、サーバーの温度やSSDの交換手順といった情報をAR(拡張現実)で表示する。「熟練者でなくても業務を簡単に実施できるようになるのが利点」(説明員)。
AIを用いてネットワークスライス(ここでは、共通のネットワーク基盤を求められる要件に合わせて仮想的に使い分ける仕組みを指す)を自動設定する技術を、アニメーションなどを用いて解説する展示もあった。この展示では、タンクローリーが横転して石油が流れ出てしまった事故を、緊急電話の数や近隣の監視カメラの映像などのデータを基に自動検出。緊急サービス用として優先的に通信できるネットワークスライスを自動設定する様子を説明していた。「例えばドローンを飛ばして撮影した現場の映像を、このネットワークスライスを用いて送るような使い方ができる」(説明員)。
アンテナなど5G関連展示も充実
5Gに関する展示も多数あり、「去年より5G関連展示は大規模だ」(説明員)という。
下の写真は、MassiveMIMOとビームフォーミングをサポートする28GHz帯、800MHz幅に対応する5Gアンテナ。2018年内に出す予定だ。異なる形状の2台のアンテナで構成され、一方を使うと180度、両方使うと360度をカバーできる。小型、低消費電力でAIエンジンを持つ「ReefShark」と呼ぶノキア独自開発の基地局用チップセットを搭載している。
ブースの一角には、クアルコムのチップセットを搭載した3.5GHz帯の5G通信機能を持つタブレット端末が展示されていた。これは、ノキアの5G基地局とクアルコムの5G対応チップセットの相互接続が可能になっていることを見せるためのテストデバイスである。