HOME > レビュー > カクテルオーディオの多機能音楽サーバー「X50D」と「X35」がコスパ抜群。躍動感あるサウンドで多くの人に知って欲しい逸品
2018年2月28日/土方久明・HiVi編集部
カクテルオーディオの「X50D」と「X35」は、「ミュージックサーバー」ジャンルに属するオーディオコンポーネントだ。特に上位モデルX50Dは、ユーザーが好きなDACを組み合わせて楽しめる全方位型のトランスポートと呼びたい製品である。7インチの大型液晶ディスプレイや、フロントパネルに12mm、シャーシに8mmの極厚アルミプレートを採用した筐体、アルミダイキャスト製インシュレーターを搭載する脚部など、音質を徹底追求した構造だ。
本体には3.5インチ/2.5インチHDD/SSDを搭載できる。また、CDドライブを搭載し、単体でリッピングが行なえることもポイントだ。リッピングした音源を本体ストレージに保存してそのまま再生できるのだ。
入出力端子の豊富さも特徴で、光、AES/EBU、USBタイプA、HDMIなどの多彩なインターフェイスを装備。さらに、USBタイプA端子とUSB DACを直接つなぐと、DSDは11.2MHz、PCMは352.8kHz/24bitまでのハイレゾファイル信号を再生できる。
また、フロント/リアパネルのUSBタイプA端子に接続したUSBハードディスク/メモリー内の楽曲ファイルをそのまま再生したり、内蔵ストレージにコピーして再生もできる。さらにNASと組み合せてのネットワーク再生や、定額ストリーミングサービスのタイダルとクーバズに加え、先日国内でも正式にロスレスのストリーミングサービスがスタートしたディーザーも聴けるなど、まさに全方位対応と言える。
CDリッピング機能は、FLAC/ALAC/WAV/MP3などで取り込める上、アルバムアートやアーティスト名、楽曲名などをグレースノートなど複数のデータベースから自動取得する。リッピングデータは、独自のミュージックデータベースに蓄積・管理され、iPhone/iPad/Android向けの操作アプリであるノバトロンの「MusicX」から再生操作できる。
先述した通り本機はD/Aコンバーター非搭載のトランスポート仕様。僕はDAC非搭載のX50Dの構成は潔いと感じる。
対してX35は、DACと100W×2chのデジタルアンプを内蔵するオールインワンタイプ。MM対応のフォノイコライザーとFMチューナーを備え、音源を最大192kHz/24bitで録音、音源の分割編集もできる。
X50DはD/Aコンバーター非搭載モデル。写真にはないが、発売前の仕様変更で、デジタル音声入力2系統(同軸、光)が追加された。また、2.5インチもしくは3.5インチのHDD/SSD用スロットを2つ備えるが、購入時はHDD/SSDは付属していないため、別途購入が必要だ。最大で各6Tバイトに合計12Tバイトのストレージ環境を構築できる
本機(X35、X50D)は本体でCDリッピングも可能。楽曲のメタデータやカバーアートはGoogleなどの情報から取り込みができる。また音楽データは同時にクラウド上のミュジックデータベースに蓄積・管理される
今回はDACにアキュフェーズの「DC950」を組み合わせた。DC950とX50DはUSBでつなぎ、DC950をデノンのプリメインアンプ「PMA-SX」とバランス接続。まずはCDのネマニャ・ラドゥロヴィチ『バッハ』をリッピングして再生してみた。
わかりやすいガイドのおかげで、PCレスのリッピングもスムーズに行なえる。そして肝心のサウンドも表現力が高い。ネマニャのヴァイオリンは弦の音色に艶があり、高さ方向の空間表現も秀逸だ。USBメモリーからストレージにコピーしたハンス・ジマー『ザ・クラシックス』を聴くと、映画音楽を壮大なオーケストラでアレンジしたサウンドは自然で躍動感に溢れ、予想以上の再現力だった。
続いてアンプ内蔵のX35を試聴した。X50Dと同じく本機をDC950とUSB接続して比較すると、ハンス・ジマーはX50Dほどの絶対的な解像感はないものの、ジャンルを選ばないクセのなさが長所だとわかった。
続いてX35の内蔵アンプを生かす形で、モニターオーディオの「PL300II」と接続して聴いた。ローエンドの伸びこそリファレンスとしたDC950+PMA-SXに敵わないものの、サウンドステージが広く、オーケストラの抑揚表現に柔軟に追従するバランスのいい再生音に感心した。
操作アプリMusicXは、iPadとiPhoneで画面レイアウトを分けたこだわりを感じるデザインが特徴。アルバムアート表示も美しく、視認性も高い。ただしタッチのレスポンスなどは改善の余地があると感じた。
性能面で魅力を感じたのは、両モデルとも付属リモコンでリッピングを含む全操作が直感的に行なえること。また、大型ディスプレイは視認性が高く見やすい。
トランスポートに徹したX50Dは様々なDACと組み合せて狙った音を出す魅力があるし、X35のコストパフォーマンスの高さも印象的。この魅力を多くの人に体験してほしい。
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CD/NETWORK PLAYER+INTEGRATED AMPRIFIRE
CocktailAudio
X35
¥280,000+税
●型式:CD/ネットワークプレーヤー+プリメインアンプ
●出力:100W×2(8Ω)
●接続端子:デジタル音声出力5系統(同軸×2、AES/EBU、光、USBタイプA)、USBタイプA 3系統、LAN1系統 他
●対応サンプリング周波数/量子化ビット数:~384kHz/32bit(PCM)、~11.2MHz/1bit(DSD)
●カラリング:ブラック(写真)、シルバー
●備考:別売りのHDD・SSD搭載用スロット1系統装備
●寸法/質量:W441×H111×D330mm/8.5kg
CD/NETWORK TRANSPORT
X50D
¥380,000+税
●型式:CD/ネットワークトランスポート
●接続端子:デジタル音声入力3系統(USBタイプA×3)、デジタル音声出力5系統(同軸×2、AES/EBU、光、USBタイプA)LAN1系統 他
対応サンプリング周波数/量子化ビット数:~384kHz/32bit(PCM)、~11.2MHz/1bit(DSD)
●カラリング:シルバー(写真)、ブラック
●備考:別売りのHDD・SSD搭載用スロット2系統装備
●寸法/質量:W441×H111×D330mm/10.5kg
【問合せ先】
(株)トライオード
電話番号:048-940-3852
>>カクテルオーディオのWEBページ
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