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 楽天の三木谷浩史会長兼社長が2018年2月27日(現地時間)、モバイル関連で世界最大規模の展示会「MWC2018」の基調講演で携帯電話事業参入の狙いを語った。ECや金融といった既存事業の顧客を生かしつつ、ポイント制度を暗号通貨に置き換えるなどしてユーザーを呼び込む構えだ。

楽天の三木谷浩史会長兼社長
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 三木谷氏は、MWC2018開催2日目の基調講演「The Foundations of The Digital Economy」に登壇。まずスペイン・バルセロナの会場に集った各国の来場者に、ECや金融、MVNOなどを手がける楽天グループの現状を紹介した。

楽天が手がける事業の多くが国内シェア1位だとアピール
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 ECサイト楽天市場のモバイル経由のアクセスが9割に近い現状を伝えたうえで、三木谷氏は「昨日、日本政府に周波数帯の取得を申請した。ゲームチェンジャーとしてモバイル関連企業の定石になるだろう」と携帯電話事業への参入を宣言した。さらに通信事業者とコンテンツプロバイダーの垂直統合による競争が激しくなっている現状に触れ、通信事業はデジタルビジネスにとって「コモディティ(当たり前)」になると予測した。

携帯電話事業者(MNO)になる挑戦者と宣言
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 海外事業の紹介では、電子書籍ストア/端末の「kobo」や欧州ではなじみ深いメッセージングアプリの「Viber」をグローバルに強い事業として挙げた。今後ユーザーを呼び込む施策としては、ブロックチェーン技術を使う暗号通貨「Rakuten COIN(楽天コイン)」構想を披露。楽天スーパーポイントの流通をブロックチェーン技術で置き換えるという。三木谷氏は同社のIDとポイント制度を統合する意向を示して講演を締めくくった。