元通信業者が教える!格安SIMの良い点・悪い点とオススメサービスを本音で解説
最近よく聞く「格安SIM」「SIMフリースマホ」。
スマホ料金が安くなるのはなんとなくわかっているけど、手続きや料金体系が難しそうでなかなか契約に踏み切れない人も多いでしょう。
そんなあなたは現在進行系で損をしてしまっている可能性もあります。
- スマホは月5,000円以上かかるものだと思っている
- 友達が「格安SIMに変えたらスマホ代が8,000円/月から2,000円/月まで下がった」と話していて、気になっている
- でも「格安」ってことはデメリットとかあるんでしょ?安かろう悪かろうじゃないの?
本記事では上記のような人に向けて、格安SIMの基礎知識と選び方を誰でもわかるようにやさしく解説します。
あなたがスマホに求める条件や格安SIMのメリット・デメリットを理解できるようにしっかりまとめたつもりです。
もちろんデメリットを知った上で今までのキャリアを使うという選択もありです。
あなたにとって一番ベストな選択ができるようにお手伝いします。
格安SIMってなに?1分でわかるかんたん解説
この章では格安SIMについて基礎知識を解説します。 既にわかっている方は読み飛ばしてくださいね。
「格安SIM」とは 低価格なプランを持った通信契約のことです。
スマホしか使えないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、スマホ以外の機器でも使用することができます。
ドコモやau、ソフトバンクから回線を借り受けた「MVNO」と呼ばれる事業者が提供している通信サービスが「格安SIM」です。
店舗の数を減らし、シンプルなサービスをシンプルな料金体系で提供しているため、今までの大手キャリアよりも低価格でサービス提供できるのです。
格安SIMの回線は基本的に「キャリアのものと同じ」
たまに電波が悪くなるのではないか?という話がありますが、 基本的にキャリアの回線を使用しているため、通信可能エリアについてはそこまで心配することはありません。
ただし、通信速度については注意が必要です。
格安SIM(MVNO)の仕組みや、通信の裏側については以下の記事で詳しくお話ししています。
「なぜ格安SIMは安いのか?」「なぜ速度が遅いと言われるのか?」と疑問な方は、この記事もぜひ読んでみてください。
気になる料金ですが、データ通信のみであれば月額300円程度から始めることができます。
通信量やデータ通信速度などにこだわりがある人でも、たいていの場合大手キャリアよりも安くなります。
スマホ代に月7,000円使っている人が月2,000円のプランに乗り換えた場合、月に5,000円、年間に直すと60,000円も浮く計算に。
格安SIMはなぜ安い?安さの理由はこれだ
格安SIMはなんでこんなに安いのか?いくらなんでも安すぎない?と、ちょっと不審に思っちゃいますよね。
安い理由はシンプル。 docomo、au、ソフトバンクの三大キャリアに比べてコストカットしている部分があるからです。
安かろう悪かろうではダメですが、私達ユーザーにとって不要なサービス、つまりムダなものにかかっているコストを省いて安くなるなら納得ですよね。
大きく言うと下記3つに集約されます。
- キャリアから回線を安くレンタルしている
- 独自のサービスとして提供できる
- 実店舗を持たないMVNOが多い
1、2については、少し内容が専門的になりますので、詳しく知りたい方は「 格安スマホはなぜ安い? 」をご確認ください。
3の実店舗を持たないMVNOが多いについて、あなたに直接関係してくるところもありますので、お伝えします。
店舗がない/少ないため、家賃や人件費がかからない
三大キャリアの大きな費用のうち、「家賃」「人件費」がMVNOだと圧倒的に少ないことが安さの秘訣でもあります。
インターネット上での申込を中心としているため店舗が必要ないため、その分を利用者の月額料金値下げへ還元できる仕組みです。
とはいえ、店舗が少ないということは商品説明やサポートが受けられないの?と疑問に思われる人もいるかもしれません。
しかし、最近では MVNOもイオンや家電量販店などに出店していることが多いので、どうしても心配な人は「家の近くに店舗があるか?」も格安SIM選択の基準に入れると良いでしょう。
ここまでで、格安SIMの基本は理解いただけたかと思います。
次はさらに詳しく、格安SIMに乗り換えるメリット・デメリットをお伝えします。
格安SIMのデメリットは3つ
格安SIMのデメリットは大きく分けると下記3つです。
- 初期設定(APN設定)が必要
- 店舗が少ないので対人サポートが少ない
- キャリア独自のプラン(コンテンツ)が受けられない
最初に結論をお伝えすると、大きなデメリットはなく、それ以上に格安SIMの恩恵が大きいと考えています。
それぞれについて詳しくお伝えします。
初期設定(APN設定)が必要
格安SIMを最初に使い始める初回のみAPN設定が必要です。
これはdocomo、au、softbankでも同様ですが、これら3大キャリアの場合、店頭窓口の方が設定してくれているので不要という訳です。
では、設定自体が難しいかというと決してそんなことはありません。
マニュアルに沿って行えば、5分程度あれば完了します。
例えば、筆者が契約しているFREETELは こちらに設定内容が説明されていますが、やってみるととても簡単です。
イメージとしては、指定のアプリやゲームをダウンロードして起動するのと同じ感覚で行えます。
店舗が少ないので対人サポートが少ない
格安SIM事業者は、3大キャリアと違い街中のあちこちに店舗があるわけではありません。
もしあなたが、日ごろから頻繁にキャリアの店頭ショップに足を運んでいるのであれば、格安SIMは少し不満を持つことになる可能性があります。
ただし、キャリアショップに行って、サポートを頼むのがあったとしても年に数回程度ではないでしょうか?
格安SIMも店頭ショップは少ないものの、電話対応の窓口はありますので、それで十分事足りることがほとんどではないでしょうか。
キャリア独自のプラン(コンテンツ)が受けられない
3大キャリアが提供する独自プランやサービスがあります。
それらをヘビーに使っているのであれば、格安SIMに変えるのを少し待った方がいいかもしれません。
多くの方がネックになるのが、3大キャリアが提供する「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」「@softbank.jp」などのメールです。
これらのメールは、格安SIMにすると確実に使えなくなりますので、大事なメールはアドレス変更依頼をするなどの対応を行う必要があります。
その他、 キャリア独自プランがあり、その独自プランだけは絶対に必要という方は格安SIMにするのをあきらめましょう。
以上がデメリット3点です。
これらデメリットを許容できる方であれば、確実に格安SIMに変えたほうがいいでしょう。
次に、「格安SIMはどこでどうやって買うのか?」「今使っているスマホを格安SIMにできないのか」について説明していきますね。
格安SIMに変える方法
「格安SIM」は、「MVNOと契約し、MVNOが提供しているSIMカードをスマホに挿す」ことで使えるようになります。
繰り返しになりますが、「SIMカード」は3大キャリアのスマホにも入っています。
購入時にショップ店員さんがSIMカードをスマホに挿してくれるはずなので、見たことがある人も多いのではないでしょうか?
また、「格安スマホ」という呼び方もありますが、こちらは格安SIMをすぐに挿せる「SIMフリースマホ」、または「格安SIM」とそのSIMカードを挿すことができるスマホ端末をセット販売したサービスのことを指します。
セットで販売することで割引がきくプランもありますよ。
格安スマホの詳細については、「 格安スマホのおすすめを客観的に比較 」に詳しく説明していますので、気になる方はご確認ください。
今のスマホのままで回線だけ乗り換えたい人は「SIMロック解除」が必要な場合も
今使っているスマホが格安SIMを使えるかですが、下記で判断してください。
- docomo → SIMロックが掛かっていても、ほとんどの格安SIMを使える
- au → SIMロックが掛かっていても、一部の格安SIMであれば使える
- Softbank → 必ずSIMロック解除する必要がある
どこの格安SIMも制限なく自分に使いたい場合はSIMロック解除が必要です。
2015年5月以降にdocomo、au、softbankで契約した機種はSIMロック解除が行えます。
SIMロック解除方法については、各キャリアのホームページに詳しく掲載されていますので、そちらをご確認ください。
2015年5月以前に契約された方は、残念ながらSIMロックは解除できないため、新しいスマホを手に入れる必要があります。
以上の説明を踏まえ、格安SIMの選び方についてお伝えします。
格安SIMの選び方
この章では格安SIMを選ぶ上で知っておきたい4つのことについてお伝えします。
キャリア回線で選ぶ
まず最初にMNOについて確認しておかないけといけません。
つまり、 ドコモ回線を利用しているMVNOか、それともau回線を利用しているMVNOと契約するのかを決めましょう。
もし格安SIMと一緒に端末を購入するのであれば、あまり重視しなくても良い項目ですが、例えばドコモで使っていた端末をそのまま使い続けるためにはドコモ系のMVNOでなければいけません。
逆にauで購入した端末は、mineo(マイネオ)、UQ mobile(UQモバイル)、Fiimo(フィーモ)、IIJmio(みおふぉん)、J:COM MOBILE(ジェイコムモバイル)の5社にしか対応していません。(2017年7月現在)
この MVNOを間違えてしまうと、一切の通信が利用できなくなってしまうので、特にSIMカードのみを購入する場合はよく気を付けて選びましょう。
SIMタイプで選ぶ
次に、利用できる機能別に3種類のタイプに分けられます。
- データ専用SIM
- SMS対応SIM
- 音声通話対応SIM
MVNOによって名称が異なったりオプション扱いとなっている場合がありますが、上記のような名称のプランで提供されていることが多いです。
また 異なるタイプへ変更するには事務手数料が発生したり、そもそも変更できないMVNOもあるので慎重に選ばなくてはいけません。
データ専用SIM とは?
名前の通り、データ通信のみが可能で通話できないタイプのSIMカードです。
データSIMは最低利用期間を設定していないMVNOがほとんどなので、通信速度に不満があった時などにすぐ他社へ乗り換えられるのがメリットです。
キャリアとの2台持ちなど通話機能が不要な方におすすめです。
SMS対応SIM とは?
データ専用SIMにSMS機能が加わったSIMカードです。
月額料金が120~150円ほど高いだけで、中身は基本的にデータ専用SIMと変わりません。主にセルスタンバイ問題の対策として利用されます。
またLINEなどのアカウントを取得するためにSMSが必要な場合があるので、 スマートフォンで使う場合はSMSに対応しているほうが利便性が高くておすすめです。
音声通話対応SIM とは?
SMSに加えて080/090から始まる電話番号で通話ができるSIMカード。電話として使うならこれでないといけません。
上記2種類と比べると1年ほどの最低利用期間が設けられていることが多いので、他社へ乗り換えにくいというデメリットはあります。
普通のスマホや携帯を利用している人が格安SIMを検討している場合は、 電話を使うと思いますので「音声通話対応SIM」を選びましょう。
電話をしない人はSMS対応SIMまたはデータ専用SIMを選ぶことになるかと思いますが、SMS対応SIMをを選ぶことをおすすめします。
LINEやメルカリ、2段階認証などSMS(ショートメッセージ)を利用したアプリやサービスがあるためです。
高速データ通信料を選ぶ
次に高速データ通信量について考えましょう。
毎月3GBくらいの標準的な通信量ならどのMVNOでも好きな格安SIMが選べます。
10GBを超えるような 大量通信を行うなら無制限の使い放題プランを提供しているMVNOを検討したほうが良いでしょう。
逆にスマホをほとんど使わないような方であれば、高速通信ができない代わりにさらに安い低速プランという選択肢も考えられます。
どちらでもなく、また具体的な通信量が分からないという方も安心してください。
多くのMVNOは1か月単位でデータ容量の変更(プラン変更)が可能なので、初めは標準的な3GBくらいのプランを選んでから適切なプランを探していくと良いでしょう。
通信速度で選ぶ
通信速度が3Mbps以下なのかそれ以上なのかをチェックしましょう。
よくわからない方は 3Mbpsより高速な格安SIMを選べば問題ないでしょう。
実際の通信速度の状況が心配な方は、 下記実効速度を参考にしてください。
データについて
- データ期間:2015年09月01日~2015年09月30日
- データ件数:28,307件
- 提供元:RBB SPEED TEST
- 期間中のスピードテストデータのうち、Soldiに掲載しているMVNOの実効速度を集計しています。
- 実効速度は、下り計測結果の平均値を算出しています。
- 高速通信(下り計測結果1Mbps以上)のデータのみを集計しています。
- ランキングは10件以上のデータがあるMVNOのみを対象にしています。
- Y!mobileはランキングの対象としていません。
以上知っておきたい4つの選び方についてお伝えしました。
それでは、次に具体的に何がおすすめなのか?についてお伝えします。
おすすめの格安SIMを徹底解説
前章までは、格安SIMに変更する前に知っておきたい知識についてお伝えしました。
ここでは、自分でこだわりをもって探す「スペック条件から探す」と、「人気ランキングから探す」の2パターンを用意しました。
また、格安スマホもセットで購入したい方に向けて、最後にご紹介しています。
スペック条件から格安SIMを探す
あなたの使い方に合わせた条件を指定するとその条件に合わせた格安SIMカードを人気順で紹介するため、簡単にあなたにあった格安SIMカードを見つけることができます。
人気ランキングから探す
格安SIMカードを比較して、どれがいいか決めきれない場合は人気ランキングから選ぶのも手です。
多くの人に支持されているという事は、多くの人が満足しているという結果でもあります。
本サイトでのアクセス数を集計した人気ランキングでみんなが注目している格安SIMをチェックしてみましょう。
月額料金 166円/月(税抜)
毎月使った分だけ5段階月額料金のおかわりSIM。
月々の利用量が異なっても、支払う料金は使った分だけです。
また、最大1,500円なので、使いすぎてしまっても安心。
月の利用量がどれくらいかわからない方、月ごとの利用量が変動する方におすすめです。
データ通信専用SIM
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月額料金 900円/月(税抜)
LINEなどSMS認証が不要なゲームやWEBブラウジングなどデータ通信が中心な方でメールや毎日1時間程度のWEBブラウジングが中心のライトユーザーの方へ。
データ通信専用SIM
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月額料金 2,980円/月(税抜)
U-mobile PREMIUMは業界でも評価が高いIIJをMVNEとして、高品質なモバイル通信の提供を目指した格安SIMサービスです。従来の料金そのままで、容量制限を受けることなくたくさん通信できる通話プラスプランです。
音声通話+データ通信SIM
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【補足】格安SIMとスマホのセットプランを選ぶ
格安SIMを比較する上で、格安SIMだけでなく、スマホもセットで探したい人は「 格安スマホのおすすめを客観的に比較 」から選んで見ましょう。
格安SIMカードとスマホを別々で購入するよりも、一緒にセット購入をした方が手間もかからず楽でおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?今回は格安SIMについてお伝えしました。
SIMのみを契約して、SIMカードを入れ替えることは海外では当たり前のように行われています。
日本でも徐々に普及してきており、 2017年度第2四半期(9月末)総務省の発表によると、MVNOサービスの契約件数は1,687万件に達しています。
その中で格安SIMサービスの契約数は1,012万 (前期比+4.9%、前年同期比+33.6%)、移動系通信の契約数に占める比率は約10%となっています。
説明したようにデメリットはあるものの、それ以上の恩恵が大きいため、筆者としては格安SIMは通信費の削減手段としてオススメしたいものです。