Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

サマーズ氏が警鐘、次の米リセッションは前回より長期化する可能性も

  • 金融・財政政策の大砲、必要な時に「既に発射済み」-サマーズ氏
  • パウエル議長、成長刺激とインフレ目標の「難しいバランス」に直面

次に米国で起きるリセッション(景気後退)は、1年半続いた前回より長期化する可能性があるとサマーズ元米財務長官は予測する。

  景気拡大期が9年目に入り、次回の米金融政策引き締めに関してタカ派的な見方もあるものの、米景気後退期に標準的な500ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) の利下げが再び可能になるほど十分高い金利水準になるには、まだしばらく時間がかかるだろうとサマーズ氏はアブダビでの会議で指摘。

サマーズ元米財務長官

(出所:Bloomberg)

  サマーズ氏は28日のパネル討論で、「向こう数年にリセッション入りした時点で、金融と財政政策の大砲が発射済みだという状況になりそうだということを意味する。つまり次のリセッションは一段と長期化する可能性を示唆する」と説明した。

  サマーズ氏はその後のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル新議長は「経済を刺激し可能な限り最大の雇用と成長を得たいという正統な意欲と、2%のインフレ率達成を確実にすることの間で難しいバランスに」直面していると発言。

  「同時にパウエル氏はFRB議長として、景気回復のための金融的基盤についても気にかける必要がある。こうしたバランスをうまく取る必要があると考える」と話した。

原題:Summers Warns Next U.S. Recession Could Outlast Previous One (1)(抜粋)

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