英野党党首をスパイ呼ばわりの保守党議員、公式謝罪
英野党第一党、労働党のジェレミー・コービン党首がかつて旧チェコスロバキアの情報提供者か協力者だったという疑惑が、一部の英メディアや与党・保守党議員によって取りざたされた問題で、コービン氏をスパイ呼ばわりするツイートをした与党・保守党の下院議員が24日、公式に謝罪した。
保守党のベン・ブラッドリー下院議員は、「2018年2月19日に私は自分のツイッター・アカウント(@bbradleymp)において、ジェレミー・コービン氏について深刻で侮辱的な発言をし、共産圏のスパイに英国の機密を売り渡していたと書いた」とツイートした。
議員はさらに、「私は侮辱ツイートを、後に削除した。コービン氏が選ぶ慈善団体に金額を公表せず、相当額を寄付することで合意した。またコービン氏の法的費用も支払う」と書き、「事実と異なる虚偽の発言を投稿したことを深く遺憾に思い、ジェレミー・コービン氏に不快な思いをさせたことを、ためらわず全面的かつ無条件に謝罪する」と表明した。
ブラッドリー議員は、地元マンスフィールド選挙区のフードバンク(貧困世帯への食料提供センター)とホームレス支援団体に寄付をする方針という。
英タブロイド紙サンなどが、コービン氏が1980年代の旧チェコスロバキアの諜報関係者と接触していたと報じたことについて、労働党は「ばかげている」と強く反発していた。
コービン党首の報道担当は、「ベン・ブラッドリー氏が自分の発言はまったくの虚偽だと認めて謝罪したことをうれしく思っている。マンスフィールドの慈善団体が利益を受けることも、喜んでいる。ジェレミーへの中傷キャンペーンは失敗した。今回の件で、我々が危険な嘘を放置するつもりはないことが明らかになった」とコメントした。