日本は食の安全に厳しく、店頭に並ぶ商品に対して高い基準を設けている。厚生労働省が食品ごとに農薬などの残留基準を設定しており、基準値を超えたものが販売されないようになっている。そんな安全に厳しい日本が、単位面積当たりの農薬使用量では世界的に上位だというのは意外である。中国メディアの今日頭条は24日、日本の単位面積当たりの農薬使用量は多いのに、どうして日本の野菜には農薬が残留していないのかと題する記事を掲載した。
日本の単位面積当たりの農薬使用量が多いのは、各国で生産されている作物が違っていることも要因であり、同じ作物で比較すれば日本の農薬使用量は決して多いわけではない。記事は日本の単位面積当たりの農薬使用量が多いのには理由があり、それを知るとむしろ中国も日本から学べる点があると指摘した。単純に農薬の使用量を全耕作面積で割ったこの比較では、日本における使用量は米国などに比べて多いことになる。記事はこれを、日本が「農地集約型」だからだとした。土地が少ない日本では、ビニールハウスで栽培するなど少ない土地をうまく利用し、収穫量を上げる工夫が必要になるが、そのぶん農地集約型には農薬が必要になるというわけだ。
しかし、日本では農薬を乱用しないための取り組みが見られるという。例えば、日本では店頭に並ぶ野菜にはひとつひとつがきれい包装され、品名、産地、出荷日、生産者名などが明記されている。そのため、市場に出回る前の検査で農薬が基準値を超えているなど、なにか問題があればすぐに生産元を調べることができる。
また、農薬の使用に際しては、農薬管理法で細かく定められている。そのうえ、農薬使用者に対して、農薬を適正に使用するよう助言・指導を行う「農薬管理指導士」もいる。これは、研修と試験を経て初めて認定されるもので、中国のように、農家が個人の判断で自由に農薬を使うことはできない仕組みになっていると記事は感心している。それで、日本の農産物が世界で強い競争力を持っているのも理解できると記事は称賛し、「我々も謙虚に学ばなければならない」とした。
このように、単純に数字で見れば農薬の使用が多い日本だが、実は食の安全を守るために多くの取り組みがされている。中国では農薬に関する知識もあまりないままむやみに使用する傾向があり、安全面では多々不安がある。ぜひとも日本の方式を取り入れてもらいたいものである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国と違って「なぜ日本の野菜には農薬が残留していないのか」=中国メディア
2018-02-27 11:12
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