仕事やプライベートの時間をやりくりするために、真っ先に削ってしまうのが「睡眠」ではないだろうか。また、年齢とともに、眠りが浅くなったり、目覚めが悪くなったりする人も多いに違いない。もう眠りで悩まないための、ぐっすり睡眠術をお届けしよう。
この連載で紹介してきたものも含めて、世の中には多くの“快眠法”が出回っている。その基本は生活習慣の改善だ。「毎朝決まった時間に起きる」「就寝前4時間以内に食事をしない」「週5日間は運動する」「寝る前にスマホやパソコンを見ない」などなど…。中には簡単なものもあるが、なかなか実行するのは難しいという人も多いのではないだろうか。
「もちろん生活習慣を変えられればベストですが、無理に変えなくても深い眠りは手に入ります」と話すのは、日本快眠協会の代表理事を務めるスリープケアマスターの今枝昌子さんだ。
その方法とは、「寝る前に自分で足の裏をマッサージする」だけ。慣れれば片足30秒ずつ、両足わずか1分間でできるようになるという。どんなに忙しい人でも1日1分なら続けられるだろう。
不眠を訴える人たちの足の裏は硬い
今枝さんはもともとリフレクソロジーを学んでいた。睡眠に目をつけたきっかけは心療内科病院に勤めたこと。そこで出会ったうつ病、適応障害、パニック障害の人たちは9割以上が「眠れない」という悩みを抱えていた。彼らの足の裏を見ているうちに、今枝さんはあることに気づいたという。
「不眠を訴える人たちの足の裏は全員硬く、冷たく、指が縮こまっている。それがリフレクソロジーによって足裏の状態が改善されるにつれて、寝つきが良くなったり、中途覚醒が減ったり、睡眠状態も改善される人たちが多かったんです」(今枝さん)
今枝さんたちは31人の不眠症患者に、リフレクソロジーとアロマセラピー(マンダリンを使用)を指導した。不眠症の診断に使われる「ピッツバーグ睡眠質問票」で確認すると、受講前の平均点数は11.68点だったのに対し、2週間後は9.75点と明らかに改善(低下)した(第49回日本心身医学会学術講演会[2008年]で今枝さんが発表)。特に「睡眠の質」と「入眠時間」ははっきりと改善していた。
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