(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年2月24/25日付)
吸血鬼にとって、弱点はニンニクだ。オオカミ人間にとっては、銀の弾丸だ。では、ゾンビはどうだろうか。もしかしたら、金利上昇で撃退できるかもしれない。
エコノミストらは数十年にわたり、「ゾンビ企業」について心配してきた。
学術誌ジャーナル・オブ・エコノミック・パースペクティブスのティモシー・テイラー編集長は、ゾンビ企業への言及のルーツを1989年までたどり、1990年代の日本や、もっと最近の中国でゾンビが目撃されたと指摘する。
根本的な懸念は、本来なら死んでいるべきだが、よろよろと生き続け、すべての人にとって事態を台無しにする企業が存在する、ということだ。
これは、おそらく少々度が過ぎるほど鮮明な比喩だ。
そしてほぼすべての人が予想している通り、各国の中央銀行がベテランなら「ノーマル」と表現するかもしれない水準に金利を引き上げ続けるにつれ、今後数カ月、数年で真価が問われることになる。
国際決済銀行(BIS)のクラウディオ・ボルオ金融経済局長は最近行った講演で、低金利がゾンビ企業を支える傾向について懸念を表明した。
ボリオ氏は一貫して低金利の歪曲効果について心配してきたが、同氏の主張に入ってきたゾンビの要素は新たなひねりを加える。