BTCのショートを使ったアルトコイントレードの小技

皆さんお久しぶりです。消耗してますか?(挨拶)
僕はいつもどおりです。なかなか気温が暖かくならないのだけがツラい。

数日前に「何故BTC-FXが現物価格とある程度リンクしてくれないと困るか」という観点でポロッとツイートしたんですが、実はこれ結構使えるテクニックなので、せっかくですし補足もかねてもう少し突っ込んだ内容で記事にしたいと思います。

対象としては、比較的短期(数日〜2ヶ月程度)のサイクルで積極的にアルトコインのトレードをする方。短期でどんどん資産評価額を伸ばしたい方。
もしくはBTCをほとんど保有していない・保有する気がなくて、BTCは今後伸び悩むと予想するけれど、その他の特定アルトコインに未来・伸びしろがあると考えている方。

買ったら後は一生ガチホで相場は見ないです、という場合だとあまり必要ない手法かも。


まず、KPIは明確にしておかなければいけませんね。この記事における「資産の増加」は日本円建の評価額が増えることを指します。殆どの方は日本円建てを気にしていらっしゃると思うのでここは問題ないと思います。

例えばNEMが今後伸びると予想して買いポジションを持ったとします。NEMをいっぱい買い込んで準備万端。思惑通りNEM/BTCレートも順調に伸びていったとします。

ところが突然のBTCの崩壊をきっかけにマーケットは総崩れ。
結局NEM/JPYもその巻き添えになる形で崩れ、円建て評価額が急激に落ち込み、結局円建て評価はマイナスに……。こんな苦い経験をされた方もいるのではないでしょうか。特に年末年始は激しかったですよね。

何故このようなことが起こるのでしょうか?


アルトコインの大半は、(主にBinanceBittrexといった海外取引所での)BTC建での売買が圧倒的なボリュームを誇っています。BTCが基軸通貨と言われる所以ですね。
また、対フィアット(USDやJPY)の売買高・流動性はBTCが圧倒的です。ゆえにALT/BTCのペアがBTCとの強弱関係を作り、同時にBTC/JPYが対日本円との綱引きを行うわけです。これらを掛け算、合成してALT/JPYとなるわけですね。

先程の話に戻りましょう。仮に予想が的中してNEM/BTCが伸びていった場合、あなたのトレードは正しかったことになります。ですが結局円建て評価の命運を握っていたのはBTC/JPYの動向であり、BTC/JPYが伸びてくれなければNEMの円建て評価額もなかなか増えてくれない。

今回のKPIは円建て評価額を増やすことですから、最終的な目標は上手く達成されなかったことになります。


アルトコイントレーダーの間ではしばしば「アルトコイントレードはBTCの数を増やすゲームである」という言い方がされることがあります。
前述したように円建て評価は結局BTC/JPYの動きによって大きく左右されてしまうため、KPIそのものをBTCの数量に切り替えてしまおうという考え方ですね。円建て評価は一旦無視してBTC建てで増えればそれで良しとしてしまう、ある種の単純化です。
別の見方として、BTCをホールドして気絶していれば良かった(わざわざアルトコイントレードをしなくても良かった)ということにならないように、単なるBTCホールドよりは高いパフォーマンスを出すための指標でもあります。

しかし、僕がこの記事の冒頭で述べたように、BTC/JPYの動きにできるだけ左右されずに純粋にアルトコインのトレードだけで勝負して円建て評価を増やしたいというシチュエーションも大いにありうると思います。

こういう状況に対する処方箋として、BTCのショート(空売り)ポジションが生きてくるわけです。


方法としては簡単です。アルトコインを購入したらセットでBTC/JPYをショートしておくだけ。

こうすることで、「BTCと比較してそのアルトコインが伸びるかどうか」に集中したポートフォリオを作成することができます。BTC/JPYが下落し、その結果暗号通貨マーケット全体が縮小した場合の円建て評価のダメージをヘッジするわけですね。

ではアルトコインの買いに対してBTCをどれだけの配分でショートする必要があるでしょうか。
僕はいつもCoinGeckoのトレードボリュームを見て、BTC建て割合を参考にしています。

NEMの売買のうちおよそ半分がBTC建て売買ですから、例えば5BTC分NEMを買ったら2.5BTCのショートポジションを建てておく感じですね。

ショートポジションを作るのはbitFlyerのBTC-FXか、BitMEXです。理由としては十分な流動性と手数料の安さですね。オーバーナイト金利はありますが、アルトコインのボラティリティに比較すれば無視できる程度だと思います。

基本的にはJPY建てということもあり最近までbFが一番良かったのですが、最近は上手くBTC/JPY現物と連動してくれないこと、ルール変更を控えてるSFDやらサーバが不安定な問題もあるので2018年2月今現在の状況だとBitMEXの方がいいかもしれない……。(また状況が変わったら追記します)
BitMEXのペアはXBT/USD(XBTはBTCの別表記)なのでUSD建てなのですが、サーバの安定度はピカイチです。取引所自体が日本語にも対応してるので悩むこともないと思います。

リファラルも置いときます。上のリンクから登録してもらうと6ヶ月間、手数料が10%引きになるらしいので少しお得です。まあ、手数料自体が安いんで誤差みたいなもんですが……。

さて、この方法にデメリットがあるとするとショートポジションを作るだけの証拠金を別途用意して、なおかつすぐにロスカットされない程度には維持しないといけないことでしょうか。アルトコインに全力したい場合には資金の振り分けで悩むことになると思います。
こればかりはスタンスによるのでそれぞれメリット・デメリットがありますが、個人的には過度なリスクテイクは避けて防御力の高いポートフォリオを作っていくことが生き残るコツだと考えています。

トレードに必要なのは知識と経験値であり、経験値が溜まる前に一発で退場となっては元も子もありません。長く相場にいることで見えてくるものもあるだろうということですね。できるだけ長く相場に関わりましょう。生存期間と資産の伸びにはそれなりに相関があると思います。


閑話。

僕はTwitterアカウントのDMを全開放してるので、「どうやって億ったんですか?」みたいなDMが定期的に来ます。

普段こういう話全くしないので、せっかくなので回答しておこうかなーと。もうこの記事で書きたかった話は全部終わったので、興味ない方はここから下は読まなくて大丈夫です!


株式や債権を除いてクリプトトレードに限定した話ですと、僕の主戦場はBTC/JPYとBTC/USDです。色んなヘッジを駆使してできるだけリスクを小さくしているせいか、資産の伸び幅も線形です。Twitterで目立ってる方を観察しているとアルトコイン一発でウン百倍になりましたみたいな話の方が多いんですが、それに比べると本当に地味なんですよね。夢がない。笑

自分で書いたプログラムでマーケットの流動性を作って毎日少しずつ利益を溜める傍ら、時々本当に確度高めなところだけで大きめにレバレッジでトレードして利益を伸ばすスタイル。大きいと言ってもロットコントロールを重視してるので維持率は常にかなり高い方です。

アルトコインもたくさんトレードしてますが、「アルトコインのn倍銘柄で一発で億った」みたいなことが全くないという話からお察しの通り、いわゆる草コイントレードはお遊び程度にしかやってきませんでした。
流動性高めの上位コインをメイン触るようにしていて、アルトコインでは最高でも2倍3倍くらい。その代わり手数が多くて毎日コツコツ、月利で言ったら平均20〜30%くらい。資金が増えてからはもう少し効率下がってるかもしれないです。

ただ、どちらにしても2018年のこれからはアルトコインの一発で10倍100倍みたいな話は徐々になくなっていくと思いますし、いずれ手数を増やして地道にやっていかなければいけない時代が来るのかなと。
僕がBTCを好きな理由の第一はコンセンサスアルゴリズム等の技術面ですが、流動性がたっぷりあって手数料やスプレッドといったコストも安いところがトレード対象としても魅力です。トレード環境の良さというのはとても大切で、そこが悪いと長い目で見た時にやっぱり不利になってしまうんですよね。

元来のトレード好きの人たちほどBTCのレバレッジトレードを主戦場にしてる印象で、僕よりもっとアクティブな人たちがTwitterで収支報告してるのを楽しく見させてもらってます。最近は先に挙げたBitMEXが圧倒的に流行りで、次点でbFのBTC-FXなのかな。
明らかに稼いでる額がとんでもない人達が相当いるんですが、彼らは本当にストイックなんで自己アピールは相当控えめなんですよね。アピールしはじめると今度はなんか胡散臭くなるというのはありますが。笑


最後に宣伝。

僕の最近のトレード動向なんですが、coinrunというメディアに半ば強引に(?)勧誘されたのでそこで4日に1回くらいポエムを書いてます。相場に対する視点はそっちで吐き出すことがほとんどなのでご興味ありましたら是非ご覧ください。

僕以外の2名は僕なんかよりもよっぽど凄腕のトレーダーで、しかもガッツリ相場にフォーカスした記事書いてて参考になると思います。今のところ広告も一切ないですし、もちろん怪しいICOや草の紹介もなく、大型銘柄の相場の話だけが淡々と毎日更新されるストイックさがウリのようです。

健全すぎてそれで続くのかって話なんですが、今のところ3人で趣味で書いてるのでオール持ち出しです。飽きたら終わると思います。

なんでこういうことやってるかっていうと僕は暗号通貨もトレードも両方大大大好きなんで、できるだけ多くの人に同じように好きになってほしいし、好きになってもらえたら次は長く楽しんでほしいんですよね。要するにオタクの趣味の布教活動です。

では!