荒木飛呂彦先生が描く「ジョジョの奇妙な冒険」第4部のキャラクター「岸辺露伴」を知っていますか?
岸辺露伴が主人公の短編漫画シリーズ「岸辺露伴は動かない」のエピソード10が、「週刊少年ジャンプ 2018年 2月 26日号」に読み切りとして、掲載されました。
普段ジャンプを買わない方も、HUNTER×HUNTERと荒木作品が掲載されているこの号は、買うしかないですね(主観)
今回のエピソードも岸辺露伴が、奇妙な人物と出会い、その人物との戦いが描かれています。
エピソード10「ザ・ラン」の見所
いやあ、このシリーズもついにエピソード10まできたんですね。
露伴先生が毎回危険なことをやりまくっていますけど、よく生き残っているな、という感じです。
このシリーズは、露伴という好奇心旺盛な人が色々なイベントに巻き込まれるという「目的」がない「受動的」な話ばかりです。
今回も、ジム通いの筋肉を崇拝するモデルの青年との戦いに巻き込まれます。
プロローグ
スイッチを奪い合う謎のアクションシーンから物語が始まります。
そして、露伴の独白。
「このいきさつは、エピソード10ザ・ランで」
実際の漫画(エピソード10)の中で、エピソード10を紹介するというやり方。
いやー、いいですね〜!!
もうこのシーンだけで、ジョジョファンならびに映画が好きな方は気にいるはず。
「事件があったけど、それに打ち勝った人の話」という入りは、読者の興味をそそります。タイタニックしかり。
久々の読み切りだから、ジョジョファンを知らない人に向けての配慮でもあるかもしれませんね。
「ファイト・クラブ」のブラピーッみたいだわ
パンチのあるセリフです、ジョジョを読んでいる感じが心地よいッ!!
ファイトクラブのころのブラッドピットは体脂肪率5%くらいだったらしいですね。それをモチーフにしたっぽい。
筋肉の細かい形の描写があるところもいいですね、全くよくわからないですけど。
謎の青年は筋肉をつけるため、賃貸マンションの外側をボルダリングができる環境に変えてしまいます。
これは、私は誤読していました。てっきり、
を持っている人物だと思い込んでいました。
そんなことはなかったです(笑)
公正の下でなければ人は成長しない
今回の敵キャラの青年は、彼女のお金を盗むダメ野郎なんですが、勝負の哲学はしっかりと持っていました。
競争はどんな世界だろうと常にあるッ!
だから「公正」さは必要だ「公正」の下でなければ人は成長しない
これで「公正」になったぞ…
リモコンを素早く取った方が完璧な勝利とわかる!
後日 恨みが残ったりしてはいけない
再戦とは勝敗をキッチリと決める事!
…そうだろう?
格好良いですね〜。公正な勝負こそ人を成長させると。
ただ、会社社会の中で生きている私としては、「公正な勝負なんてなかなかないよね」とも思います。
スポーツの世界などであれば「公正」に近い状況は作れます。
今回も同様に、セッティングされた「競争の舞台」というだけの話かもしれませんね。
その勝ち方はどうなんだ、露伴
スタンド「ヘブンズドアー」というほぼ無敵の能力を持つ露伴が主人公だからこそ、このシリーズは幅があり、色々なテーマを扱えています。
各作品とも、このような流れで構成されています。
- 未知との遭遇
- 窮地に陥る
- 精神力と知恵で切り抜ける
最後の解決シーン「3.精神力と知恵で切り抜ける」ですが、ヘブンズドアーが万能すぎて、なんともでもできてしまうのが欠点とも言えます。
今回の話でも、「相手を認めて、勝利は譲りつつも、危険を逃れた」状態です。
この解決の方向性にするのには、漫画の作中で描かれている方法でなくても、色々とありますよね。
だから敵に勝つシーンにカタルシスがなく、「あ、そうすか」という感想でした。
そのあとの、筋肉の神様うんぬんのシーンが意味不明で楽しかったので、気になりませんでしたけど。
吐き気を催す邪悪リターンズ
結局この青年は、ある種の「哲学」は持っているものの、ジョジョの文脈に言わせれば完全な「悪」と言えるでしょう。
ジョジョ5部でブローノ・ブチャラティが言ったセリフを思い出しますね。
吐き気をもよおす『邪悪』とはッ!
なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ……!!
自分の利益だけのために利用する事だ…
そう、自分の利益のために、相手に害を与えることは「悪」なのです。
今回の青年も、自身の些細な利益のために、多くの人を殺害する完全な悪です。
そんな大切な道徳を教えてくれる教養漫画ジョジョは、ディ・モールトベネ!!!(非常に良しッ!!!)
まとめ
以上『【岸辺露伴は動かない】エピソード10「ザ・ラン」はジャンプを買って読むべき』というお話でした。
色々と言いましたけど、ひところで言えば「最高」としかいえないですね。
ちなみに、今週号のハンターハンターでも筋肉ネタがふんだんでした。まさかの筋肉かぶり。この偉大な作家2人が筋肉ネタを書いたことが影響して、来週のジャンプ作品は筋肉祭りになることを期待します。