みほ「ダージリン様？ジャスミンこと西住みほ。ただいま、来ました。」

みほはダージリンに呼ばれダージリンの部屋へとやってきた。

ダージリン「みほさん。いらっしゃい。丁度ペコとドアーズが美味しい紅茶を入れてくれたわ。」

オレンジ・ペコ「恐縮です。」

梓(ドアーズ)「ダージリン様。私なんかが本当に紅茶の名前を頂いて宜しいのでしょうか？」

ダージリン「何を言ってるの？梓さん。貴方はペコに負けないくらいのものを持っているわ。それにいまは素晴らしい部隊長の元で己を磨いてる。そうでしょう？」

梓(ドアーズ)「は、はい！！」

みほ「そ、そんな///私なんて、そんな立派なものじゃ///それにここに立って逃げる様にきてしまって・・・・」

ダージリン「こんな言葉をご存知？」

みほ「え？」

ダージリン「いまだかつて、敵をつくったことのないような人間は、決して友を持つことはない。」

オレンジペコ「19世紀イギリスの詩人、テニスンの言葉ですね。」

梓(ドアーズ)「つまり、どう言うことですか？」

ダージリン「うふふ。」

オレンジペコ「あまり意味はないんだと思います」

梓(ドアーズ)「え〜〜〜」

みほ「あははは(汗)」

いつも何を考えているのかいまいち掴めないダージリン言いたいことはなんとなく分かった。な展開が多いことには流石のみほも苦い笑浮かべる

そんな時だった

ドドドドドドドドドドドド

と何やらうるさい足音が聞こえる

ローズヒップ「ダージリン様！大変でございますわ！！」
秋山優花里「ジャスミン殿！大変であります！！」

バンッとドアを開けて2人が入ってくる

聖グロ一の俊足と聖グロ一の戦車オタク。このコンビ。ダージリンとみほをそれぞれ敬愛していることから忠犬コンビなんて言われている

ダージリン「あら、ローズヒップにグデーリアン。何があったのかしら？」

アッサム「あなた達！お行儀悪くてよーーーー！！」

ダージリンに説明を入れる前にアッサムの説教を食らう2人であった

〜10分後〜

オレンジペコ「黒森峰が練習試合？？」

優花里(グデーリアン)「はい。結構一方的な申し込みみたいで」

みほ「黒森峰…….」

梓「隊長。顔色が優れません。大丈夫ですか？」

みほ「う….うん。私は、大丈夫」

ダージリン「勿論。我々はどんな戦いでも受けて立ちますわ。」

こうしてみほが転校してきて初めて黒森峰戦が幕を開けようとしていた。

そして練習試合前日・・・・・

ダージリン「みほさん。大丈夫よ。」

その夜みほは自分でもわからないままダージリンと一緒に寝ていた

みほ「！？///」

みほ自身何がどうなっているのかわからない。黒森峰との試合と聞いて怖くなっていたらダージリンの言われるがままにされていつの間にかダージリンに抱きしめられながら布団に入っていた。

ダージリン「大丈夫よ。貴方はうちのクルセイダー部隊の部隊長。今ではクルセイダーの部隊はみんな貴方を隊長と呼び慕っているわ。いつものように聖グロリアーナらしい戦いを見せてげましょう。」

みほ「・・・・はい///」

みほはダージリンの胸の中で静かに眠りについた。

そして練習試合の日はやってきた

黒森峰の様子がいつにも増してピリピリしているようにみほは感じた
　
その整列している生徒の中に、みほにとってはある意味まほよりも顔を合わせづらい人物である逸見エリカがいた。エリカはみほに向かって鋭い視線を投げかけてくる。みほはそんなエリカを直視できず、目をそらしてうつむいてしまう。何かを感じたのかローズヒップとルクリリはみほを守るようにみほの少し前に立った
　
ルクリリ 「怖い顔でこちらをにらんでくるかたがいますわね」

ローズヒップ「本当ですわ。ルクリリ」

優花里(グデーリアン)「あの人。逸見エリカさんです。」

梓(ドアーズ)「あの人が！？」

エリカがみほに敵視していたのはアッサムが調べ上げ知っている事だったのでクルセイダー部隊にとって彼女には良いイメージがどうしても出てこないのだ。

かと思いきやエリカはみほに近づく

エリカ「みほ、お嬢様と馴れあう生活は楽しい？　西住流から逃げて無駄な時間を過ごしてるあなたは、一体どれだけ弱くなったのでしょうね？」

もう完全にOUTだ。ギルティだ。ここまで来るといっそ清々しいと言えるだろう。この一言でクルセイダー部隊からは「あいつは敵だ！」と認識した。

『恋と戦争では手段を選ばない』

かつてダージリンが発したこの一言を思い出した。とりあえず彼女は絶対クルセイダー部隊で倒すと言う結論に行ったのだが無論みほはそんなこと知らない。

その証拠に

エリカ「何よ？あんた達！？」

みほの周りにはクルセイダー部隊が大集合していた

エルヴィン「ジャスミン隊長。大丈夫ですか？」

エルヴィンの声が上がると他からも

沙織「あんた。昔のチームメイトのくせにそんな言葉しか出てこないの！？」

バニラ「うちのジャスミンを侮辱した罪は重いわよ」

エリカ「なぁにがジャスミンよ。そんな偽りの名前に隠れてる裏切り者にかける言葉なんてないわよ。強いていうならまだ戦車道やってたの？ってことぐらいかしら」

優花里(グデーリアン)「お言葉ですがあの時の西住殿の行動は間違っていません」

おりょう「それじゃここ聖グロにいる名のある戦車乗り全ての人を侮辱するの同意だぞ。」

左衛門座「無論、そんな事をされて黙っている我々ではない。」

エリカ「部外者は黙ってなさい！」

麻子「何を言う。西住さんのチーム。しかも同じ部隊だ。これを部外者というわけがないだろう」

華「みほさんは私たちの部隊長です。貴方がそれをバカにする権利なんてありません」

エリカ「まぁいいわ。叩き潰してあげる」

カエサル「その言葉そのまま返してあげる」

そして試合が始まった。

試合の結果は時間経過による引き分け

どちらのフラッグとも撃破されないまま終わっていた

しかしそんな結果よりも恐ろしいことは聖グロが終始戦況を有利に進めていたということだ。まだお互いに全ての戦略をさらけ出してはいないだろうがそれでも黒森峰が追い詰められていたことは素人の目から見てもわかることだった。

おまけに隊長のダージリンに至っては終始余裕の表でまほを見るなんて姿が何回か見られたしかもその時には決まってみほがダージリンの盾になっているというそんな姿だった

ちなみの副隊長であるエリカはみほを残す他のクルセイダー部隊にやられていた。その時クルセイダー部隊全員が「いえーい！」といった声が聞こえたとか聞こえなかったとか。真実は定かではない。

まほ「いい試合をさせてもらった。」

ダージリン「ええ。続きは公式戦で行いましょう。」

試合後のティータイム。みほはクルセイダー部隊のメンバーと楽しく談笑していた。ローズヒップが暴走しそうになってたり、ルクリリ がそれを止めようとして逆に紅茶を頭びぶっかけられローズヒップをお追いかけそれを止めようとしたみほがこけたローズヒップの下敷きになりついでにルクリリもそれにのっかり目を回すみほとそれを慌てて救出するメンバー。そしてアッサムの説教を食らうローズヒップとルクリリ

そんな姿を遠くから見ているのは彼女の姉。西住まほだ。

（みほも楽しそうに笑っている。みほのあんな姿を見るのは久しぶりだ）

まほ自身はどこか複雑そうにみほとみほの友達を眺めていた

ダージリン「あら、『私の』ジャスミンに何か話でもあるの？まほさん？」

まほ「・・・・いや、何でもない。」

そう言ってまほは自分の隊に戻ろうとした

ダージリン「そうだ、まほさん。こんな格言をご存知？」

それをダージリンが不敵な笑みを浮かべながら引き止める

まほ「何？」

ダージリン「まずはドイツの詩人、ゲーテの言葉ですわ。『憎しみは積極的な不満で、嫉妬は消極的な不満である。したがって、嫉妬がすぐに憎しみに変わっても不思議はない』」

まほ「……何が言いたい」
　
　まほはダージリンのほうに顔を向ける。その視線はとても鋭く、ダージリンの隣に座るオレンジペコはビクッと硬直してしまう。しかし、まほに視線を向けられた当人であるダージリンは平然とした様子で話を続けた。
　
ダージリン「まだまだありますわよ。次は英国の劇作家、シェイクスピアの言葉ですわ。『嫉妬は、自分で生まれて自分で育つ、化け物でございます』」　

まほ「やめろ」
　
まほの声に含まれるむき出しの憤怒。ただならぬ雰囲気にオレンジペコもいつのまにか、みほたちがいる方へ逃げてしまう。
　
ダージリン「これで最後にいたしますわ。最後は古代ギリシアの哲学者、ソクラテスの言葉をまほさんに贈ります。『ねたみは魂の腐敗である』」

まほ「やめろと言ってるだろっ！」

ダージリン「でも、先に手放したのはあなた方ですわ」

まほ「・・・・お前が…….みほをそそのかしんただろ？」

まほは怒りをむき出しにしてダージリンに言う

ダージリン「私はただ手を差し伸べただけ。ジャスミンはそんな私の手を握ってくれた。それだけのこと。あの子の強さを一番近くで見ていながらどうしてあなたは何もしなかったの？」

まほ「！！」

ダージリン「見てごらんなさい。あの子を慕うものはここにはこんなにいるし、あなたのチームにもあなたを思っていた人はいたみたいよ」

まほ「何だと….」

気がつくと黒森峰の制服の人も何人か集まり聖グロチームの面々とお茶を楽しんでいた

特に「あの試合」で助けられた赤星小梅はみほが戦車道をやっている事に安心して喜んでいた。

まほは知らなかった。みほを慕うものは黒森峰にも存在していた事に！

そのまま聖グロと黒森峰はそろぞれの学園艦に帰って行った。しかし、この練習試合と全国大会が後に大事件へと発展するなどとこの時のジャスミンは知る由もなかった。

クルセイダー部隊
部隊長車　西住みほ　車長・通信手　ローズヒップ　操縦手　五十鈴華　装填・砲手

１号車　澤梓　車長・通信手　　　グランベリー　装填・砲手　阪口桂里奈　操縦手

２合車　秋山優花里　車長・砲手　大野あや　操縦手　エルヴィン　装填手・通信手

３合車　武部沙織　車長・通信手　冷泉麻子　操縦手　山郷あゆみ　装填・砲手　

４合車　カエサル　車長・通信手　左衛門座　装填・砲手　おりょう　操縦手

５合車　バニラ　車長・通信手　丸山紗希　操縦手　　宇津木優季　装填手・砲手

基本的にみほがダージリンの話を聞いた後に全体的に指示を出す。みほは自由にやらせる事が多いが必要な指示は必ず出す。優花里と協力して作戦を考え指示を出すことも多くある。

ローズヒップと桂里奈が中でもスピード狂。しかしみほは逆にそれを生かして撹乱する作戦も行う。

みほとローズヒップには紅茶の名前が存在しているが、歴女チームはこれを拒否。自分のソウルネームがあるから。