アップル端末から緊急SOSの間違い電話が相次ぐ。2017年10月から約1600件、アップルは事態の解決を約束
もっとも、それらはたいてい電話の向こう側に誰もいない、いわゆる間違い電話。その発信元の全ては、アップルの修理センターだったとのこと。特にエルクグローブ市警では、2017年10月から約1600件、平均して1日20回もの緊急SOSがあったとされています。
アップルの広報担当者は、「エルクグローブの修理・改装施設から発信された911の問題を認識しています。これを真摯に受け止め、現地の法執行機関と緊密に協力して原因を調査し、事態が継続しないことを保証します」と声明を発表しています。エルクグローブ市警の担当者は、アップルの修理センターから過去4ヶ月間、間違い911コールが相次いでいると証言。「アップル関連施設から電話がかかる際には住所が表示されるため、どこからの電話かがすぐに分かるんです」と語っています。
また、サクラメント郡の保安局コミュニケーションセンターにも、2018年に入ってから47件の911電話がかかっているとのこと。ユーザーが気づかないうちに掛けられているためか、背景には働く技術者達の声が聞こえ、保安局の担当者は「アップルや端末、メンテナンスや修理の話をしているようです」と証言しています。
iOS 11から、iPhoneやApple Watchにはすばやく簡単に緊急電話をかけられる「緊急SOS」機能が追加されています。その方法は機器により異なりますが、たとえばiPhone XやiPhone 8、iPhone 8 Plusではサイドボタンといずれかの音量調節ボタンを同時押し。これにより表示される「緊急SOS」スライダをドラッグする、あるいはボタンを押し続けることで自動的に緊急通報用電話番号にかけられる仕組みです。
iOS 11リリース直後、この機能を実際に試すユーザーがカナダのトロント市で多数発生したらしく、現地の警察は「ちゃんと機能しているから試さないで!」と悲鳴のような声明をTwitter上で発表した一件もありました。
エルクグローブの担当者が語っているように、緊急回線への間違い電話のはらむ危うさは、本当に緊急事態が起こった際にそちらを通報する回線が保留され、対応が遅れかねないことにあります。
人命を救うはずの機能が致命的な事態をもたらす本末転倒が起きないよう、入念な対策とメンテナンスが施されるよう期待したいところです。