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第6回

2010年7月1日

ヤクルト本社『ミルミル』

東条 慎吾

 商品購買調査データQPR(TM)から、実際の商品購入者を分析! ヒット商品の成功要因をリポートする連載コーナー。最終回となる第6回は、1978年の販売開始より27年を経て販売中止になるも、2010年3月、5年ぶりに復刻リニューアル。その後、目標の2倍を超える好調な売れ行きを見せている、ヤクルト本社のビフィズス菌飲料『ミルミル』を取り上げる。

 

  

ミルクを独自のビフィズス菌で発酵させた世界初の商品として1978年に発売された、「ビフィズス菌飲料の元祖」ともいえるブランド。2005年より販売中止となっていたが、2010年3月にリニューアル発売。希望小売価格(税別):90円/100ml 

 

 

 

 ヤクルト本社の「ミルミル」は、1978年から2005年まで販売されていたブランドである。2010年に再発売され、広く子供から大人までを対象としながらも、成人がビフィズス菌を補給するドリンクヨーグルトとして、新たに生まれ変わった。初年度1日当たり25万本という目標を大きく上回るなど、好調な売れ行きをみせている。

 

購入者は30、40代が多い

 

 新「ミルミル」の購入者111人の属性を見ると、30代が32%、40代が23%と合計55%を占める。定番商品のヤクルト(ブランド合計)では、50、60代が50%以上を占め、30、40代は40%強であることと比較すると、購入者の年齢層が若いことがわかる。

 

 とくに「ヤクルト」や乳酸菌飲料全体の購入者に比べ、30代が多い。この年代は小・中学生当時「ミルミル」を飲んでいた層であり、ミルミルのターゲット像とも合致している。

 

 

3 回以上購入者が2 割を超える

 

 発売後、2ヵ月間での新「ミルミル」購入者全体に占めるリピーター(2回以上購入者)の割合は32%を占める。すでに3回以上の購入者は20%を超えており、5回以上の購入者も10%程度いる。ただし、同期間で「ヤクルト」は5回以上の購入者が27%存在していることからも、「ミルミル」においても今後のポテンシャルは十分に期待できる。今後いかにユーザーロイヤルティを高めていくかが、さらなる拡大のポイントとなってくるだろう。

 

 

購入者はヤクルトユーザーの買い回りと新たなユーザーの獲得

 

 新「ミルミル」購入者の発売前後3ヵ月の乳酸菌飲料、ドリンクヨーグルトの購入状況を確認したところ、ユーザーは大きく3パターンに分かれた。

 

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