自分が無知であることがわかると、誰でも恥ずかしいものです。また、自分がからかわれていることがわかった時もそうです。
ですからこの5番目の抑圧テクニックは、「2 からかう」「3 情報をあたえない」という抑圧が主な原因です。もうひとつは、罪をきせ、恥をかかせることは、加害者がその罪を逃れる常套手段だということを忘れてはいけません。
たとえば、セクシャル・ハラスメントを受けた女性が訴え出ることはごくまれです。それは、「あの服装じゃ、まるで男を誘っている」とか、「NOといわなかった彼女にもその気があったんじゃないの」とか、言われつづけてきたからです。ドメスティック・バイオレンスにあってきたあなたの母親のことを考えてみましょう。「おいと呼び、はいと答えて30年」という川柳そのままの彼女は、殴られるのは自分が至らないせいだ、と思うようになってきたのです。
これを指摘するのは、辛く困難です。でも、罪をきせられ、恥をかかせられたままである限り、女性の尊厳が回復することはありません。
「私は悪くない。これは第5の抑圧だ」と、心の中で言ってみましょう。表現することではじめて、抑圧があなたの身体を離れ、他の人と共有できる行為になります。次に、信頼できる友人やカウンセラーに打ち明けましょう。あなたが打ち明けられる側なら、犠牲になっている女性の味方になりましょう。
悪いのはあなたではありません。悪いのはあなたに罪があると思わせている側なのです。ほら、ちょっぴり気が晴れてきたでしょう・・・。
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