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KOBITブログ

表示時間が1秒減るとCVRはどれくらい上がる?38万サイトのGoogle アナリティクスデータを活用したGoogleの新機能

この記事は約 6分 で読めます。

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小川卓です。前回の記事「Googleアナリティクスの「ページ速度」レポートと「PageSpeed Insights」を活用し、重いページ改善のためのファイルを入手する方法」ではページ速度の見方と、その改善案を列挙してくれるサービスの紹介を行いました。

さて、このようにページ表示速度を実際に減らすことができた場合、コンバージョン率にはどれくらい影響があるのか?今回の記事では、その影響についてみていきましょう。

2018年2月にGoogleは新たに「Speed Scorecard」と「Calculate the Potential Revenue Impact」というサービスの提供を開始しました。それぞれの機能を見ながら、今回の記事名のお題について考えていきましょう。

Speed Scorecardで出来ること

こちらは非常にシンプルながら、便利な機能になります。ドメインを入れると、その配下にある代表的なページ群の平均表示速度を出してくれます。複数サイト追加できるので、同業他社なども確認可能です。ツールの右上で国と回線タイプ(3G or 4G)を選択可能です。

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これらの結果を出すためにどういったデータを利用しているか?に関しては前回の記事をご覧ください。

Calculate the Potential Revenue Impactで出来ること

今回の記事のメインはこちらにあります。こちらでは4つの数値を追加することで、「もし表示時間が●●秒に減ったら、どれくらい売り上げが伸びるのか?」ということを確認できます。ツールは以下の形になっています。

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  • Domain:サイト名
    Speed Scorecardで入力したドメイン名が入ります。何も入っていない場合は何の文字列でも良いので入力しておいてください(計算結果に影響は与えません)。
  • Current Speed:現在の平均表示時間
    Speed Scorecardで取得された平均表示時間が入ります。自分で任意に指定することも可能です
  • Average Month Visitors:月間平均訪問数
    該当サイトの月間平均訪問を自分で入力してください(ここでは10,000と入力)
  • Average Order Value:平均購入単価
    購入あたりの平均金額を自分で入力してください。ドルでしか現在は入力できません(ここでは10ドルと入力)。
  • Conversion Rate:コンバージョン率
    訪問に対しての購入率を自分で入力してください)ここでは1%と入力)

入力をした後に、画像下部にある、「平均表示時間」のスライドバーを動かすことができます。上記の例ですと、4秒をもし1.5秒まで縮めることができれば、年間で1,228ドルの売上増の可能性があるということを表示してくれます。注意しないといけないのは、訪問回数の入力は月ですが、売上インパクトが年で出てくるということです。

このデータを活用することで、表示時間を減らすと、コンバージョン率が何%増加するかということを算出することも可能です。そこで筆者の方で、元の表示時間が15秒・8秒・6秒・4秒の時のデータをまとめてみました。

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グラフの見方を説明しておきましょう。表示時間が15秒のサイトが、10秒まで減らすことができればサイトのコンバージョン率が1.05倍になります。そして5秒まで減らすことができれば1.136倍になり、2秒まで減らせれば(難しいとは思いますが)1.25倍になります。実際の売上の増加「額」に関しては、訪問回数・CV率・購入単価に依存します。

傾向としては、表示時間が短くなれば、0.5秒あるいは1秒の改善がよりインパクトを持つことがわかります。また平均表示時間に15秒以上かかるサイトは比較的少ないと思うので、改善インパクトは最大で25%程度ということがわかります。これを多いとみるか少ないとみるかは、サイトによっても変わってくるでしょう。

この数値の元データは何なのか?

こちら説明内容を見ますと

 This model is based on data from Google Analytics accounts that have chosen to share anonymous aggregated data with Google for benchmarking purposes. This data is not used in the Speed Scorecard. n=383K unique profiles, Global, Jan. 2017 – Dec. 2017

元データはGoogle アナリティクスで匿名で情報共有を許可しているプロファイルを利用しています。全世界のデータで2017年1月~12月を元にした約383,000サイト分のデータになります。

 

 

まとめ

本記事のタイトルにある「1秒減らすとコンバージョン率はどれくらい改善するのか?」に関しては、現在の表示時間に影響することがわかります。15秒から14秒への減少であればインパクトは0.8%程度です。しかし3秒を2秒に減らすことができればインパクトは5%と大きく伸びます。世の中のサイトの平均表示時間がどれくらいわかりませんが、例えば6秒だとするのであれば、6秒から5秒への改善は1.9%程度の改善になることがわかります。

ぜひ皆さんも自分のサイトの現状を確認した上で、サイト表示速度の改善促進に活用してみてはいかがでしょうか?

 

小川卓 プロフィール画像

【著者プロフィール】

小川 卓(おがわ たく)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンで勤務後、フリーに。複数社の社外取締役やデジタルハリウッド大学院の客員教授として活動.。コンサルティング・勉強会・執筆に従事。

主な著書に「ウェブ分析論」「ウェブ分析レポーティング講座」「漫画でわかるウェブ分析」「Webサイト分析・改善の教科書」「あなたのアクセスはいつも誰かに見られている」など。

※KOBITブログでは、毎月1~2本程度、小川卓さんに記事を寄稿いただいております。
どれも興味深い記事となっておりますので、ぜひ他の記事もご覧下さい。
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