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NECはスペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2018(MWC2018)」で、5G(第5世代移動通信システム)に対応した「超多素子AAS(Active Antenna System)基地局システム」を展示している。4.6GHz帯用と28GHz帯用の2種類があり、5Gで高速・大容量を実現するMassive MIMO技術に対応する。無線のビームをきめ細かく制御できる「フルデジタル制御方式」を採用している。
28GHz帯対応のAASは、デジタル・アナログ変換機を不要とした構造により、省電力化と小型化を実現。大林組およびKDDIと実施した実証実験における利用などの事例も紹介している。
併せて、3.5GHz帯の4G/5Gに対応するマクロセル向けのAASを初出展。モックアップを展示しており、「4G対応のものは2018年中、5G対応へのアップグレードは2019年になる予定」(説明員)という。NTTドコモと検証実験を開始した、5G実現に向けたセル間協調技術に関しても説明している。
5Gを導入した携帯電話事業者におけるネットワークの設計・運用・保守などの作業負荷軽減を狙ったシステム「Advanced Performance Analytics for Transport Network」も紹介。同社のAI(人工知能)技術群「NEC the WISE」を活用してトラフィックやパケットロスなどを解析し、ネットワーク増強やサービス品質劣化などのタイミングを予測する。「5Gではつながる機器が増え、それに伴い基地局も増えることが予想されるので、予防保全の考え方が重要になる」(説明員)という。2018年中盤のサービス化を予定している。
同社ブースではこのほか、一般的なスマートフォンカメラからも利用可能な「なりすまし防止技術」について、マスクや写真を使ったデモを見られる。こちらは、同社のFIDO(Fast IDentity Online)対応の認証サーバーなどのオプションとして提供する製品だ。