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 台湾MediaTek(メディアテック)は、MWC 2018の同社のブースに、第5世代移動体通信システム(5G)の28GHz帯無線の利用を想定したスマートフォン型端末のモックアップを出展した。ただし、アンテナは実装し、データ伝送デモを実現した。

伝送デモの様子
人形の手が握っているのが、5Gスマートフォンを想定したアンテナである。
同アンテナの表側
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 このアンテナは約3mm角のアンテナ素子8個から成るアンテナアレー2組で、1組をおよそ6型のスマートフォン型端末の表面に実装し、もう1組を裏面に実装した。通信デモでは、スマートフォ型端末をゆっくり回転させているが、端末を回転させてもビームフォーミングとアンテナアレーの切り替えによって、通信相手となる基地局(enhanced Node B:eNB)側アンテナの方向にアンテナ利得(ビーム)を向けて通信を維持できることを実演した。回転中、3Gビット/秒前後のデータ伝送速度を維持していた。ただし、送受信のアンテナの間に手など障害物があると、信号対雑音比(S/N)やデータ伝送速度は低下する。

アンテナ素子の位置や様子を示したもの
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表側に強いビームを形成
スマートフォン型アンテナを回転させた場合のアンテナ利得(ビーム)の方向の例
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裏側に強いビームを形成
スマートフォン型アンテナを回転させた場合のアンテナ利得(ビーム)の方向の例
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 この端末がモックアップだというのは、5Gの変調処理に端末とは別の巨大なユニットを用いているため。モックアップの下にある白い台の中に、変調ユニットを格納しているという。

ユーザー端末の全景
スマートフォン型アンテナの下にある白い台の中に、大きな5Gの変調ユニットが格納されている。
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変調ユニット
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伝送デモのシステム構成
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