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安曇野の鳥と植物、共生と進化を解説 上田・立教大名誉教授

講演する立教大の上田名誉教授=安曇野市豊科交流学習センターで

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 日本野鳥の会副会長の上田恵介・立教大名誉教授が二十四日、安曇野市豊科交流学習センターで「花や実を進化させた鳥たちの不思議」のテーマで講演した。安曇野周辺に生息する野鳥と植物に焦点を当てた企画展を開催中の豊科郷土博物館の主催。上田さんは、鳥と植物が支え合って進化する“共進化”について解説した。

 豊科郷土博物館の企画展は「野鳥×植物 つながる命のいとなみ」。四月八日まで開催中で、講演会はその関連講座で、市内外から大勢の植物・野鳥ファンが聴講した。

 上田さんは「自然界は進化の産物。生物同士の関係は必ず共進化する。自分だけで進化するのではなく、互いに互いを進化させていく。動植物の色や模様も共進化の産物です」と話した。

 この世に花があるわけは、虫や鳥がいたから-。上田さんは共進化の一例として「花は鮮やかな色と甘い蜜で鳥や虫を呼び、受粉を手伝ってもらう。鳥や虫も蜜を吸うために嘴(くちばし)を長くするなど進化した。互いにウィン、ウィンの関係です」と指摘した。

 この世に果実がある理由については「鳥と植物は良い関係。果肉はおいしいが、種子は消化されずに遠くへ運ばれて糞(ふん)から発芽する」と、支え合う両者の関係を解説。その上で「鳥や植物の一種類が絶滅することは、共進化関係にある相手も絶滅してしまうこと」と繊細な自然の姿を紹介した。

 (野口宏)

 

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