【バルセロナ=大西綾】韓国サムスン電子は25日、最新のスマートフォン(スマホ)「ギャラクシーS9」を3月16日から販売を始めると発表した。自分の顔から3Dの絵文字を作る機能に加え、カメラの性能を高めた。鈍化の見え始めたスマホ市場での首位の維持を目指す。
サムスン電子でIT&モバイルコミュニケーション部門を統括するDJ・コー氏は「コミュニケーションの方法は電話に限らず多様化している」と話し、「写真を共有したり、絵文字を使ったサービスを使ったりすることも大切になっていく」と述べた。
携帯見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」の開幕に先立ち、今回発表したフラッグシップ機「S9」と「S9プラス」は、人間の目の色を認識して最適な写真に仕上げるほか、撮影した写真の中から自動で最も映りのいい画像を選び出す。スローモーションでの動画の撮影もでき、編集した映像をすぐに友人や知人と共有できる機能もつけた。
S9シリーズは、米アップルの最新スマホ「iPhoneX」を強く意識しているようだ。iPhoneXは、キャラクターを使った3D絵文字や顔を画面に向ければ認証できる「フェースID」が話題になった。
一方、サムスンのS9は自分の顔の表情から3Dの絵文字を作れ、SNS(交流サイト)を通じて友人に送ることができる。スマホの認証には顔と目の虹彩(瞳の色)を組み合わせることで、「セキュリティーの性能がライバルの機種より一段と高まるはず」(サムスン)。ディスプレーのサイズはXと同様に5.8インチで、有機ELを使った。
米IDCによると2017年の世界のスマホ出荷台数は16年比微減の14億7240万台。サムスンのシェアは21.6%と首位を守ったが、中国の華為技術などが猛烈に追い上げている。