仮想通貨交換会社コインチェック(東京・渋谷)から約580億円分の仮想通貨NEM(ネム)が流出した数日前、同社のシステムから欧米のサーバーに向けて不審な通信が複数回あったことが27日、捜査関係者への取材で分かった。NEM流出の原因となった可能性もあり、警視庁は調べを進めている。
捜査関係者によると、流出が始まった1月26日の数日前、欧米のサーバーから同社のシステムに対し不審な接続が複数回あり、ほぼ同時期に社外に向けた通信があった。システムはNEMの取引に必要な「秘密鍵」という暗号を管理していたとみられ、通常は外部サーバーに接続されることはないという。外部への通信によってこうした情報が流出に関与した人物の手に渡った可能性がある。
警視庁は海外の捜査機関を通じて発信元の情報を照会するなど不正アクセス禁止法違反容疑を視野に捜査を進めている。