出版科学研究所は26日、2017年に電子化された漫画の単行本の市場規模(推定)が1711億円となり、初めて紙の漫画単行本(1666億円)を上回ったと発表した。電子の漫画本は値引きキャンペーンなどによって過去作品を中心に伸びている。ただ、紙の落ち込みが大きく、電子と合わせた漫画の単行本市場は3377億円と16年比0.9%減った。
17年の紙の漫画単行本は16年比14.4%減った。マイナス幅としては過去最大という。大ヒット作の完結やそれに代わる新たなヒット作の不在、電子へのシフトが響いた。漫画誌と合わせた紙の漫画の市場規模は2583億円で16年比12.8%減った。マイナスは16年連続だ。
電子の漫画単行本は16年比17.2%増えたが、伸び率は鈍化している。無料で読める作品の増加のほか、違法海賊版サイトの影響もあるようだ。電子の漫画誌は36億円と16.1%増。単行本と雑誌を合わせた電子の漫画市場は1747億円と17.2%増となった。
電子と紙を合わせた漫画全体の市場規模は4330億円と16年比2.8%減った。電子の漫画は伸びてはいるが、紙の落ち込みをカバーしきれていない。