海賊王に俺はなれる……かもしれない。「Sea of Thieves」のクローズドβテストに参加してみた
2018年1月下旬,日本マイクロソフトが3月20日の発売を予定している「Sea of Thieves」(PC(Windows 10) / Xbox One)のクローズドβテストが実施された。
Microsoft StudiosとRareが開発を手がける本作は,オンライン専用アクションアドベンチャーゲームだ。今回,短い期間ではあるがCBTに参加する機会を得て,世界中のゲーマーとマルチプレイで海賊ライフを堪能してきたので,筆者の航海日誌をお伝えしよう。
「Sea of Thieves」公式サイト
なお,「Sea of Thieves」はXbox Play Anywhereタイトルなので,PC(Windows 10)でもXbox Oneでもプレイできる。ただし,PC版はゲームクライアントが立ち上がるものの,サーバーとマッチングが行われないのか,待てど暮らせどゲームを始められなかった。そのため,本稿はXbox One版のプレイレポートとなっている。
また,残念ながら日本語非対応であることにも触れておく。現在,日本国内ではMicrosoft ストアで予約を受け付けているが,「本製品は英語版です」と記載されている。そのため,まったく英語ができない人や苦手な人がゲーム中にコミュニケーションを図り,海賊デビューが可能なのか。気になっている人も多いだろう。
Microsoft ストア「Sea of Thieves」
しかし,その点はほぼ心配ない。確かに海外のプレイヤーはボイスチャットで仲間とやりとりをしていたが,ワンタッチメニューからテキストを選べるクイックチャットやジェスチャーが用意されており,それらでもコミュニケーションや意思疎通を十分に図れる。今回のCBTに参加した限りではまったく問題がなかったので,筆者のように英語力に不安を抱えている人も,大船に乗ったつもり(海賊だけに)で大海原に飛び出してほしい。
ゲームを始めると,まずは自分の船を選択することになる。航海や敵船との戦いに必要な設備が整った大型船であれば,最大4人の船員と出航できるが,壊れやすく小さな船をあえて選んで,最小限の船員で出航してもいい。はたまた「オレは経験豊富な海賊だ」と自負するならば,たった1人で我が道を往くという選択肢もある。自分に合った道を決断したら,いよいよ航海に出発だ。
今回,筆者は海賊稼業の勝手が分からなかったため,仲間達と一緒に大型船で冒険へと繰り出すことにした。道中では単身で航海しているプレイヤーにも遭遇し,「海の一匹狼を気取るのも悪くないか」と思ったが,今回は機を逃してしまった。そのあたりは発売後の楽しみにしよう。
大型船に同乗する仲間は自動的にマッチングされ,役割も自動的に割り当てられる。1人が船長となり,そのほかのメンバーは船員だ。また,船員の容姿はそれぞれ異なり,これもランダムに決定されるが,島のショップで衣装を購入すれば着替えられるようだ。もちろん,衣装以外のアイテムを売っているショップもある。
ゲームの開始ポイントはさまざまだ。船内から始まるときもあれば,島の近くに停泊している船の上だったり,砂浜だったり,いきなり海の中だったこともある。
一度だけ,船内の牢屋に入れられている状態で仲間に見られていた(見張られていた?)ときは戸惑った。ゲーム中,とくに悪さをした覚えがないのに,突然牢屋に入れられたこともあり,どちらの場合も牢屋から出る方法がまったく分からず,ゲームから抜けるしかなかった。いったいどんなことをすると牢屋にブチ込まれるだろうか……。いずれ確認しなくてなるまい。
基本的な操作方法は一般的なアクションゲームと同様で,十字ボタンの上がチャットテキストの選択,下がジェスチャーの選択に割り当てられている。ゲーマーであればすぐに慣れるだろう。
また,アイテムを使用する場合,[LB]ボタンを押したままにするとサークル状のアイコンが表示され,[X]ボタンでページを切り替え,右スティックで任意のアイテムを選べる。最近では「MONSTER HUNTER: WORLD」でも採用されている選択方式だが,複数のアイテムもスピーディに使い分けられるので便利だ。
さて,海賊たちの冒険の舞台となる大海原には,大小さまざまな島が点在しており,ほかのプレイヤーが操る海賊船が行き来している。島に上陸すると武装したスケルトンに襲われたり,海中では凶暴な人食いサメにガブリとされたりするから恐ろしい。どこかにクラーケンも生息しているそうだが,筆者は遭遇できなかった。ちょっと残念。
筆者が選択した大型船は,船内にある地図にマークを付けると自動航行が可能で,アンカー(錨)を上げるだけで出発し,島や目的地に近づくと知らせてくれた。目的地に到着したら,アンカーを降ろして停泊させ,島の探索へと向かうというわけだ。
なお,アンカーを降ろすのはワンタッチ操作だが,引き上げるときは一仕事になる。大型船には数人で操作できる巻き上げ装置があり,仲間と協力したほうが早く引き上げられる。そのため,何も言わなくても自然とみんなが集まって,黙々と作業にとりかかった。こうしたさりげないところで,仲間意識が芽生えるのが面白い。
船の帆は張り具合や向きを調整することもでき,空を見上げると風の強さや風向きが目や耳で分かるので,それに合わせて微調整していく。
今回,主に自動航行で移動していたので,目的地に着くまではあまりすることがなかった。要するに時間を持て余してしまった。
仕方がないので,マストの見張り台に上って望遠鏡で周囲を見渡してみたり,船上を走り回ってみたり,音楽を奏でてみたり,それに合わせて踊ってみたり,酒をグビグビしながら酔っ払ってみたりしたが,これがなかなか海賊のイメージにぴったり。なかなか悪くない時間だ。
時間経過や天候の変化といった要素もあり,夕日が水平線の向こうに沈み,徐々に星空へと変わっていく様子をボーッと眺めているだけでも楽しい。天候や風の強さによって波の表情もさまざまに変化し,ほとんど波のないときもあれば,恐ろしいほどの大波に襲われることもある。
もちろん,刻々と変化する波の動きに合わせて船の揺れも変わり,ゲームなのに船酔いしてしまうほどリアルだ。このあたりはムービーで確認してほしい。
Sea of Thieves movie Part1
海上でほかのプレイヤーが操る船を発見したら,攻撃することが可能だ。ただし,敵船が近くても砲撃を当てるのは非常に難しい。
大型船の左右には4門ずつ大砲が搭載されており,上下左右に角度を調整できる。しかし,左右方向へ大きく回転させることはできず,その範囲は非常に狭い。そのうえで絶えず移動している敵船を観察して,着弾する位置を予測して砲撃しなくてはならない。船体は波で揺れているので,同じ角度で発射しても同じ場所に着弾するとは限らず,相手の位置によっては違う大砲に切り替えたり,舵を取る仲間に船の向きを変えてもらったりする必要がある。
しかも,「大砲は一発撃ったら砲弾を再装填する」という手間がかかり,連続して攻撃できないから大変だ。砲弾はアイテムとして5発まで所持可能だが,手持ちが尽きたら船内の弾薬樽まで取りに行く必要がある。もし弾薬樽のストックが無くなったら,今度は敵船に泳いで乗り込み,強奪するしかない。もちろん,潔く退却するのも賢明な選択だろう。
とにかく島を探索したり,漂流物を回収したりして,事前に砲弾をはじめとする物資を船倉に備蓄しておくことが重要だ。
想像に難くないと思うが,戦闘中は忙しく動き回る。被弾すれば船内の浸水が始まり,放っておくと沈没してしまうので,バケツを使って海水を掻き出さなくてはならない。船底に溜まった海水をすくって,階段を駆け上がり,甲板からぶちまけるという作業を繰り返すことになるのだ。
もちろん,それだけでは浸水は止まらないから,破損箇所に板を打ち付けて修理も施していく。しかし,連続して被弾すると排水もしなきゃいけないし,修理もしたいし,反撃もしなくちゃいけない。それはそれは,てんてこ舞いになるが,たまらなく楽しかったりもする。
Sea of Thieves movie Part2
敵の海賊やスケルトン,サメに対しては,ナイフやピストル,ライフルを切り替えながら応戦することも可能だ。ナイフは無制限に使えるが,銃にはそれぞれ5発ずつ装填されており,弾切れになるとどこで補充すればいいのかが分からなかった。
CBTだからなのか,こうした部分を含むチュートリアルは一切用意されておらず,手探り状態でプレイしていたのだ。
さて,海賊と言えば,島々に眠る財宝を探すことも醍醐味だろう。特定のショップには,お宝のありかを示すヒント(謎解き)や地図に「ココ!」と記された巻物が売っているので,その情報をもとに宝探しに挑むことになる。
島に埋まっている宝箱をシャベルで掘り出したら,船に運んでからショップに持っていくと報酬が得られるという流れだ。少々手間がかかるが,やはり海賊気分を高めるには“お宝”の存在が欠かせない。
海賊は無敵ではないので,命を落とすことも多々ある。高所から落ちたり,敵の攻撃を受けたりするとライフが減っていくので,バナナを食べて回復しなくてはならない。
もしライフが尽きてしまうと,死後の世界の海賊船に送られ,一定のタイムペナルティが課せられる。死後の世界には,ほかにも死んだ海賊が集まっているようで,現実世界への扉から戻っていく様子が見られることもある。なかなか面白い演出だ。
Sea of Thieves movie Part3
ちなみに,船上を跳ね回っていると海に転落しがちだが,海賊なので泳ぎは達者。海中に潜っても,溺れ死ぬことはない。
船から落ちると,気が利く仲間であれば船を停めて待ってくれることもあるだろうが,高確率で揺れる波間から離れていく自分の船を見送ることになる。海賊達は結構薄情だ。たまたま筆者が仲間に恵まれなかっただけかもしれないが……。
大海原にポツンと取り残されてしまったら,付近にサメがいないことを祈るしかない。しばらくすると,トーチをかざした不気味な人魚(?)が現れ,船上にリスポーンしてくれる。これでようやく海賊稼業に復帰できるのだ。
今回,たった数日間ではあったが,仲間と一緒に船体が上下するほどの荒波を進み,大小の島々を探索し,敵の海賊と派手な海戦を繰り広げた。ときには酒を飲みながら歌ったり踊ったり,マルチプレイならではの海賊ライフを満喫することができた。前述のとおり,英語ができなくても支障をきたすことはなかった。
もちろんテストバージョンなので,これが「Sea of Thieves」のすべてではない。世界中からもっと多くのプレイヤーが参加したときに,海上はどうなるのか。船団同士の戦闘は可能なのか。マルチプレイならではのゲームモードはどうなるのか。発売日に向けて気になる部分は多いが,そんなことを思いながら,海賊デビューの“本番”を心待ちにしている。
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