“山手線、お借りします。 東京造形大学”
そんな電車の車体ポスターを横目に山手線に乗り込むと、車内には数々のアート作品が。
まるでアートミュージアムのような空間に、居心地のよさを感じた人も多いのではないでしょうか。
東京造形大学は2018年2月17日(土)〜2018年2月28日(水)まで、同大学の学生が手掛けたアート作品を山手線内に展示する『山手線グラフィック展』を開催しています。
山手線車内の展示風景/ 東京造形大学
通常は広告が掲載されている中吊りやドア横、まど上ポスターなどの場所に、学生たちのパワー溢れる作品がずらりと約300点並んでいます。
『山手線グラフィック展』について、東京造形大学に話を伺いました。
TOKYOを見つめ直し、省みる良いタイミング
なぜ、山手線を展示場に選んだのでしょうか。
既存の美術館やギャラリーという受動的な場所より、もっと能動的に学生が社会へ強くアピールできる場として選びました。
展示されている作品は、すべて「TOKYO」をテーマに制作されています。
今、世界がTOKYOに注目しています。デザイン先進都市TOKYOは、建築、広告、商品、食など、多様な文化を育んできました。
私たちも改めてTOKYOを見つめ直し、省みる良いタイミングです。TOKYOを行き交う人々に、見たことや感じたことのないTOKYOに触れ、TOKYOの魅力を再発見してほしい。そんな気持ちでテーマを設定しました。
自由応募の中から厳選された作品たち
学生の作品がすべて山手線に展示されているわけではありません。
学内で自由応募を募り、選考を行った上で、展示作品を決定しました。尚、授業の課題として応募を募ったのは3年生のみです。その他の学部1、2、4年生、大学院生は自由応募の作品です。
展示作品には、グラフィックやドローイング、写真の他に、トレインチャンネルを使った映像作品もあります。
山手線グラフィック展 展示作品/ 東京造形大学
山手線グラフィック展 展示作品/ 東京造形大学
山手線グラフィック展 展示作品/ 東京造形大学
トレインチャンネルを使った映像作品/東京造形大学
学生たちの瑞々しい感性で表現されたTOKYOを一堂に集めた空間となっています。
スマホや読書から離れて、TOKYOを見つめ直して
学生たちの作品に出会ったら、どのように楽しめば良いのでしょうか。
乗客の皆さまには、スマホや読書から離れていただき、各々の立場で学生が表現している「TOKYO」を見つめ直していただければ嬉しいです。
「美術館に来たような感覚になれる空間になったと思います」そう語る通り、乗客にとって、通勤通学時間がつかの間の癒やしタイムに変わる素敵なプロジェクト。
東京の中心を走る山手線、その中に並ぶ若者たちの「TOKYO」は、忘れかけていたものを思い出させてくれそうです。