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持ちやすさを維持しながら最新トレンドを採用

 最後に、新製品のXperia XZ2や開発中の超高感度撮影技術についてのQ&Aが染谷氏に対して行われた(聞き手は筆者を含むグループインタビューの参加者)。

Xperia XZ2、XZ2 Compactでなぜ3.5mmのイヤホンジャックを廃止したのか? ノイズキャンセリング機能を利用するには?

 他社が言うようにデザインの自由度が高まる面もあるが、ここ1~2年でオーディオの視聴スタイルがワイヤレスへと全世界的に変わっているという背景がある。

 ノイズキャンセリング機能はUSBでは信号を通すことができないものの一つだ。USB Type-C経由では利用できない。しかしソニー製品を含め、ワイヤレスのヘッドセット製品でもノイズキャンセリング機能への対応が進んでいることもデザイン変更の上で考慮した。

Xperia XZ2、XZ2 Comactでデザインを大きく刷新した理由は?

写真15●Xperia XZ2(左)とXZ2 Compact(右)
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昨今のデザイントレンドの中で、新しいイメージのXperiaを要望される声を多くいただいていた。我々のスタイルの中で、手への馴染みやすさや使いやすさを維持しながら質感や色を含めてのデザイン刷新に踏み切った。

Xperia XZ2とXZ2 Compactで縦横比が18:9の画面を採用した理由は? 他社では狭額縁化も進んでいるが。

 大画面化が非常に進んでいる中で、インチ数を高めても持ちやすさを保つことができることもあり、新しい比率を採用した。狭額縁化の取り組みは進めているが、アンテナのパフォーマンスや防水のためにも一定の領域は必要で、コミュニケーションデバイスとしてのバランスを取った。

開発中の2眼カメラの技術を披露したが、なぜXperia XZ2に搭載しなかったのか?

写真16●Xperia XZ2のカメラ
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 Xperia XZ2においても、お客様が生活で使ううえで必要十分で、4K HDRのようにそれを上回る体験を導入している。しかし超暗所での撮影などを特定のお客様が要望されることがあり、別の端末でそうした技術を入れることを検討している。どのタイミングで商品化するか、また「Xperia XZ2 Premium」といった製品名になるかどうかも未定だ。

4K HDRの撮影に対応したが、Xperia XZ2の画面解像度はフルHD+(2160×1080ドット)にとどまっている。

 2017年に発売した4Kディスプレイの「Xperia XZ Premium」は、引き続き販売している。商品ポートフォリオとしてあらゆる技術を搭載したいとはいえ、パネルやメモリ容量は議論しながら進めている。

なぜ指紋センサーの位置をこれまでの側面から背面に変更したのか?

 背面に搭載することで、両方の手で使えるほうがよいという声もあった。また、新しいデザインコンセプトの「Ambient Flow」の展開を考えると、背面のほうがやりやすい。ただ、初めての取り組みということもあり、顧客の声やデザイン戦略を考えながら、より適切な場所があるかどうか見極めていきたい。

Xperia XZ2の厚さは11.1mm、XZ2 Compactは12.1mmで、これまでより厚くなっているという指摘がある。

 本体を薄くしていくのもひとつの方向性だろう。ただ流線形のデザインとXZ2ではガラスを採用したこともあり、サイズ感や厚さ、カーブの取り方も加味しながら、設計構造上の制約もある中で、手に馴染むフィット感を体験いただけるはずだ。

日本での発売予定は?

 現時点では発表できることはないが、期待して待っていてほしい。