トップ > 中日スポーツ > 格闘技 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【格闘技】

山中、困惑 ネリ側が突然、変更要求「グローブ日本製に」

2018年2月28日 紙面から

WBCバンタム級世界戦の調印式を終え、ポーズを取る王者のルイス・ネリ(左)に視線を送る挑戦者の山中慎介=東京・飯田橋のホテルグランドパレスで(斉藤直己撮影)

写真

 ボクシングのダブル世界戦(3月1日・両国国技館)の調印式と記者会見が27日、東京都内で行われた。メインで再戦するWBCバンタム級前王者・山中慎介(35)=帝拳=と現王者ルイス・ネリ(23)=メキシコ=は調印を済ませたものの、グローブチェックでネリ陣営が急に使用予定のメキシコ製から日本製への変更を要求したことで、その決定が28日に持ち越される異例の事態になった。セミで行われるIBFスーパーバンタム級タイトルマッチは王者・岩佐亮佑(28)=セレス、挑戦者の同級13位エルネスト・サウロン(28)=フィリピン=ともに調印もグローブチェックも無事終えた。

 スーパーバイザー(試合統括者)らのあいさつから調印へ…。本来ならスムーズに流れるはずの調印式が、グローブチェックで突然止まった。ネリ陣営のスタッフ10人近くが会見の壇上に集結。使用する予定だったメキシコのレイジェス社製品の使用を拒否し、日本のウイニング社製を要求したのだ。

 「まさかの予期せぬ事態。てっきりメキシコ製を喜ぶと思っていた」と帝拳ジムの浜田剛史代表。試合用グローブは大会スポンサーのロゴを入れた特製で、急に変更できないこともあり、戸惑いを隠せなかった。

 グローブ選択の優先権は王者にあり、試合主催者の山中陣営は事前にネリ本人に好みを聞き、「どちらかと言えばレイジェス」との回答も得てロゴも入れて準備した。だが、この日になってネリ陣営のギジェルモ・ブリト・プロモーター主導で第1戦と同じ日本製グローブを要求してきたという。

 「ウイニングは非常によくできているので、メキシコでもそれで練習してきた。レイジェスは衝撃が伝わりやすく、今回のようにKOパンチャー同士では初回で決まってしまう可能性がある」と同プロモーター。譲る気配はなかった。

 実は、山中はネリ陣営がレイジェスを選択すると予想し、慣れるため約1カ月間、練習でも使用してきた。ネリ陣営は、それを承知で揺さぶりをかけているようだ。一方、山中はこれまで13度の防衛戦は全てウイニングだった。「どうなるか気になりますよ」と山中。ウイニング社は急きょ対応し、28日にロゴ入りの試合用グローブを間に合わせる予定。決着は28日のルールミーティング後となるが、宿命の再戦は戦前から激しい神経戦の様相を呈してきた。 (藤本敏和)

 

この記事を印刷する

中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ