フリーランスになって丸2年。いま感じること

 

「将来の夢はなんですか?」

 

この問いに対して、即答できる人はどれくらいいるのでしょうか。先日面白いツイートを見つけたので紹介します。

 

今の若者は将来の夢や職業よりも、「働き方」や「ライフスタイル」に関心が高かったり、はっきりと言語化できる人が多いという話です。

かくいう僕も、冒頭の「将来の夢はなんですか?」という問いには頭を悩ませます。

たくさんあるといえばあるのだけれど、夢ってはかないものだと思ってて、叶った瞬間終わりなわけじゃないですか。タモリさんも「夢を持つのは悲観的な生き方」と語ってます。

逆に理想のライフスタイルや働き方に関しては

  • 誰にも縛られず自由に生きたい
  • 好きな場所で好きな人と働きたい
  • 考えたことや学んだことを自由に表現して、それで食べて生きたい
  • 世界中のありとあらゆる珍しい景色を見たい

と、書ききれないくらい溢れてくるのです。

2016年2月に会社員からフリーランスへと独立し、今月で丸2年を迎えました。いまはっきりと思うことは、「フリーランスって理想のライフスタイルを手に入れるための最高の手段のひとつだよね。でもそれだけ」という話です。

理想のライフスタイル”は”手に入れた

2015年。

週5で満員電車に揺られながら好きでもない人と毎日同じ場所で好きでもない仕事をしていた時は、それはそれは退屈で憂鬱な日々でした。

「刺激が欲しい。自由になりたい。でもどうしていいか分からない」

気軽に相談できる人がいない中で、インターネットという広い世界に対して、自分の好きなことや想いを発信してみることにしました。これがとても刺激的で楽しかった。

貯金もほぼなかったけど根拠のない自信はあったので、思い切って独立することを決めました。当たり前ですが、身内含めて周りから猛反対されました。

独立して半年、気づけばあれだけ願っていた「理想のライフスタイル」は簡単に手に入りました。

ネット環境さえあれば好きな場所で好きな人と働けます。この2年で国内外、ありとあらゆる場所に訪問したし、たくさん尊敬できる人に出会いました。

 

お金もそれなりにもらえるようになりました。多少ちやほやもされるようになったし、講演会やイベントでははるばる遠方から人が来てくれます。

 

世界中の美しい景色を見ながら美味しいものを食べれます。遊ぶように生きて働くこともできます。

でも“それだけ”です。

本当に欲しいものはまだ手に入れてない

フリーランスは「理想のライフスタイルを手に入れるための最高の手段の1つ」だと思います。

もちろん人によって理想の違い、そこにたどり着くまでに要する時間の大小ありますが、自分は欲があまりないほうなので、1年前に書いた「フリーランス1年目を振り返る記事」を改めて読むとおおよそ実現してることが分かります。

 

でも逆に言うと、生活は1年前とほぼ同じです。ライフスタイルは「持続させること」が重要なのでセーフといえばセーフなのですが、何か釈然としない。

一度手に入れてしまった理想のライフスタイルを続けるために、稼ぐことに必死になってたり、守りに入ってないか?と思うわけです。

フリーランスになって2年経ちましたが、「本当に欲しいもの」はまだ全く手に入れてません。

そして余計なものもたくさん手に入れた

 

2年やってると余計なものも手に入れてしまいます。プライドや傲慢さです。

また、ソーシャルでの発信力が増すと共に、イベントなどで人からきらびやかな目で見られることが少なからずあります(恐縮です)。でも、その度に心の中では「やめてくれ〜」と叫んでいるわけです。もっとフラットに、友人のように、1人の人間として対等に接したいのです。

けれど、時に自分のプライドがそれを邪魔します。

独立当初の「失うものは何もない。だから恥もなく何にでも突撃していくスタイル」も、手に入れてしまった余計なもののおかげで落ち着きを見せている。

だからいま、ハンターハンターのネテロ会長の「一体いつからだ。敵の攻撃を待つようになったのは…?」という言葉がとても胸に刺さるのです。

先日、友人の画家・宮森はやと氏が書いた「代々木公園に住むホームレスのダンボールを4万円で買って、世界平和の絵を描いたら感動しか生まれなかった!」という記事や、「【ご報告】宮森はやとはブログ収入をいただきません」はかなり食らいました。

ここは一度余計なものはキッパリと捨てるべきタイミングだな、と独立3年目のタイミングで感じるわけです。

フリーランスになって丸2年。自戒を込めてここに全て書く

 

僕の目標はこの記事にも書いてますが、「世界で対等に渡り合える人間になること」であり、まずは日本国内で対等な立場で戦いたい人が山ほどいます。

そのために今年やるべきことはほぼ決まってるので淡々とそれらをやるのみですが、大切にしなきゃいけないものをないがしろにしてはいけないなぁと(主に人)。だから余計なプライドは捨てる。

理想のライフスタイルなんかに甘んじて、守りに入るのもやめる。もっと攻める。稼いだお金とリソースをもっと投入してスケールさせるために。明日、借金を負うかもだけど、たぶんそれくらいリスク取らないと「世界で対等に渡り合える人間になる」というリターンは一生得られない。

自戒を込めてここに書いときました。もっとドラマティックに生きようと思います。

 

まあウダウダと独立して2年経って感じることを書いてきました。

いま自分の理想の働き方や生き方ができなくて悩んでる人は挑戦するといいですよ。歳とればとるほど難しくなるだろうし、フリーランスは理想のライフスタイルを手に入れるための最高の手段のひとつです。

でも残酷な言い方をすると”それだけ”です。フリーランスはパーフェクトな働き方でもなんでもないし、「本当に実現したいことや夢=フリーランスになると叶えられる」ではありません。フリーランスになることを目的化してはいけないのです。

「自分が本当にしたいこと」と「手段」を読み誤らないように。独立3年目も日々淡々とやっていこうと思います。

Photo by @takumiYANO_/@jyorinko_ayumi/@Tomo_camera_

この記事をかいた人

るってぃ

世界中のワーク・ライフスタイルを中心に発信するプロの無職。TABI TECH編集長やYouTube、複数のプロジェクト実行など幅広く活動
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