「訓練通りに行動」 フロリダ高校乱射で辞職の警官、批判に反論
米フロリダ州の高校で17人が死亡した銃乱射事件で、建物の中に入り犯行を阻止しようとしなかったとして批判され、辞職した学校専従の警官が26日、弁護士を通じて批判に反論した。ドナルド・トランプ米大統領は、警官を臆病者だと批判している。
スコット・ピーターソン元警官の弁護士、ジョセフ・ディルッゾ氏はピーターソン氏が校舎の外にいたのは発砲現場が外だと判断したからだと声明文で述べた。ピーターソン氏は訓練通りに避難し、学校の敷地を封鎖したという。
ディルッゾ弁護士は、ピーターソン氏が臆病者だったと批判するのは「明らかに事実と違う」と述べた。
警官として長年勤務し、事件が起きたマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校に配属されていたピーターソン氏は、地元ブラワード郡のスコット・イスラエル保安官によって無給の停職処分を受けた後、先週辞職した。
イスラエル保安官は、事件当時の現場を撮影した映像を見た後、「非常に衝撃を受けた」、「胸がむかつく」と語っていた。
しかしディルッゾ弁護士は、イスラエル保安官による判断は「性急」で、ピーターソン氏の行動について「良くても、事実を単純化しすぎている」と非難した。
「物陰に隠れるよう訓練」
ピーターソン氏によると、最初は「爆竹だと通報を受けた」。音の方向へ走り初めて、銃声だと気が付いたという。
ディルッゾ弁護士によると、ブラワード保安官事務所は、外で発砲があった際には物陰に隠れて状況を判断するようピーターソン氏を訓練していた。
訓練通りに行動したピーターソン氏は、銃声が聞こえたと保安官事務所に報告し、学校の敷地を封鎖する「厳戒警報」を発動させたという。
警官たちが到着した際、ピーターソン氏は銃撃犯が外にいると報告している。「フットボール場周辺で銃撃された人がいるとの無線連絡」が、その根拠だったという。
ディルッゾ弁護士は文書で、「はっきりさせておきたい。ピーターソン氏はあの日、17人が不慮の死を迎えるのを自分が防げていれば良かったのにと思っている。そして、悲しむ遺族に同情している。しかし、ピーターソン氏が臆病者で、あの状況下で彼が取った対応が警官としての行動基準を満たしていなかったというのは、明らかに事実と違う」と主張した。
トランプ氏は警官を強く批判
ピーターソン氏の弁護士による反論に先立ち、トランプ大統領は、もし自分が居合わせたら武器を持っていなくても、校内に走っていったはずだと述べていた。
26日にホワイトハウスで各州知事と面会したトランプ大統領は、「武器を持っていなくても、走っていったと本当に思う」と語った。
トランプ氏はさらに、14日の事件で警官らが容疑者を阻止しようとしなかったのは「はっきり言って、最低だ」と述べた。
報道によると、現場に到着した3人の警官が、発砲が続くなかで銃を構えながらも校舎内に入らなかったとみられる。ブラワード郡保安官事務所は、理由について調べている。
トランプ氏はこの警官たちも批判し、「名誉勲章がもらえるようなやつらじゃない」と語った。名誉勲章は、米軍人の勇気ある行動に与えられる。
(英語記事 Florida school shooting: Officer Scot Peterson defends actions)