社会地下鉄「さかえまち」? 名古屋・栄駅の表示付け替えで発見名古屋市営地下鉄の駅で駅名や路線図、出入り口の方向などの表示板が新しいデザインに変わる。初めて乗る人や増えつつある外国人旅行者にも一目で分かるようにするためだ。昨年末から順次付け替え作業が始まったが、中区の栄駅では思わぬ「歴史遺産」も見つかった。 通勤通学客が行き交う栄駅の名城線ホーム。市役所駅寄りの端に立ち止まった女性会社員が首をかしげた。「栄に『町』は付かないですよね…」。柱に埋め込まれた駅名板に、時代を感じさせる書体で「さかえまち」とあったからだ。 1957(昭和32)年の東山線開業時は「栄町」駅だったのを、66年に「栄」駅に改称した。表示板の付け替え作業で古いものをはがしたところ、下から半世紀前の名残が現れたというわけだ。「残っていることを忘れていました」と市交通局経営企画課の伊藤洋一さん(43)。「歴史を感じてうれしくなりましたが、混乱を生んではいけないので」と、3月5日ごろには新しい表示板で覆ってしまうという。 表示板の新デザインでは馬てい形の中に東山線の「H」、名城線の「M」などアルファベット1文字を入れた「路線シンボル」を新たに作った。東山線が黄、名城線が紫など色だけで路線を区別した従来の表示では判断しにくい色覚障害者への配慮の意味もある。 市内を環状に走る名城線用に矢印を使った「左回り」「右回り」の記号も新設。改札口の表示は、これまでの黒地に白の文字から、より見やすい黄色地に黒に変えた。地上への出口などへの主な動線の案内板には従来の英語、ハングル、中国語の簡体字に加え、台湾や香港で使われる繁体字を増やした。 栄駅の表示板は全部合わせると1000カ所以上あり、来年3月までに付け替え作業を終える予定。地下鉄の全87駅のうち、名鉄が管理する駅を除く85駅でも順次作業を進める。 (中日新聞)
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