うきよのおはなし~江戸文学紹介ブログ~

江戸文学に少しでも興味を持つ方が増えれば良いなと。

化けの皮衣  (『百器徒然袋』より)

前回の「絹狸」の右側のページには、実は、ちゃんとセットになるが描かれているんですよね♪

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国会図書館の画像を利用しています。
国立国会図書館デジタルコレクション - 百鬼徒然袋 3巻. [1]

翻刻
ばけの◆皮衣(かはころも)
三千年を経(へ)たる狐
藻草(もくさ)をかぶりて
北斗(ほくと)を拝し美女と
化するよし唐(もろこし)のふみに
見へしはこれ
なめりと夢のうちに
おもひぬ

【現代語表記】
化けの皮衣(かわごろも)
三千年を経(へ)たる狐、藻草(もぐさ)を被りて北斗(ほくと)を拝し、美女と化するよし、唐(もろこし)の文[ふみ]に見えしはこれなめりと、夢の中[うち]に思いぬ。

【現代語表記】
化けの皮衣
三千年を生きたは、に被って、北斗七星を拝み、美女に化けると、中国の書物に出ていますが、それがこの「化けの皮衣」なんだなあと、夢の中でふと思いつきました。

【解説】

「化けの皮衣」は、「化けの皮」「皮衣[毛皮で作った服]をかけて繋げて作った言葉ですね。

一応、これが妖怪名なんでしょうけど、なんだか妖怪の名前っぽくないですね。

『酉陽雑俎[ゆうようざっそ]』やら『抱朴子[ほうぼくし]』という中国の書物に出ているそうですが、これらではドクロを乗せて変身すると書かれているようです。

変身の古いスタイルは、化ける対象に関するものに乗せて変身していたようで、つまり、ここでは、女性の髪の毛に見立てて変身していると言うわけですね。

最近出たこの本にも、2ページだけですが、に関するコラムが載っていますね。

気楽に江戸奇談! RE:STORY 井原西鶴

気楽に江戸奇談! RE:STORY 井原西鶴

 

というか、この本、ちょっとだけ関わってるので、こっそり宣伝しておきます。
まあ、たぶん、こっそりすぎて、誰も気づかないと思いますが(笑)
私が担当してるのは全部でほんの10ページほどですが、気づいた方は、上に貼ってあるリンクからご購入していただけたら嬉しいです♪

まあ、でも、化け方が甘いみたいで、手や首や足のままですね(笑)

ちらりとシッポも見えてますし。

駕籠かきもまんまです。

というか、これ美女ですか???

前に出たろくろ首さんも足が獣なので、とかが化けたものかもしれんですね。
kihiminhamame.hatenablog.com 

書くネタに困って、急遽右側のページを取り上げたのが、バレバレだね!

 

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