国にも企業にも格付け
日本の国債は世界的にどのような評価を受けているでしょうか。
また、私たちは他国の国債を買い付ける場合に、金利や単価はわかりますが、安全性についてはよくわかりません。
格付け会社というものが存在します。
それは国債や個別企業の安全性をチェックし、『AAA』などとアルファベットでランク付けします。
これは個別の企業の安全性を見るときにも役立つかもしれません。
世界で有名な格付け会社といえば、アメリカのムーディーズやS&Pがあります。
日本にはJCR(日本格付研究所)があります。
私が以前に証券会社で働いていた頃の記憶では、社債をお客様に提案する際の格付けの説明は重要事項でした。
個人投資家に説明しなければならない重要なリスク事項ということでしょう。
格付けの表記は格付け会社によって微妙に異なります。
JCRであれば、『AAA』が最高ランクで、その企業の『債務履行の確実性が最も高い』と評価します。
例えば『BB』の格付けであれば、『債務履行に当面問題はないが、将来まで確実だとは言えない』と評価され、手放しで安心できるものではありませんね。
個人的には『A』以上あれば、あまり心配はいらないかと思います。
私は魅力的な企業と思いますが、ソフトバンクの財務には不安視を持つ人が多いですね。
下記はソフトバンクのIRページにある格付け情報です。
債務の大きさもあり格付けはそこまで高くありませんね。
格付けはリスクを客観視できるので、私達が株式投資の銘柄選別の際にも役立ちますね。
昨年に破産したタカタの格付け(JCR)を振り返りましょう。
14年3月期は『A』評価でした。安全性に問題を感じませんね。
15年3月期には『BBB+』になり、16年3月期に『BB−』と順々に格下げされました。
そして、16年12月に『B−』と急降下です。
JCRの発表によると、『B』格企業の倒産確率は、1年後で18.9%、2年後で36.3%、3年後51.5%です。
『BB』格企業の3年後の倒産確率は8.8%、『BBB』格企業では2%と『B』とそこまでランクが変わらないように見えますが、実際には大きく評価が異なりますね。
そして最後は、17年6月に『C』に格下げされ、その6日後にタカタは民事再生法を申請しました。
企業の財務内容をチェックする習慣が身につけば、格付けに頼らずとも安全性を確認することができます。
しかし、格付け会社が調査して付与した格付けは参考になります。
ぜひ気になる企業の格付けを見て下さい。
ご覧頂きありがとうございました。