大人気!働く人達を魅了する『ワークマン』が売れてる理由
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ビジネス
先日(2/22)、私が毎週欠かさず視聴しているテレビ東京系列の冠番組「カンブリア宮殿」が、働く人の衣料チェーン「ワークマン」の特集を放送していました。私もよく愛用しているお店で興味があったので観てみると、何故いつも賑わっていて、巷で話題になっている商品が品切れ続出になるのか理由が分かりました。そこで、「ワークマン」に敬意を表してこのブログでも番組で紹介された内容を簡単にお伝えしたいと思います。
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「カンブリア宮殿」はこんな番組
ご存じの方も多いと思いますが、この番組のコンセプトは「ニュースが伝えない日本経済」ということで、今、成長している企業の社長を番組に迎え、司会の村上龍さんと小池栄子さんとのトークショーを放送している番組です。今回は、ワークマンの栗山清治社長が登場しました。
まず「ワークマン」について簡単に紹介したいと思います。
ワークマンは創業1979年で、本部は群馬県高崎市にあり、従業数が2017年3月末時点で243名の企業になります。1997年にはJASDAQに上場しており、2017年3月期の売上高が742億円と6期連続増収増益を続けている超優良企業なのです。ちなみに、ワークマンは群馬県の巨大流通企業ベイシアグループの一員で、ホームセンターのカインズホームも傘下に名を連ねる巨大企業集団です。
「ワークマン」の経営理念はHPに下記のように記されています。
ワークマンの企業としての社会的なミッションは「働く人に、便利さ」 をお届けすることです。当社は働く人のために、高機能、高品質でありながらできるだけ低価格にした商品を販売しています。製造小売業(SPA)をめざす当社の自社製品比率は25%を突破して、プロのお客様の過酷な使用環境に耐えるプロ品質と高い機能をもつ製品を開発しています。また、専門店としての幅広い品揃えと値札を見ないでお買い上げ頂ける安心の低価格で、働くお客様にとって便利な専門店チェーンを実現します。
引用元:https://www.workman.co.jp/company_info/
現在の「ワークマン」の店舗数は
全国に816店舗を展開する一大チェーンのワークマンですが、店舗数で比較されるのがユニクロです。ユニクロの2017年11月末時点ので国内店舗数は833店舗だそうで、大差ない規模で運営されていることが分かります。ちなみに売上高はまだまだユニクロの域まで達していないのが現状です。
ちなみに、ユニクロの17年8月期決算は、売上高が前期比4.2%増の1兆8619億円、純利益は前期比2.5倍の1192億円で過去最高益でした。内訳としては、国内ユニクロ事業が「売上高8100億円・営業利益960億円」に対して、海外ユニクロ事業は「売上高7080億円・営業利益730億円」となっています。これで、アメリカのGAPを抜いて世界3位になりました。凄いの一言です。
「カンブリア宮殿」の番組タイトルには、北関東からユニクロを撃墜する衣料チェーン「ワークマン」の秘密に迫る!でしたが、売上高ベースで比較するとまだまだ差はありますね。
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「ワークマン」の商品が大人気の理由
もともとワークマンは、職人向けの衣料品専門店で、一番売れている商品は軍手でした。その軍手は安い物で10組178円(税込)から用意されており、全部で30種類もの軍手をラインナップしています。大工さんから庭いじりの主婦まで大好評です。プロの職人が認める品質とコストパフォーマンスで、今では職人以外にも普段使いにする方々が増えているそうで、また近年は、女性向けの商品も充実しているので女性客も急増しています。全体の3割が女性という客層だそうです。
そんなワークマンで今一番売れている商品というのが、寒い冬に激売れしている、格安の2900円(税込)で買える「防寒ブルゾン(2017年モデル)」です。
この防寒ブルゾンは、昨年10万着も激売れしており、2018年に入っても売れ続けている大ヒット商品で、安い上に暖かく、機能性が優れていて、軽さが約500gで伸縮率が130%もあるストレッチ抜群なブルゾンなんです。カラーラインナップも豊富で、シニア層にも大人気で家族3世代で利用している方もいるそうです。ちなみに、ユニクロのダウンジャケットよりも暖かく、アウトドアメーカーなどで同じような商品を買うと1桁違う価格帯になってしまいます。ワークマンの栗山社長曰く、「作業服でユニクロのダウンジャケットみたいな物ができると、軽くて暖かいので重宝する。どうしても難しいのが安い価格帯にならない点。良い物を使って裂けたら勿体ないので、ワークマンのブルゾンはそういう面でも安心感があり人気がある」とのこと。安くてプロの職人達も認めるワークマン品質の防寒ブルゾンはこれからも売れ続けるでしょうね。
ちなみにこの防寒ブルゾンを筆頭に、機能性プラス格安で急成長を遂げてきたワークマンですが、まだまだ代表する商品やお手頃価格な商品はたくさんあります。安さで言えば手袋1組99円だったり、靴下2足で199円と某100円均一ショップよりも安く、スポーツなどでも着用できるコンプレッションウエアは980円と信じられない価格で購入出来ます。私もスポーツする際や自転車でツーリングする時に着ています。
納得のコストパフォーマンスなので、一度このコンプレッションウエアを試してみて下さい。
また、ワークマンの凄いところは、寒い季節に重宝されているアウターやインナー防寒着のラインナップの多さにあります。釣りやゴルフをする方からバイク乗りまで様々な用途に大人気で、特に売り切れ続出、入手困難なワークマンオリジナル商品の透湿防水防寒スーツ「イージス」は上下セットでたったの6,800円(税込)です。
機能は耐水圧10,000mm、透湿度3,000g/m2 24hもあります。ちなみにナイロン傘の耐水圧は300mmだそうです。この防寒スーツは、テレビや雑誌、特にネット(YouTube)での反響が凄い商品で、私も購入を試みましたが、3店舗探してもありませんでした。その代り、同じような防水防寒スーツを上下セット5,800円(税込)で購入しました。
この防水防寒スーツは、暖かいだけてなくスリムなデザイン性でストレッチ生地を使用しているので動きやすく普段着としても最適で、冬の時期はヘビーローテンションで着ています。
ワークマンが高品質で格安な理由
「カンブリア宮殿」で紹介されていたシーンで、高品質な理由が紹介されていたのですが、商品開発チームがウエア用の材料を選定している場面で、検討している生地一つ一つの摩耗強度を図る検査として、電動サンダー(ヤスリ)を10秒間押し当て、穴が開くかどうかを調べ、ワークマンの商品として適しているかを探し続けていました。素材一つ一つにこだわり、職人の作業服を作り上げているところに感銘を受けました。
ワークマンの栗山社長曰く「毎日使う作業着として、買ってもらえる値段が3,000円前後。そこで、もっと良い物が出来ないかと素材や工場を探して見つけてきた結果の商品になる」とのこと。
ワークマンが増収増益を続けている理由
ワークマンの栗山社長曰く「スタート時からブレずにやってきたのが一番」とのこと。何店舗も同じスタイルの店を作っていくチェーン志向の会社で、同じフォーマットでどれだけ建てられるか。それが継続してできた結果が現在の業績に繋がっているとも言っておられました。
また、「客のために」というグループの考え方で、働く人のために毎日使う物をもっと手頃な価格で出すのが大事。ただ、同じものを売り続けるのではなく、変えていくことも大切。働いている人に「かっこよく」「楽しく」仕事してもらいたい、そういう物をこれからも提供できる会社を目指していく。
増収増益で社員や加盟店に還元する会社の素晴らしさ
ワークマンは業績が順調に推移していることで、来期のベースアップが3%になり、会社が目標としていた社員の年収を5年で100万円アップさせる計画を見事達成させたそうです。そのことが、社員のゆとりある生活やモチベーションをアップさせることに繋がっているところも素晴らし企業だと思います。社会人として羨ましい限りです。
ワークマンの商品が意外な使われ方をして新商品開発に繋がる
ワークマンには厨房専用シューズが3,300円で発売されています。そのシューズはグリップ力が抜群で油ギドギドの床でも滑りにくく、靴底には油を吸わないゴムが使用されています。
その厨房専用シューズが意外な使い方で、意外な人達の間で人気を集めているそうです。その意外な人達とは、子育て中のママや妊婦さん達で、妊娠中や赤ちゃんを抱っこして出かける際、雨の日など水滴が落ちた道を歩くのはすごく危険なので、滑りにくい厨房専用シューズを履くそうです。もともとは、濡れた路面でも滑りにくく安心と、ある主婦がブログで紹介したことがはじまりで、同じような子育てママや妊婦さん達の目に留まり大反響を呼び、全く滑らなくてすごく助かっているという方が続出したそうです。
ちなみに、そのブログがワークマン本部の目にも留まり、新商品の開発に繋がったと番組で紹介されていました。その新商品はマタニティシューズの「ノンスリップシューズ(900円)」で今年3月に発売予定。街中でも履けるようにデザイン性を高めたシューズで、ニッチな市場ですが、消費者ニーズに沿った商品開発の最たるものですね。まさにSNS時代なれではの商品だと思います。
決して順風満帆な業績では無かったワークマンの歴史
2008年9月15日にアメリカの投資銀行が経営破綻して世界的金融危機が発生しました。俗にいうリーマン・ショックです。その煽りを受けて建設不況となり職人達の仕事が減りました。ワークマンも当然のように売上激減したことは言うまでもありません。そんな中、2009年に現社長の栗山清治氏が社長に就任したそうです。就任直後、栗山社長は真っ先に加盟店を心配したと言っていました。不況の煽りでワークマンの商品を買ってくれる職人が減り、更に私の記憶が正しければ2009年は民主党が政権交代により与党になった年でもあります。「コンクリートから人へ」という政策で、公共事業が減り、各民間企業も設備投資を控えていった影響で更なる業績不振に繋がったのではないかと推測します。
当時、栗山社長は「変えないと次は無い」と、職人以外の客層を拡大するために、今までに無い商品を増やしていくことで打開策を模索していきます。そこで、考え出されたのが普段でも着られる防水機能に優れたカラフルなデザインのカッパだったそうです。それもプロ向けの機能性はそのままに。そして、完成したのが防水性・透湿性・伸縮性に優れスポーティーなイメージを打ち出した作業着くさくないカッパ「透湿レインスーツSTRETCH」上下セット4,900円(税込)でした。
但し、当時の加盟店の店長達は本当に一般客向けにレインスーツが売れるのかが不安だったそうです。そこで、栗山社長は今まで着手しなかった店舗改革に乗り出し、店のセンターポジションに設置していた売上ナンバーワンの軍手を移動させ、更に店をガラス張りに変え店内を見える様に改装。そして、新商品「レインスーツSTRETCH」をセンターポジションへ設置しました。すると、明るい店の雰囲気に客が吸い寄せられて商品がドンドン売れたそうです。店長達がビックリするほど突然一気に売り切れになったとのこと。その後は、更なる改革を続けカッコよくて機能性に優れた新製品を作り出し現在の業績へと導いてきました。
今後私が期待したいワークマン商品について
個人的には夫婦揃って大変お世話になっているワークマン。仕事用から普段着、そしてレディース商品の充実。大人には申し分ないのですが、子供用の商品が無いのが残念です。大人が満足するのなら、子供にも需要があると思います。特に防寒着は切に願いますね。小学校は結構薄着なので、インナー防寒着は重宝すると思います。勝手に考えてみましたが、コンセプトは「勉強や遊びに忙しい子供達の味方ワークチルドレン」。どうでしょうか?
まとめ
今回はテレビ番組「カンブリア宮殿」で紹介されていたワークマンに感銘を受けてその素晴らしさを紹介してみました。また、番組の終盤では、熊本の震災で被災者に軍手やタオル、Tシャツを無償提供するなど、東日本大震災を教訓に、在庫から地元の要望に沿った物資を提供する災害支援体制を整えていることも紹介していました。まさに、被災地では軍手やヘルメット、瓦礫を入れる土嚢袋など必需品ですよね。いざと言う時にプロが認めるワークマンは何よりも頼りになります。これからもお世話になります。
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