HUAWEI MediaPad T3の実機レビュー
子供用におすすめ
HUAWEI MediaPad T3は1万円台という安さで、LTEに対応し、音声通話も可能な8インチAndroidタブレットです。
OSには最新のAndroid 7.0を採用し、クアッドコアのCPU、2GBメモリを搭載。4800mAhの大容量バッテリーで、画面解像度を1280x800に抑えた分、駆動時間も長めになっています。
低価格なエントリーモデルとはいえ、普段使いには過不足のないスペックを備え、造りもしっかりとしています。デザインも上品です。
小さな子供の利用に最適なキッズモードが使えるのも、おすすめのポイントです。
公式サイト:HUAWEI
販売店:Amazon、ファーウェイ・オンラインストア
※レビュー機は当サイトでの購入品です
目次
1 主な仕様 | |
2 HUAWEI MediaPad T3の特徴 | |
3 液晶ディスプレイのチェック | 4 Webや電子書籍の閲覧をチェック |
5 通信速度のチェック | 6 パフォーマンスのチェック |
7 重量のチェック | 8 カメラのチェック |
9 バッテリー駆動時間のチェック | 10 表面温度のチェック |
11 外観のチェック | 12 まとめ |
主な仕様
HUAWEI MediaPad T3の主な仕様を、同時発売のMediaPad M3 Lite、前モデルのT2 8 Proと比較しました。
MediaPad T3単独でみると、コストパフォーマンスの良さを感じます。ただ他の2つのモデルと比べると、価格差なりのスペック差はあります。特に指紋認証の有無とカメラの画素数の違いが気になる場合は、予算を少し追加してM3 Liteを選んだほうがいいでしょう。
MediaPad T3のカラーはスペースグレーのみです。Wi-FiモデルとSIMフリーモデルが選べ、実売価格ではSIMフリーモデルの方が約3,000円高くなっています。
MediaPad T3 | MediaPad M3 lite | MediaPad T2 8 Pro | |
---|---|---|---|
OS | Android 7.0 | Android 7.0 | Android 6.0 |
液晶 | 8インチIPS液晶 (1280x800) |
8インチIPS液晶 (1920x1200) |
8インチIPS液晶 (1920x1200) |
プロセッサー | MSM8917 クアッドコア | MSM8940 オクタコア | MSM8939 オクタコア |
メモリ | 2GB | 3GB | 2GB |
内部ストレージ | 16GB | 32GB | 16GB |
バッテリー | 4,800mAh | 4,800mAh | 4,800mAh |
カメラ | 500万画素 (背面) 200万画素 (前面) |
800万画素 (背面) 800万画素 (前面) |
800万画素 (背面) 200万画素 (前面) |
主なスロット | microUSB microSDスロット nanoSIMスロット×1 イヤホン端子 |
microUSB microSDスロット nanoSIMスロット×1 イヤホン端子 |
microUSB microSDスロット microSIMスロット×1 イヤホン端子 |
その他 | - | 指紋認証センサー ジャイロセンサー |
- |
重量 | 約350g | 約310g | 約340g |
HUAWEI MediaPad M3 Liteの特徴
SIMフリーモデルもあり。しかも音声通話も可能
HUAWEI MediaPad T3のSIMフリーモデルは、音声通話機能付きのSIMを使って音声通話ができます。アプリ画面にも「電話」「連絡先」「メッセージ」アプリが設定してあります。
スピーカーは本体上部中央にあり、片手でホールドしたときに耳の位置にくる配置になっています。スマホと同じようにT3を手に持って音声通話することも可能ですが、端末の横幅があるため、手が小さな人には不向きです。音声通話を利用する場合は、ヘッドセットやマイク付きイヤホンがあったほうがいいと思います。ちなみにマイク穴は本体下側面に配置してあります。
音声通話にも対応
スピーカーも通話位置に配置
電話アプリを開いたメイン画面には通話履歴とダイヤル番号が表示されます。上部のタブでは連絡先やお気に入りに切り替えることができます。通話中画面では相手先情報や通話時間が画面上部に表示され、カレンダーやメモ帳、保留などをワンタッチで起動できるパネルが画面下部分に表示されます。このあたりのインターフェースはHUAWEIのスマホとほぼ共通です。
実際に通話してみましたが、特に問題なく通話できました。
電話アプリのメイン画面(左)と通話中画面(右)
MediaPad T3で利用できるSIMカードサイズはnanoSIMです。SIMカードホルダーは本体右側面の中央付近にあり、microSDカードスロットと兼用になっています。カードホルダーはボディと同じアルミ製でしっかりとした作りです。スロットを開けるときは付属のSIMピンをホルダーの小さな穴に差し込んでロックを解除します。
nanoSIMカードとmicroSDカードをセットした状態
アルミニウム合金を採用し頑丈なボディ
HUAWEI MediaPad T3はMediapadシリーズの中では廉価版の位置付けですが、ボディには航空機グレードのアルミニウム合金を採用しています。外観はつや消しのグレーシルバーで、メタリックな質感です。指先で表面を触ってみると、きめ細かなざらつきを感じます。コストパフォーマンス重視のタブレットでよくみられるプラスチックぽい安っぽさはありません。
航空機グレードのアルミニウム合金を採用したボディ
表面は繊細なざらつきのある仕上げ
アスペクト比16:10のIPS液晶で割と見やすい
MediaPad T3の液晶画面は8インチで、1280×800ドットと低めの解像度ではありますが、アスペクト比16:10のIPS液晶を搭載し、比較的見やすいです。ベゼル幅は縦位置での左右の横幅が約7mm、上部分が約16mm、下部分が約19mmと、最近のタブレットとしてはやや広くなっています。ボディも液晶画面と同じようなアスペクト比になっています。そのため縦長っぽさがなく、片手で持った時のバランスもよいです。
ディスプレイの全体像
片手で持った時のバランスも良い
画面1inchあたりに占める画素の数を示す画面解像度は213dpiです。フルHD(320dpi)のタブレットと比較すると、低い数値ですが、普段使いで解像度が足りないと感じるシーンはほとんどないと思います。個人的にはむしろパキパキのきめ細かなディスプレイよりも目に優しく感じます。ただし動画視聴や写真閲覧で高精細な描写を好まれる方には物足りないと思います。
ディスプレイの解像度は低め
キッズモードを標準搭載し、子供用におすすめ
HUAWEI MediaPad T3にはアプリ「キッズモード」がプリインストールしてあります。キッズモードを使えば、専用ホーム画面が表示され、事前に登録しておいたアプリだけが利用可能になります。キッズモードを解除するにはPINコードを入力する必要があるため、子供が勝手にブラウザやメールなどを使っていたずらする心配がありません。
アプリ「キッズモード」
キッズモードの専用ホーム画面は子供向けにシンプルで可愛らしいデザインになっていて、動物や昆虫が動く演出などもあります。また「キッズペイント」や「カメラ」などのキッズモードのオリジナルアプリは子供向けにデザインされています。
「キッズモード」のホーム画面
「キッズモード」に付属するカメラアプリ
キッズモードはペアレンタルコントロールの機能も備えています。利用可能なアプリを選択できるだけでなく、1日の利用時間上限や1回あたりの利用時間を設定することもできます。子供にタブレットを渡したままにしても安心な便利機能です。
ペアレンタルコントロールの設定画面
オリジナル専用カバーケースが付属
HUAWEI MediaPad T3にはオリジナル専用カバーケースが付属します。カバーケースはタブレット本体を購入するときにまず手に入れたいアクセサリーですが、専用でないとカメラ位置やサイズがピッタリ合わないので、最初から付属しているのは嬉しいサービスです。
カバーの外側は合成皮革で覆われていて、タブレット本体を固定する枠はプラスチック製です。全体的に薄くて硬い作りです。いかにもオマケといった野暮ったい感じはありません。
付属オリジナル専用ケースの外側
オリジナル専用ケースに本体を取り付けた状態
オリジナル専用ケースに本体を取り付けて閉じた状態
オリジナル専用ケースは横位置でタブレットスタンドにもなります。アングルを固定したり、段階的にアングルを変える機構はありませんが、カバー裏面の溝にちょうどタブレットが位置する場所で、アングルが安定するようになっています。基本的にはこのアングルでのみ使用するようです。
動画視聴などに便利なタブレットスタンドにもなる
液晶ディスプレイのチェック
各アングルから見たときの見やすさをチェックしました。視野角の広いIPS液晶ディスプレイです。視野角(斜めから見たときの見やすさ)
画素の拡大図です。画素数は少なめなので画素一つの大きさはやや大き目です。画面のギラつきは特にありません。
画面表面の拡大図
Webや電子書籍の閲覧をチェック
Webページや電子書籍を閲覧した時の使い心地を検証しました。初期設定のWebブラウザはアプリ"chrome"です。
MediaPad T3の液晶画面は縦横比16:10になっているため、縦位置でも横位置でもバランスのよい表示です。8インチなので、文字の多いWebページや電子書籍でも比較的読みやすいです。
当サイト「the比較」を縦位置で表示
当サイト「the比較」の一部を拡大
「Amazon Kindle」でコミック本を読んでみました。横位置では見開きで左右に余白が生じ、画面も実際のコミック本よりふた回りほど小さくなります。縦位置では実際のコミック本とほぼ同じサイズで表示されます。
電子書籍を横位置で表示して実際の本と比較
電子書籍を縦位置で表示して実際の本と比較
ブラウザのベンチマーク結果を掲載します。
JetStreamとOctaneのWebブラウザベンチマークを測定しました。測定対象ブラウザは"Chrome"です。タブレットとしてはやや低めのスコアです。
JetStream 1.1 | Octane 2.0 | |
---|---|---|
Chrome | 18.566 | 2787 |
通信速度のチェック
音声通話対応のSIMカードを挿して、MediaPad T3のLTE通信速度をチェックしました。
混雑して速度が極端に低下する12時頃と、比較的空いていて通信速度が安定する15時頃の2つの時間帯で計測しました。
詳細な測定環境は次の通りです。
測定場所:東京都江東区内・集合住宅室内
測定に使用したSIM:DMM mobile 通話SIMプラン(nanoSIM)
測定アプリ:OOKLA SPEEDTEST
計測日時:2017/9/12(火)、12:00頃および15:00頃(各時間帯で3回以上計測)
各時間帯の計測で得られた代表的な通信速度テストの結果を以下に掲載します。比較的回線が空いている15時台では下り25Mbps前後でした。ちなみにMediaPad T3は仕様上で下り最大150Mbpsまで対応しています。
平日12時頃の通信速度測定結果 (DMM mobile)
平日15時頃の通信速度測定結果 (DMM mobile)
MediaPad T3はKDDIの4G音声通話(VoLTE)には対応していませんが、KDDIのデータ通信の各バンドには対応しています。mineo(au)のデータ専用nanoSIMカードを使って同じように通信速度テストを行いました。得られた各時間帯の計測で得られた結果を掲載します。
平日12時頃の通信速度測定結果 (mineo_au)
平日15時頃の通信速度測定結果 (mineo_au)
パフォーマンスのチェック
MediaPad T3のCPU、メモリ、GPUのベンチマーク結果を以下に掲載します。タブレットとしてはやや低めのスコアです。
3Dmark
PCmark for Android
PassMark PerformanceTest Mobile
Geekbench 4 (CPU)
Geekbench 4 (Compute)
重量のチェック
MediaPad T3本体の重量を測ったところ、 350gとメーカー公表値の約350gと一致しました。また付属の専用カバーケースの重さは約137gでした。
本体の重量測定結果
専用カバーケースの重量測定結果
カメラのチェック
MediaPad T3はリアカメラとフロントカメラを搭載しています。各カメラのスペックは次の通りです。
スペック※ | フロントカメラ | リアカメラ |
---|---|---|
ファイル形式 | jpeg | jpeg |
画像サイズ | 1600×1200px | 2592×1944px |
画素数 | 200万画素 | 500万画素 |
最小絞り | f2.2 | f2.4 |
焦点距離※※ | 28mm | 28mm |
内蔵フラッシュ | なし | なし |
動画サイズ | 1280×720 | 1920×1080 |
その他撮影機能 | パノラマ ビューティーモード コマ抜きなど |
HDR コマ抜き ビューティーモードなど |
※※35mmフルサイズカメラ換算時
リアカメラの解像度をチェックしました。リアカメラの画像サイズ設定を最大にし、解像度チャートをアスペクト比に合わせて横位置で画面一杯に撮影しました。カメラ設定は全て購入時のままの設定で撮影しました。最大サイズでの撮影画像の縦横比は3:4です。
撮影環境:室内、昼白色蛍光灯照明
撮影条件:ISO190, f2.4, 1/30秒, ホワイトバランス自動
使用した解像度チャート:ISO12233記載の解像度チャート(A3サイズ)
撮影方法:端末を固定しながら、画面上のチャート中央部分にタッチ(ピント・露出合わせ)して撮影
得られた画像は次の通りです。
露出は背景の白に少し引っ張られて暗めになっていますが、色味のバランスはとれています。シャープネス処理はやや強めです。画素数が少ない分、拡大率は低くなっていますが、等倍にしても比較的自然な描写です。
解像度チャートの撮影結果
解像度チャートの黄色枠部分を100%表示
標準カメラアプリでリアカメラを横位置で構えたときの撮影画面です。
カメラ使用時はシャッターボタンの上側に動画・写真切り換えボタン、下側にプレビューボタンが配置されます。左側にはリア⇔フロントカメラ切り替えボタンとビューティーモードのON・OFFボタンがあります。
ピントを合わせたい部分にタッチするとフォーカス位置に白い円が表示されて、合焦すると円の色が黄色に変わります。円のそばに表示される太陽マークを上下にスライドさせると、撮影時に明るさを調整できます。
標準カメラアプリの撮影画面
縦位置・横位置いずれの場合も画面左側からスワイプすると「撮影モード」、右側からスワイプすると「設定」メニューが表示されます。他のタブレット端末と比べると、使える機能はやや少なめです。
撮影モード(左)と設定(右)の表示画面
フロントカメラに切り換えた場合も基本的な操作画面は同じです。ただし使える撮影モードや設定は一部制限されます。またフォーカスポイントは選べず、固定フォーカスになります。
バッテリー駆動時間のチェック
MediaPad T3のバッテリ―駆動時間をアプリ「バッテリー」でチェックしました。100%充電した状態でのバッテリー駆動時間の目安は次の通りでした。タブレットとしては標準的な駆動時間になっています。
バッテリー駆動時間の目安
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし表面温度が高すぎると、スマートフォンを持つ手が熱くなり不快になります。
本体の裏面を計測した結果、今回のテスト条件ではやや表面温度が上昇しましたが、気になるほどではありませんでした。
外観のチェック
外観です。今回のレビューで使用したのはSIMフリーモデルです。カラーはスペースグレーです。
表面はつやのあるブラックのベゼルが液晶ディスプレイを囲んでいます。ベゼル幅は最近のモデルの中ではやや広く感じます。また輪郭部分は側面や裏面と同じ素材で、わずかに出っ張っています。ちなみにこの出っ張りはタブレットを落とした時などに液晶画面へのダメージを抑えるための段差で、使用時には全く気にならない程度です。
下部中央にはHUAWEIのロゴがデザインしてあります。
表側の全体像
HUAWEIのロゴ
上部のベゼルの中央にスピーカーを配置。その右側にフロントカメラがあります。
スピーカーとフロントカメラ
裏面はつや消しのグレーシルバーで覆われていて、全体的にマットできめ細かな手触りです。アルミ製ですが、上下の端はわずかに色味が違い、手触りも違います。
裏面全体
中央やや上よりにHUAWEIのロゴがあります。
HUAWEIのロゴ
裏面上部の左側にリアカメラがあります。フラッシュは非搭載です。レンズ外周部分は内側に凹んだ形になっています。
リアカメラ
側面も裏面と同じアルミ素材で、裏面と一体型のデザインになっています。上側面にはイヤホン端子があります。
上側面
下側面の右端にmicroUSB端子とマイクが配置してあります。
下側面
右側面の中央にmicroSDとnanoSIM兼用のスロットがあります。スロットホルダーはカバーと一体になっていてピッタリと側面に収まります。スロットホルダーもアルミ製でしっかりとした作りです。
nanoSIMとmicroSDの兼用スロットを閉じた状態
スロットホルダーを取り出した状態
右側面の上側には電源ボタンと音量ボタンがあります。
電源ボタンと音量ボタン
各側面の一覧です。左側面に端子やボタンはありません。
各側面の配置
付属品はUSB2.0ケーブルとAC電源アダプター、オリジナル専用カバーです。このほかにSIMピンとクイックスタートガイドが同梱されています。電源アダプターの出力は5V、1Aです。
付属品一式
まとめ
以上がHUAWEI MediaPad T3のレビューでした。
最低限のスペックと機能に絞りつつも、安っぽさを感じさせないデザインのSIMフリータブレットです。汎用性の高い8インチサイズで液晶画面のアスペクト比が16:10なのも使い勝手がよく、コストパフォーマンスの高い一台です。
電子書籍やWebの閲覧、動画視聴といった一般的な用途には十分なスペックです。余計な機能がついていなくて、かつキッズモードも備えているので、子供にも使わせるタブレットとしては価格と機能のバランスがいいと思います。
ただし搭載しているカメラ性能はやや低く、ディスプレイ解像度も低いので、頻繁に写真や動画を撮影したり、画像を閲覧したりする場合は、ほかの機種を選んだほうがいいと思います。
公式サイト:HUAWEI 販売店:Amazon、ファーウェイ・オンラインストア |