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自分が患者なら…医師の25%が抗がん剤に消極的
自分が進行がん患者だったら抗がん剤治療を受けるか――。そんな質問に対し、医師と薬剤師の4人に1人が消極的という調査結果を、大森赤十字病院(東京都大田区)の佐々木慎・外科部長がまとめた。
抗がん剤は、再発や他の臓器への転移がある進行がん患者の標準治療だが、効果や副作用に課題があるだけに、医療関係者の本音が表れた形だ。
調査は昨年、同病院に加え東京都と神奈川県でがん治療を手がける大規模病院計5施設を対象に実施。胃がん患者になったと仮定した場合の抗がん剤治療に対する考え方などについてアンケートした。医師53人、薬剤師29人の計82人が回答した。
自分が進行がん患者だったら「受けたくない」「限定的なら受けても良い」と消極的な回答をしたのは21人で25・6%。理由として「根治しない」「時間が無駄」「延命を望まない」「副作用がつらい」ことを挙げた。
1人を除く全員が、ふだんは専門家として患者に抗がん剤を勧めており、その理由は「効果が得られる」「仕事だから」といったものが目立った。
佐々木部長は「抗がん剤は効果や副作用に個人差が大きい。患者の状況や目的に合わせて使い方を考えることが大切」としている。