私はブログやメールマガジン、書籍、セミナーを通じて、男性に「最速でおしゃれに見せる方法」を伝えています。先日、ツイッター(@MBKnowerMag)のフォロワーに、おしゃれになって嬉しかったことを教えてくださいと問いかけてみました。すると、私のメソッドを実践している方々から「自信がついた」「人生が変わった」という返信が次々に届きました。その一部を紹介してみましょう。
「女性に褒められるようになって自信がついた」
「『お父さんおしゃれだね』とクラスメイトに言われたと喜ぶ娘の顔を見たとき」
「人への思いやりが大きくなったことです! 会う人が喜びそうな服装をいつも考えています」
「入院が数年の社会復帰に消極的な患者さんとの面談で、自分の学んだおしゃれを助言してみたところ、自ら身だしなみを整えてファッションを楽しみ、あっという間に病気を乗り超えて社会復帰されたこと。おしゃれで人生がこうも変わるとは!」
「初対面の人と会うときに引け目を感じなくなりました! とくにイケイケな人たちに対して(笑)。おかげで交遊関係が広がりました」
「『自分はちゃんとした服装ができている』と自信が持てるようになったことです。道を歩いても人の目を気にしなくてよくなったし、自然と背筋が伸びるようになりました」
驚いたのは「結婚できました」という報告の多さです。もちろん読者には30代も多いので、たまたまタイミングが合ったのかもしれません。しかし、彼女もいなかったのにファッションのおかげで結婚ができたということは、私のメソッドがなんらかの形で働いたのだと思います。 洋服で人生は変わるものなのです。
また、メルマガの読者からは「うつが少しよくなりました」とメールをいただいたこともあります。自宅で療養しているときに私のブログにたどりつき、気分を変えられるかもしれないと洋服をネット通販で購入して着てみたそうです。すると、鏡の前にはいつもよりちょっとイケてる自分がいる。そのまま外出してみて、自分のことが少し好きになれたといった内容でした。 「MBさんのおかげで外に出ることができました」という一文を読んだときは、恥ずかしながら泣いてしまいました。
彼やツイッターに答えてくれた方たちは、私が提唱するルールを使っておしゃれになることで自信を得ました。実はこれがこの本で伝えたいことのすべてなのです。
おしゃれをして見た目が変われば自信がつきます。おしゃれですねと褒められることが自信になって蓄積されます。 行動というのは不思議なもので、自分に自信がないとなかなかその一歩が踏み出せません。失敗するかも、できるわけがないと自分にブレーキをかけて躊躇させるのです。しかし、自信があれば一歩は容易に踏み出すことができます。
では、行動力があって成功を収めている人はどうやって自信を得たのでしょうか。子供のころから試行錯誤を繰り返し、たくさんの成功体験を積み、ときには失敗し挫折を乗り超えて自信を培ってきました。ただ、そんな人はごくわずか。多くの人は「自分に自信がありますか?」と聞かれてもYESとは即答できないでしょう。
また、何か訓練をしたり、修行を積んで自分の内面を変えるのは大変です。しかし、洋服は人の内面を一瞬で変える力があります。たかが洋服とはいえこれほど即効性のあるツールをほかに知りません。そんな気分になったことがない、洋服なんて興味ないと思った方もご安心を。人を前向きにする服選びは、ほんのちょっとしたコツがあるので連載できちんと述べていきます。
自己啓発本を読んで人生に変化が起きる人は100人中1人だとして、ファッションをツールとした場合は100人中の99人の人生が変わります。
私が探し出したメンズファッションの法則は抽象的なルールではありますが、簡単に理解できます。即座に、そして具体的に行動に移せます。要はユニクロやGUで服を買って、着て鏡の前に立つだけ。しかも一度実践して自信がつくと、それは心を動かすエネルギーになります。
小さな成功体験を積み重ねることでやりたいことにどんどん挑戦できるようになり、結果大きな成功が得られます。 多くの自己啓発のメソッドと決定的に違うのは、ファッションは具体的にいますぐ実践可能で、その結果がすぐにわかるということです。
いったん整理しましょう。男性がファッションに興味をもって実践すると4つの結果が得られます。
まず、おしゃれになる。法則を理解して、ルールを実行すれば簡単におしゃれになります。それもユニクロやGUなどどこでも購入できるので再現性が高く、変化や効果を一瞬で実感できます。ファッションといってもおしゃれエリートを目指すのではなく、好印象を与える男性を目指します。ファッションに疎くてもたかがファッションと気軽に続けることができます。
次に自信がつく。おしゃれになると自分に自信が持てるようになります。「着飾ってどこが自信だ?」と否定的な人もいるでしょう。しかし、こう考えてみてはいかがでしょうか。内面の一番外側が外見だと。たかだかファッションで自信がつくなら安いものだと思いませんか?
そして褒められる。おしゃれになると、多くの人に褒められます。女性からもたくさん褒めてもらえるでしょう。後輩から「おしゃれですね!」と一言褒めてもらえるだけで、人生は豊かになります。これは冗談ではなく、社会人にもなると、男性は滅多に人を褒めないようになります。しかし不思議なもので、人に褒められるようになると、今度は自分が褒め上手になります。これはできるようでなかなかできません。子育てから人間関係まで褒めることの重要性を解いた本がたくさんあるように、その効果は絶大です。
最後に差別化できる。素晴らしい結果、人と違う成果は人と異なる思考と行動でしか得られません。着こなしを工夫する思考の習慣を身につけると日々の行動が変わります。たとえファストファッションであっても差別化できるので人と違う結果が得られます。
この4つの結果はお互いが連鎖しているので、日常生活に大きな影響を与えます。そして年齢は関係ないので、中学生から中高年まで、何歳の方でも実践することができます。 たかが外見、たかがファッションです。「たかが」だからこそ気楽に実践できて、なおかつ効果を自分の目で確認することができるのです。外見が整って自信が出れば、行動も前向きに変化するというそれだけのことなので身構える必要もありません。
おしゃれになる。
自信がつく。
褒められる。
差別化できる。
とてもシンプルなスパイラルなのに効果は絶大です。私は男性にとってファッションはチートスキルだとすら思っています。チートとは本来ゲームで制作者の意図とは異なった不正な改造を働いてゲームを有利に進める行為のことです。不正行為なのでもともとはネガティブな印象のある言葉だったのですが、現在ではライフハックや常識を逸した強さといったポジティブなニュアンスで使わることもあります。たとえば「人生のチートスキル」といえば、ウラ技のような才能を与えられた人といったような意味合いになるのです。
「ファッションはチートスキルである」。つまり、ファッションというスキルを身につけることで人生はイージーモードになり、飛び級をするかのごとくうまくいくのです。
「そんなにウマい話があるわけがない!」という方が大半でしょう。とくに私のことを知らない人にとっては当然の感覚かと思います。そんな疑問にお答えするため、次回の連載からは架空のサラリーマンAさんが、「MBって詐欺師?」「おしゃれって人それぞれじゃないの?」と、私に疑問をぶつけ、それに答えるところから物語がはじまります。 さらにAさんは、ファッションによるチートスキルの要点を身につけ、やがておしゃれをきっかけに成長する方法を学んでいきます。
日々の生活がなんだかパッとしないので変化のきっかけがほしい。一緒に服を着替えて新しい一歩を踏み出してみましょう。この本を手にとってくれたことからすでに新しい一歩ははじまっているのですから。
(撮影/難波雄史 イラスト/さかもとめぶき)