2004年の記事「男女のからだのサイズ」はAIST1997の公開データが元になっていて、ネットでは随所で見られるデータですが、男性が華奢すぎると評価されることが多いものです。今回、AIST1992の公開データで作り直しました。1992のデータは男女とも少し身長が高い傾向が有りますが計測項目数は大変多いです。
「女性B」は男性と同じ身長に換算した数値です。

●女性が大きい項目は、おへそ回りから膝にかけて

体重　女性が重いです。
全頭高。女性は、身長比なので頭が縦に7mm大きく、頭囲も大きめ。
ヒップ・太もも・ヒップ幅　ヒップ幅は、身長159の女性でも男性を上回りますが、ヒップ囲りはそうではありません。日本の男性は厚みがあります（出尻）。女性の89.8は他のデータより小さめです。
へそ囲り・腹囲　腹囲は最も前方に出ている位置、下腹部ですが、女性が大。ヒップの差以上。
膝囲り　女性がやや太めですが、大腿部ほどではありません。大腿部に比べれはむしろ細いかも。膝上囲（大腿最小囲）は女性が太め。「膝下周囲」という項目がウエットスーツのメーカーにあり、女性が太め。男性は膝関節のすぐ上とすぐ下が引き締まって細めですが、女性は太さの差が少なくシルエットがなだらかということ。
胸囲(乳頭位胸囲)　単純に比較できませんが、数字は女性がやや大。
ウエスト高さ　ここでは0.4cmの差しかありませんが、1997の女性データはこれより3cm以上高いです。こちらでは男女ほぼ同じということは、ウエスト位置を、最細部ではなく「肋骨下部と腸骨上部の中間」としたためと思われます。

●男性が大きい項目は、上半身、腕、足。

首囲り　男女差が大きい項目の一つ。
肩幅　胸幅の差よりも更に男性が大きいです。
上胸囲(チェスト)　男性の胸は厚いです。
アンダーバスト　男性の85は推定値(*)です。男女差は最も大きく、同身長でも10%以上の差。
ウエスト　最細部の計測値ではないかもしれません。
腕と手　男性は腕全体がやや長めで、肘から先は特に太く、手は幅と厚みが目立ちます。手長から手掌長を引くと中指の長さになりますが、男性は手掌長は大きいですが、指の長さは男女同じ(このデータでは)。
脚、足　腕と同様に男性は少しだけ長めで、特に膝から下が長め。足は手と同様に女性は小さく細長い。脹ら脛や足首がほぼ同じ（女子微太？）なのは、むくみが出やすい女性が多いためと思われます。

女性は平均値ではバストがチェストを上回りますが、差は僅か0.7cmです。（AIST2003のデータでは、バストが2.5cm大きく、チェストが大の人はAカップ以下の人の半数程度。）
男性はチェストがバストより3.3cm大。ほとんどの男性がチェストのほうが大きいようです（AIST2003のデータでは51名中チェストの小さい例外が2名で、1人は肥満型、1名はB97 W77のマッチョ型)。
* 男子のアンダーバストの推定　Ｃ・Ｂ・Ｗの高さ位置データや幅と厚みデータから作図して推定。某写真画像の幅と厚みからＢとの差を推定。

「その１(1997)」と「その２(1992)」の比較
身長は男女とも1992が大きい。1997の身長のほうが普通かも。
　男性(1997:170.6＜1992:171.4)、女性(158.6＜159.1）。
1997の男性は上半身や腕が細く女性的傾向。
　胸囲（84.1＜88.7）ウエスト（70.3＜73.4）上腕太（26.2＜28.1) 前腕太（24.5＜25.9）
1992の女性は下半身がやや細い。1997のほうがヒップ・太ももは普通かも。脹ら脛は？？。
　ヒップ（91.7＞89.8）太もも（54.3＞52.8）脹ら脛（35.1＞33.8）