2017年12月19日

【藤井聡】危機と対峙する保守思想誌、『表現者クライテリオン』を創刊します。

◆【藤井聡】危機と対峙する保守思想誌、『表現者クライテリオン』を創刊します。◆

【藤井聡】危機と対峙する保守思想誌、『表現者クライテリオン』を創刊します。
「新」経世済民新聞
三橋貴明の公式サイト
三橋貴明の公式サイト)より【転載】。


★★From 藤井聡@内閣官房参与(京都大学大学院教授)★★


今の日本は本当に危機的な状況に置かれています。

デフレ不況が20年も継続し、北朝鮮から核攻撃やテロ攻撃を受けるリスクが日々拡大し、南海トラフ地震や首都直下地震も懸念されています。

しかし日本の最大の危機は、これらの危機に対してほとんど誰も危機感を抱いていないところにあります。つまり適切な対処さえすればそのいくらでも被害を縮小できるのに、何の対処もしようとしないがためにその被害が極大化しようとしているのが日本の現状です。

要するに日本の最大の危機は「実務的次元」にあるのではなく、「思想的次元」にあるのです。

そうした認識から、筆者のみならず三橋さんをはじめとする様々な論者がこの「経世済民新聞」を含めたいろいろなメディアで発言を重ねてこられたのですが───この度、そうした発言を抜本的に加速することを企図して、

「危機と対峙する保守思想誌」

として、

「表現者クライテリオン」

という雑誌を新たに「創刊」することとなりました。

本誌は、1994年に西部邁先生が創刊された言論誌「発言者」、ならびにそれを引き継いだ言論誌「表現者」の第二期にあたるもので、西部先生の引退を受けて当方が編集長をお引き継ぎする形で新しく創刊することとなったものです。

執筆者はこれまで『表現者』にて執筆してこられた富岡幸一郎・伊藤貫・浜崎洋介・川端祐一郎といった各先生に加えて、経世済民新聞にも寄稿してこられた柴山桂太・佐藤健志・施光恒等の先生方に引き続きご執筆頂くと同時に、新たな執筆者として経世済民新聞編集長の三橋貴明さんはもちろんのこと、野中郁次朗先生、大石久和先生、竹村公太郎先生にも、それぞれのお立場から連載を執筆頂きます。また、それぞれの特集にあわせた各界のご専門の先生方にも、毎号新たにご執筆頂く予定にしています。

「クライテリオン」とは何なのか、そして雑誌発行に加えてどんなメディア戦略を構想しているのか───等については、現在発行中の第一期表現者の最終号に掲載した、「『表現者criterion』の始動に向けて」という記事を下記に記載いたしますので是非、ご一読下さい。

発売は、来年2月。今、その「創刊」に向けて鋭意準備中です。

日本が今まさに直面している深刻な危機の一つ一つと対峙するためにも───是非、ご購読頂きたいと思います。ご希望の皆様は是非、下記からお申し込み下さい。

定期購読申し込み: https://www.fujisan.co.jp/product/1281687591/
(※ 2018年02月16日発売号から▼ にて「買い物かごに入れる」をクリック下さい)

我々がまさに今、直面する数々の危機に直面すべく創刊される「表現者クライテリオン」───一人でも多くの日本の皆様にご購読頂きたいと思っております。

是非、ご期待下さい!
(※ 詳細は是非、下記をご参照下さい)

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「『表現者criterion』の始動に向けて」(表現者2018年1月号より)

表現者クライテリオン編集長 藤井聡

表現者におけるreform to conserve
本誌前号(75号・11月号)で宣言されたとおり、雑誌『発言者』を創刊し、その後、その内容をリニューアルして創刊した後継誌『表現者』の編集長、主幹、顧問として健筆を振られて来た西部邁先生がこの度、本誌の執筆活動から引退されることとなりました。

思えば雑誌『発言者』が創刊されたのは、バブルと共に日本社会の様々な秩序が崩壊し始めた25年前の1994年、それが『表現者』に継承されたのは日本社会の崩壊が徹底的に推進された小泉竹中改革のまっただ中の2005年でした。その四半世紀の間、「日本を守る」という言葉の思想的意味、そのための実践的言論の双方の最先端を示し続けたのは、間違い無くこの西部邁先生の『発言者』であり『表現者』でありました。

一方で今、過去四半世紀に及ぶ『発言者』『表現者』の奮闘の歴史の裏側で進行した日本社会の蒸発とニヒリズムの蔓延は、2018年という新しい年においてますます加速しているやに思われます。こうした日本社会があらかた蒸発してしまった現状において何よりも求められている姿勢は、身の回りにあるものを片端から盲目的に全て保守し続けるという態度では無く、例えば保守思想家エドマンド・バークが主張した
「reform to conserve」(保守するための改革)を於いて他にありません。

ついては西部先生の引退を受け、reform to conserveの精神を引き継ぎ、本誌表現者の「第一期」を本号で終え、内容と編集体制を刷新した「第二期」を、次号(平成29年3月号)から始めることとなりました。

すなわち「第二期」の表現者では、これまでの「第一期」表現者の中で西部邁先生が表現し続けてこられた保守の精神を継承(conserve)するために、「表現者criterion」という新たな雑誌タイトルの下、その雑誌編集の体制と内容を刷新(reform)いたすこととなりました。

クライテリオン、批評と危機(Criterion, critique & crisis)
新たな雑誌タイトル「表現者criterion」におきますcriterion(クライテリオン)という言葉は「規準」を意味するものです。

私達がこの言葉を雑誌タイトルに選んだのは、あらゆる伝統や秩序が溶解しはじめたこの危機(crisis)の時代に、真剣かつ活力ある評論(critique)を紡ぎ出すには、かつてなら誰もが手触りある形で確認できた暮らしの中の「伝統」が指し示し得たクライテリオン(criterion規準)を探り続けることこそが何よりも求められているからです。

言うまでも無く、思想を紡ぐ批評のためにも、危機を乗り越えるための実践を展開するためにも、何らかのクライテリオン無かりせば私達の精神も身体も漂流する他ありません。例えば保守思想家の一人でもあるエリオットは自らが編集する雑誌タイトルをまさに「クライテリオン」と呼称しましたが、言論とはすべからくクライテリオン(規準)を陰に陽に探し求めながら展開すべき営為なのです。

新しい第二期「表現者」においてもこうした認識の下、危機(crisis)の時代の批評(critique)を思想的、実践的に縦横に展開するにあたっての「クライテリオン」(規準)を執筆者のみならず読者も含めて全面的に探し求める活動を展開するための「場」として編集し、公に向かって出版(publication)することを企図しています。

ついては、これまで「保守の本質に立つオピニオン誌」という本誌のサブタイトルも、危機crisisへの対峙と、そのための批評critiqueを徹底的に思想展開せんとするという意志をより明確化した「危機と対峙する保守思想誌」とする事を考えています。

新しい社会、思想、実践運動としての「表現者」
編集体制については、西部邁先生よりご指名頂いた当方が編集長を務めると同時に、これまで本誌にて連載執筆を進めてきた文芸批評家の浜崎洋介氏、社会科学者の柴山桂太氏に加え、長年西部塾(発言者塾)で研鑽を積み、本年度より京都大学助教に着任された川端祐一郎氏の四人の編集体制で、雑誌を編集して参ります。これまで編集長をお務め頂いた富岡幸一郎先生には編集顧問をお務め頂くと同時に、これまで西部智子さんが担ってこられた編集実務は筆者らと共に西部塾で学んだ毛利千香志氏が引き継ぐ体制を予定しています。

また執筆者については、これまで『表現者』で執筆頂いた論客の皆様方には引き続き、特集や寄稿、座談会など様々な機会を通して継続的に協力頂く一方、reform to conserveの精神の下、新たな切り口、趣向、執筆陣にて「連載」や巻頭の「扉」の内容を刷新し、雑誌活動を通した「生の全体性の回復」をさらに立体的、総合的に探求することを、新たな編集体制にて企画しております。

さらに、かつて『発言者』では積極的に公募していた「投稿」欄や、『表現者』創刊当時に同じく公募していた「表現者賞」を再始動し、読者も含めた様々な言論、表現活動の活性化を図ると同時に、次代の新たな書き手の発掘を企図いたします。

加えて第二期表現者の『表現者criterion』では、もちろんこれまで通りの紙媒体の「雑誌」内容の充実に全力を挙げると共に、インターネットやラジオ等の様々なメディアもあわせて総合的に活用しながら、裾野の広い社会的、思想的、実践的運動を精力的に展開することを企図しています。

雑誌では配信しきれない多面的情報をWEBやメールマガジン等を通して立体的に配信すると共に、ラジオでは当方(編集長)を中心に、編集・執筆関係者を含めて様々なメッセージを発信する番組『週刊ラジオ表現者』(KBS京都、毎週月曜日、午後9時半~10時)を開始します。

その他、MXテレビ等の番組企画や全国でのシンポジウム等、様々な「発言/表現」の展開を企図しています。今、新しい編集体制の下、これまでの執筆者の皆様方の協力も得ながら営為、編集作業を進めているところです。
第二期の表現者となります『表現者クライテリオン』───『表現者』読者の皆様におかれましては、是非ともご期待願えますと大変幸甚に存じます。保守すべきものがあらかた蒸発しつつあるこの現代においてあらゆる危機と対峙しつつ、読者各位と共に本誌を通して保守のあり方を改めて模索し続けながら真剣に、そして多面的、包括的に発言、表現し続けて参る所存です。

何とぞ、よろしくお願い申し上げます。

PS1 表現者クライテリオンの定期購読は是非、下記よりお手続き下さい!
https://www.fujisan.co.jp/product/1281687591/

PS2 表現者クライテリオンの創刊記念シンポジウム
「危機と対峙する保守思想」を、2018年2月16日の午後6時から開催致します。是非、ご参加下さい!

告知;





転載終わり。

御精読ありがとうございました。
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posted by ebi at 11:10 | 「新」経世済民新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする