どうしてもトイレに行きたくて、ほんのちょっと停めてただけなんですよ…。
日常で車を運転する方には、こんな気持ちがお分かりになるのではないでしょうか。もちろん駐車違反はいけないことですが、時に絶望感を味わってしまうのも事実です。
IBMが運営するWebメディアMugendai(無限大)に、そんな納得のいかない違反にAIで対抗する青年が登場していました。一体どういうことなんでしょうか…?
主人公は、ジョシュア・バウワーさんというイギリスに住む19歳の大学生。何でもイギリスは路上駐車の取り締まりが厳しく、時には駐車違反の標識が隠れて見えにくい場所でも、容赦なく取り締まられてしまうのだそう。
中にはそういった場所でわざと待ち伏せする取締官もいるそうで、ドライバーとしては理不尽に感じてしまうのも分かる気がします。
実はイギリスでは、違反切符を切られても不服の申し立てができ、認められれば罰金を支払う必要はなくなります。しかし、申し立てに必要な嘆願書の作成には法律的な知識が必要で素人には難しく、申請しても却下されてしまうことが多いのだそうです。
そんな折、1年間で数十枚の駐車違反チケットを切られた(多くない?)というジョシュアさんが開発したのが「DoNotPay」。サービス名に強い意志が感じられるのは私だけでしょうか。
これはいわゆるチャットボットで、簡単な質問に答えるだけでボットが過去の判例を検索したり、Google Mapで違反キップを切られた場所を探してくれるなど、嘆願書作成を支援してくれるボットだそう。
実際、DoNotPayはすでに25万件利用され、何と16万件もの違反切符の撤回に成功したそうですよ。開発には、IBMコグニティブ技術であるWatsonが活用されており、Watson APIの組み込みによって情報解析の精度は30%もアップしたそうです。
もちろん駐車違反はいけないことですが、異議申し立てが認められる社会も健全です。「弁護士ボット」の開発秘話の詳細は、Mugendai(無限大)よりぜひお楽しみください。
Image: Mugendai(無限大)
Source: Mugendai(無限大)
(渡邊徹則)