急速に発達した低気圧の影響で、日本列島は1日、西からの風が強まり、春の嵐になった。南からの暖気で気温が上昇し、朝の最低気温は4月並みの暖かさとなった。一方、札幌管区気象台は「北海道東部を中心に9人が死亡した2013年3月の暴風雪に匹敵する悪天候となる可能性がある」とし、2日にかけて不要な外出を避けるよう呼び掛けた。
気象庁によると、前線を伴った低気圧が日本海を東北東に進み、前線が通過した地域で強風が吹いた。未明から朝には、関東から九州の広い範囲で、3月としてはこれまででもっとも強い最大瞬間風速を観測した。
空のダイヤは大きく乱れ、航空各社は国内線の280便超を欠航にした。今後も雪や強風が運航に影響する恐れがあるとして、乗客に対し、ホームページなどで運航状況を確認するよう呼び掛けている。
降雪や強風の影響が出たのは、新千歳や青森、秋田、成田などの各空港を発着する便。欠航は、午前10時までの集計で全日空が79便、日航が70便、格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンが16便など。
一方、低気圧や前線に向かって南から暖かく湿った空気が入り、東北から九州の各地で、朝の最低気温が平年より5~10度ほど高くなった。
低気圧は2日にかけてオホーツク海に進み、三陸沖を北上する別の低気圧と一つにまとまる。北海道や東北では西高東低の冬型の気圧配置が強くなるため、大雪や強風に警戒が必要だ。札幌管区気象台は「見通しが全く利かない猛吹雪となり、車両が立ち往生する危険がある」として厳重な警戒を求めた。
2日午前6時までの24時間予想降雪量は、いずれも多いところで、北海道70センチ、東北50センチ。〔共同〕