米国防大学の上席研究員のトーマス・ハメス氏は「空軍の民主化」と題した2016年10月の論説で次のように述べている。

「30グラムの自己鍛造弾(EFP)は1.3センチの装甲板を貫通する。上から攻撃すれば、ほとんどの装甲車両を貫通できるだろう。しかも、GoProのようなカメラ付きなので、照準も容易だ。最近まで、EFP製造には精密機械加工が必要だったが、今や1000ドル以下の3Dプリンターで可能だ。これは、非国家主体が爆撃機を手に入れたに等しい。

 今やEFPは、燃料車や弾薬車、航空機を破壊して大爆発を起こしたり、レーダー、通信センター、指導者などを破壊することも可能である。我々は、動かないIED(仕掛け爆弾)を効率的に除去することに10年以上かかっているが、そのIEDが今度は空を飛び出したのである」

ドローンは鉄砲の再来に等しい

 筆者は、こうした民生ドローンの軍事転用は「鉄砲の再来」に等しいと考えている。

 民生ドローンや自爆ドローンよりも、迫撃砲のような在来の砲迫の方が優秀だと見る向きもあるかもしれない。確かにこれらの兵器は段違いの火薬量を叩き込めるし、熟練した兵士であれば高い性能を発揮できるだろう。