新幹線台車の強度不足問題で、川崎重工業の会見での一問一答は次の通り。
-台車を製造したのは兵庫工場か。
小河原誠常務 (外注の)プレス品以外は全てそうだ。
-組み立て溶接の仕上げ基準について拡大解釈したということだが、どういうことか。
小河原氏 溶接部をフラットにするために削っていいのはわずかな範囲だが、本来削ってはいけない範囲まで削ってしまった。削る厚さの許容範囲についても、班長が作業者に説明していなかった。
-なぜそうなったのか。思い込みか。
小河原氏 はい。その班全員が、間違ったことをしている、規定から外れたことをしているとの認識がなかった。
-その班は何人か。
小河原氏 (外部の協力会社を含め)約40人。
-班長以外の指示は
小河原氏 班長の指示で全て実施されていた。
-海外にはカーボン製の台車を売り込む方針だが。
金花芳則社長 鉄製とは製造や検査が違う。欠陥があればすぐ見つかる。
-川重製台車の信頼性が揺らいでいる。
小河原氏 海外から問い合わせはあるが、今回の事象による影響はない。
-今後の品質保証をどうするのか。
志磨貴司車両カンパニー品質保証本部長 チェックポイントを増やす。作業とチェックを1対1にする。初物は特に詳細にチェックする。
-(台車枠を)削る以外の対応はなかったのか。
小河原氏 溶接する部材を削るなどの方法があった。台車枠は強度にとって重要な部材。(基準以上に)削るのは外れた作業方法だ。
-破断寸前という事態については。
小河原氏 溶接のみで割れが生じたとの確信を持っていない。溶接施工を含めた何らかの原因で生じた。
-台車枠は安全に重要。社員に徹底されていなかったことを社長はどう思うか。
小河原氏 班長はコンマ5ミリ以上削り込むことはないだろうと思い込んでいた。指示を受けた作業者は、肉厚を減らすことの重大さの意識がなかった。基本的な教育が欠如していた。
金花氏 品質第一でものづくりを進めてきたが、利用者やJRに迷惑をかけ、非常に反省している。
-厚さを半分近くまで削ったケースもある。安全をおろそかにしていたのではないか。
金花氏 そうではなかったと信じているが、結果的に母材が削り込まれていることは深く反省している。